「暴れまっせぇ、ホンマに！ 楽しみにしといてください！ 新しい野球というものをつくっていきますので！ 乞うご期待！」――。ド派手な就任会見をそう締めくくった北海道日本ハムファイターズの新監督、いや、"ＢＩＧＢＯＳＳ"。日本中を再びとりこにした新庄剛志（しんじょう・つよし）が監督就任までの舞台裏、"新庄劇場 監督編"の構想を独占告白！！（全３回／１回目）
また、北海道日本ハムファイターズ監督に電撃就任し、１５年ぶりに野球界へ帰ってきた"ＢＩＧＢＯＳＳ"新庄剛志が、５０歳の誕生日を迎える来年１月２８日に、自身初の日めくりカレンダー「まいにち、楽しんじょう！ 新庄剛志の開運ＢＩＧＢＯＳＳ語録」を発売する。
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■夢はでっかく、根は太く
――監督就任おめでとうございます！ 会見で着ていたド派手な衣装は新庄さんらしくてカッコよかったです。
新庄 始まるちょっと前に球団社長と会ったら、「新庄さん、着替えてくるんでしょ？」って言われて。「いや、このままです」って言ったら、「マジか！」って顔してた（笑）。
――いや、あれが私服でもおかしいですけどね（笑）。
新庄 来年、原（辰徳）さんがああいう格好してたらびっくりするよね（笑）。
――新庄さんに影響されて（笑）。会見は緊張しました？
新庄 緊張なんかしなかったけど、会見前にいろんなアイデアを考えてたら、マネジャーさんに「剛志、生放送だからね」って言われて。「そうだ、生だ！」と思ったら、それまで考えてたことがぶっ飛んだ、ぶっ飛んだ（笑）。
――生放送じゃ言えないことを話そうとしてたんですか！？ 会見では立派なスローガンも発表してましたよね。
新庄 岩（がん）ちゃん（岩本 勉氏）から質問されて、「夢はでっかく、根は太く」と答えたやつね。本当にこれが来年のチームスローガンとかになってくれたら、ちょっとうれしいけどね。
――本当にいい言葉ですよね。
新庄 実際そうだと思う。夢はでっかく持っててさ、それで土台もしっかりして、地に足をつけてね。若い選手には「ここから突き進もう」って気持ちが間違いなくあるし。
――新庄さんが監督になって、日本ハムはまさに「ここから」という勢いがありますよね。
新庄 そうやね。「球場に一番ファンを呼べるのは新庄剛志だろう」ということでオファーしてくれたと思うし、それと同時に俺の野球観をいろいろ調べて、めちゃくちゃミーティングして、結論を出すのにも時間がかかったと思うよ。反対する人もめちゃくちゃいたでしょ。だって俺だよ（笑）。俺を監督にするオーナーってすごい度胸あるよ。
■日本に戻ってきた理由がここにある
――新庄さんは監督就任発表前からツイッターでにおわせてませんでした？
新庄 におわせてたね（笑）。
――ツイートによってはにおわすどころか漏れてましたけどね（笑）。大丈夫でした？
新庄 就任発表の１０日くらい前に「僕、ちょっとにおわせますわ」って球団には言ってたから。それでツイッターのプロフィールの上の部分を新球場の写真に変えて、「日本に戻ってきた理由がここにある」って投稿したの。
それで噂になって世間がざわざわし始める。俺はそれ見て、「よし、よし、よし」と。それでもまだ世間は「まさか新庄はないやろ。９９％、稲葉（篤紀）監督やろ」と。そしたら、あっちゃん（稲葉篤紀）がＧＭになった。「は？ ちょっと待て。これはもしかして？」となってから、俺が監督だと発表する。
しかも、就任発表からしばらく日を空けて、「就任会見はいつあるの？」とテレビ局をじらすことで生放送をやってもらう。このストーリー全部、俺が考えたから。
――計算高いですね。
新庄 そのあたりは俺、天才なのよ（笑）。「稲葉ＧＭの発表を俺の発表の後にしたら印象が薄れるから、先に持っていきましょう」って言ったのも俺だから。
――めちゃくちゃ演出してるじゃないですか（笑）。
新庄 だから、そっちの年俸も欲しい。プロデューサーとしてのギャラも。
――ＳＮＳでのにおわせは、新庄さんが我慢できなくなって天然でツイートしているのかと思ってましたよ（笑）。
新庄 計算です（笑）。
――ほかにも「慌てない 慌てない ひと休み ひと休み。」とアニメ『一休さん』の言葉を使ったツイートをしていましたよね。
新庄 どう思った？
――世間がざわつくから、「慌てるな」ということでしょ。
新庄 そうそう。「俺には考えがあるんですよ」ってこと。でも、ツイッターをやってる世代的に『一休さん』をみんな知らなかった（笑）。昭和すぎたわ（笑）。
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●新庄剛志（しんじょう・つよし）
１９７２年１月２８日生まれ、長崎県出身。１９９０年、西日本短期大学附属高校からドラフト５位で阪神タイガースに入団。２００１年、日本人初の野手ＦＡ選手としてＭＬＢに挑戦。２００１年から２００３年までの３シーズン、ニューヨーク・メッツ、サンフランシスコ・ジャイアンツで活躍。日本人初のメジャー４番、日本人初の満塁本塁打、日本人初のワールドシリーズ出場など、記憶に残るプレーでファンを沸かせる。２００４年、北海道日本ハムファイターズに入団。今や伝説となった数々のパフォーマンス、コメント、プレーで常に話題を提供。かねての夢であった「札幌ドームを満員にする」という目標を達成し、日本ハムが４４年ぶりの日本一に輝いた２００６年に引退。その後、インドネシア・バリ島で暮らし、２０２０年に１５年ぶりの現役復帰を目指してプロ野球１２球団合同トライアウトに参加。２０２１年１０月、北海道日本ハムファイターズの監督に就任