モデル顔負けの長い手脚にエキゾチックな顔立ちで、人気再燃する女子プロレス界でも注目度急上昇中の木村花(20歳)。
元女子プロレスラー・木村響子を母に持ち、デビュー1年半とは思えないプロレステクで、所属するプロレスリングA.C.Eだけでなく、スターダムやセンダイガールズプロレスリングなど、団体を股にかけての活躍を見せる売れっコだ。
試合のスタイルも幅広く、カワイい衣装で溌剌(はつらつ)とした試合を見せたかと思えば、妖艶な衣装でえげつない反則を繰り出すヒールっぷりも...。キャリアの未熟さを感じさせない堂々のパフォーマンスで、一体どっちが本物?と魅了する。
そこで、20歳になったメモリアルに『週刊プレイボーイ』で初水着を披露してくれた彼女に、今のリアルな心境を直撃。これが素顔の木村花だ!
―人気急上昇の女子プロレスラー6人をセレクトし紹介した初登場時も反響を呼びましたが、まさか木村さん単独で初の水着グラビアを披露していただけるとは...。やはり緊張しました?
花 今回、北海道までロケに行ってきたんですけど、飛行機に乗るまでは正直、緊張してました。でも寝たら平気になってましたね(笑)。
―おーっ、さすが大物、心臓が強い! グラビア撮影の話がきた時はどう思いました?
花 元々、少しでも多くの方に女子プロレスに興味を持ってもらって、試合に来てほしいと思ってたので、グラビアは最終兵器的な感じだったんですよ。それが週プレさんから声をかけていただけたんで嬉しかったです。実際、撮影も自然が多いところだったし、すごく楽しかったですよ。
―この撮影が8月末ということで、その直後に20歳を迎えたわけで、ここには10代最後の姿が写っていると。
花 20歳になったことは、そこまで意識してないけど(笑)。今回、Tシャツにカットしたジーンズのシ-ンがあるんですけど、普段も同じような格好をしているし、写っているのは等身大の自分だと思います。
―それにしてもカワイい水着姿とは裏腹に、先日観させてもらった試合でも椅子まで持ち出して、激しく場外乱闘してましたね! ものすごいギャップです。
花 椅子まで持ち出すことってなかなかないですけどね。観に来てくださった試合、そのトーナメントの中でも一番熱い試合だったんですよ。心のリミッターが外れちゃって! 自分でも信じられない...誰だったんでしょうね、あれは(笑)。
―(笑)グラビアのカワイい木村花を期待して会場に来たお客さんはきっと驚くでしょうね。
花 見た瞬間、「もうムリ」ってなっちゃったらどうしよう(笑)。
プロレスの神様に感謝ですね!
―そもそも女子プロレスラーになったきっかけを聞いても?
花 母にずっと誘われてたんですよ。
―知る人ぞ知る、女子プロレスラーの木村響子さんですよね。
花 はい。でも最初、私はダンスをやりたくて。高校時代は学校とバイトとダンスって毎日だったんですけど、職業にしようと思ってダンスしてたら、辛くなってきちゃって。そんな時に母にまた誘われて「1回やってみようかな」と。そしたら1週間後には坂口道場で柔術の練習をすることになり、ミッドブレスジムでウェイトも始めて、母とのリング練習まであっという間に(笑)。
―プロレスラーになるための練習はどうでした?
花 むっちゃキツかったです! でもズル休みもしましたけどね(笑)。練習中に母親とケンカになって途中で帰ったりもありました。腕立て伏せを頑張ってたんですけど「全然下がってない、もっと下げて」とか言われて「下げてるよ!」「下げてないから言ってんでしょ!」とかって。じゃあもう練習しなくていいって言われてホントに帰っちゃって、後日、謝罪文を書いたり(笑)。
でもやめたくなかった。昔はイヤだったらすぐ「やーめた」って感じだったけど、でもやめたらそこで成長が止まっちゃうってことに気付いて! やっぱりもったいないし、辛い時は「絶対デビューして活躍する!」「こんなコスチュームにしよう」ってノートに書いて乗り切りました!
―母親の名前もあって、期待もされていましたよね。
花 最初はプレッシャーもありました。木村響子の娘だから完璧にやらなきゃって。でもプロレス総合学園に入ってから「そんなに気を張らなくてもよくね?」って思えて。みんなバイトや仕事しながら遠くから通ってたり、上京して来てたり、もう20代後半だったり...それぞれの環境でひとつのことに向かって頑張ってる。そんなみんなと同じスタートで始められたから「私も自分のペースで成長すればいいんだ」って。
―そしてデビューしてまだ1年半、すでにベルト戴冠が3回ってすごいです!
花 自分でもまさかって感じです。でも1回獲ると「いっぱい欲しい!」ってなる(笑)。それに、ベルトの価値を下げちゃいけないって責任感みたいなものが生まれて、1試合1試合の成長度がぐっと上がってきた自覚があります。ベルトってただ強いだけじゃ巻けなくて、いろんなものが重なって初めて巻けるものだと思うので、プロレスの神様に感謝ですね!
―そんなにトントン拍子で成功して、正直、妬まれたりしませんか?
花 Twitterとかでたまに言われたりとかは。でも、もっと覚悟してたんですよ。だって実際、母のおかげで話題にしてもらえたのも事実で。メリットがあるってことはデメリットもってことで、得してる分、批判されても仕方ないし、誰とも仲良くはできないんだろうなって。そう思ってたら、皆さんもいい人ばかりで仲良くしてくださるので拍子抜けしたところも(笑)。
それに、試合で評価されるのが一番大事だと思う。試合をちゃんと観てくれて、それに対して何か言ってくれる人の言葉を私は受け取りたいと思っています。
試合しながら感動でも泣きました(笑)
―偉い! では、特にこれまでで印象的な試合はあります?
花 いっぱいあるんですけど、アジャコングさんと初めてした試合は鮮明に記憶に残ってますね。それまでは、ずっと一緒に練習してきた才木玲佳さんと試合してきたので。お互いのこともよく知ってるし、絆みたいなものと負けたくないライバル心が同時にあって、ホントにいい仲間としてやってたんです。
それがアジャ様となると、デカいし怖いし、小さい時からずっと「すごいな」って思ってた選手。すごく緊張して試合中にお腹が痛くなりました(笑)。でも初めてプロレスラーとしてリングで受け入れられたと感じて。
―残念ながら試合は負けてしまいましたが、仁王立ちのアジャさんから「プロレス界へようこそ」と声をかけられたとか。
花 はい。しかも「まだ続けるか?」とも聞かれて、朦朧(もうろう)としながら「はい」って。自分のその時の力は出し切ったけど、すごく反省は残った試合です。
―試合をしていると反省点がどんどん出てくる?
花 すごく出てきます! あそこはもっと蹴飛ばせばよかったとか、ミサイルキックの思い切りが悪かったとか...。でも得た反省点は次の試合に活かせるので、都度、成長できていたらいいなと! 試合の反省は必ずノートに書いて、練習の時に見ながらやってます。今は4~5冊目かな。
―真面目ですね! 木村響子さんとの親子タッグでグラン浜田&浜田文子と対戦した試合では、手を骨折しましたが...。
花 はい、経験が浅くてガードを知らなくて、手を逆に向けてたらガーンって折れました...。痛くて泣いたけど、負けたくなかったので試合は続けました! 負けましたけど(笑)。浜田文子さんはずっと憧れてた選手だったし、カッコよすぎて、試合しながら感動でも泣きました(笑)。
―これまでも泣くことは結構あった?
花 泣きましたね~。その試合も内容がダメダメだったので、終わったあと、周りの先輩が引くぐらい母にめちゃくちゃ怒られて! 手も折れてるし、泣きながら帰るっていう(笑)。この間も痛めているところをぶつけて泣いちゃったし、痛いと涙って出てきちゃうんですよね。
でもやっぱりデビュー前かな。母がめちゃくちゃ厳しくて泣きながらやったりとか、泣いて余計に怒られたりとかはしょっちゅうでした。
―それでもやめたいとは思わない?
花 思わないですね。楽しいです!
◆後編⇒「私の青春はプロレスです」"妖艶なヒール"木村花が恋愛より大事な非日常の魅力とは
(取材・文/明知真理子、大野智己、撮影/桑島智輝〈グラビア〉、撮影/荻原大志)
■木村花 KIMURA HANA 1997年9月3日生まれ 神奈川県出身 身長164cm 得意技=ミサイルキック プロレスリングA.C.E所属 ○2016年6月デビュー。第12代ゴッデス・オブ・スターダム王者。最新情報は公式Twitterで【@hanadayo0903】