十数団体が群雄割拠し、個性あふれる選手たちがしのぎを削る女子プロレス界。人気再燃の気配が漂う中、有望な若手選手を紹介!
空手、柔道、キックボクシングも嗜(たしな)む本格的格闘女子・山下実優。東京女子プロレスのエース的存在で、1期生として愛する団体を大きくするべく日々、研鑽を積んでいる。
―プロレス入りを打診された時は即答したとか。
山下 直感で、すぐに「やりたい!」って思って、17歳で福岡から東京に出てきました。1期生の女子は3人しかいなくて大丈夫かなって不安もあったけど、DDTはお客さんもアットホームな感じで、そういうところに入れて嬉しかったです。
―プロレスラーとして転機になった試合は?
山下 里村明衣子さんとの対戦です。里村さんのことはもちろん知っていて憧れたけど、まさか自分が試合をすることになるとは思っていなかったんです。だから試合中も現実とかけ離れたふわふわした感じすらあって…。それまで想像ができなかった空間で、あの試合でプロレス観が変わりました!
―覚悟が決まったと?
山下 はい。その時、初めて「自分は団体を背負ってるんだな」と思ったんです。初めて観る人にとっては「山下実優=東京女子プロレス」になると思うから、見せるものは見せなきゃいけないなと! それまでは「背負う」とかいう考えは嫌いだったんですよ。仲間で戦い合って東京女子プロレスという空間を作り上げていくのが私たちのスタイルなので。でも外で試合をする時はしっかり伝えていきたいと思うようになりました!
―1月4日には東京女子プロレスのチャンピオンに返り咲きました。
山下 もっと達成感があると思ったんですけど…。いえ、達成感はもちろんありましたけど、チャンピオンとしてやりたいことがどんどん出てきて。達成感があっても、もっとやりたいという気持ちにさせてくれるのがプロレス。今はやりたいことが多すぎてコワイぐらいですね!
―今後の夢や目標を教えてください。
山下 東京女子プロレスを大きくするひとつの駒になりたい。団体を大きくしたいです!
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(取材・文/明知真理子 撮影/荻原大志)
■山下実優(やました・みゆう) 1995年3月17日生まれ 福岡県出身 身長165㎝ 得意技=ジャーマン・スープレックス、クラッシュ・ラビットヒート○小学生から続ける空手では全日本3位になったこともある。純喫茶好きという意外な一面も