「のあまゆペア」として注目集める衣笠乃愛(左)と菊地真結(右) 「のあまゆペア」として注目集める衣笠乃愛(左)と菊地真結(右)
国体の正式競技となった2017年以降、学生の選手数も増加していたビーチバレー。ここ数年はコロナ禍で大会中止が続いていたが、今年はまた盛り上がりを見せている。

今後を期待される新世代の中で注目を集めているのが"のあまゆペア"こと、衣笠乃愛菊地真結だ。バレーボールの強豪・共栄学園時代からペアを組み、インドアバレーボールとビーチバレーボールの二刀流で活躍中。2022年は「世界大学選手権」の日本代表メンバーに選出され、今年4月の「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023」第1戦はワイルドカードで出場し、プロ選手たちを相手に健闘を見せた。

ビーチバレーの始まりやペア誕生秘話を聞いた前編に続き、後編ではプライベートでの話を中心に、今後の目標や夏にやりたいことなど、ふたりの今とこれからについて語ってもらった。

――バレーボールのペアやチームメイトとしてだけでなく、高校時代からの親友でもあるお二人。最初の出会いは覚えていますか?

衣笠 中3のとき、インドアの「ジュニアオリンピックカップ」(全国都道府県対抗中学バレーボール大会)1回戦で対戦したんです。その会場でしゃべったのが最初だと思います。同じ高校(共栄学園)に行くことは知っていたし、高校からバレー部に入る外部生が少なかったのもあって自然と仲良くなりました。

――高校3年間は部活もクラスも同じで、現在も大学でも練習でもずっと一緒なのにケンカしないってすごいですね。

菊地 言い合いにならないんです。乃愛って人を否定しないというか、「私はこうだと思うよ」とかズバズバ言っても「あー、そうかも」って受け入れてくれるタイプなんですよ。

衣笠 オフの日もふたりでお出かけするので、365日のうち360日は一緒にいます。

――仲良しすぎません!? 今日は会いたくないなぁとかないんですか?

衣笠 ないです。何年か先にペアが変わったとしてもプライベートで遊ぶことはずっと変わらないので、お互いが結婚するまでは一緒にいそう(笑)。

菊地 「同じ時期に結婚して、同じ時期に子供産もうぜ!」とか言ってくるんですよ(笑)。

衣笠 お互いのコを幼馴染みにさせたいんです。

――オフの日は二人でどこに出かけるんですか?

菊地 どこでも(笑)。高校生のときはカラオケ行って、大学生になってからはカフェとか居酒屋にも行きます。でも、一緒にいすぎてほぼしゃべらないよね?

衣笠 しゃべらずしんみりと飲んで、みたいな。真結はお酒を飲むとヘラヘラするんです。「本当に乃愛が大好きだからいないと死んじゃう」とか語りだすんですよ(笑)。

菊地 そんなこと言ったことないよ(笑)。

衣笠 酔うといつも言うよ(笑)。これだけ一緒にいると好きな人とかもかぶりそうなのに、好きな男性のタイプは真逆なんです。

菊地 私が苦手だなって思うようなタイプを好きになるんです、乃愛って(笑)。陽キャでイケイケみたいな、サングラスをかけているような。

衣笠 いや、20代になって変わってきました。尊敬できるところがある人がいいです。

――菊地さんの好きな男性のタイプは?

菊地 優しい人。見た目からして"この人、優しそうだな"って感じの人いるじゃないですか。スポーツやっている人もカッコいいですね。

――もう夏も終盤となってきましたが、夏が終わる前にやりたいことはありますか?

衣笠 ビーチバレーで海には行っていますけど、オフの日に遊びとして行きたいです。海でバーベキューしてみたい!

菊地 私も行きたい! 大学生最後の夏なので、バーベキューとか花火とか学生らしいことをしておきたいです。

――ビーチバレーでも学生の大会に出られる最後の夏です。今後の目標は?

衣笠 ジャパンツアーの本戦に出場できるようになることです。ビーチの一番大きい大会なので、予選を勝ち抜いたりポイントのランキングを上げたりしないと出場できないので。

菊地 出場できても勝てていないので、まずは1勝を目指したいなというのが目標ではあります。

――プロ選手も出場する大会は、学生だけの大会とはモチベーションが違うものですか?

衣笠 学生と対戦して勝たなきゃいけないプレッシャーの中でやるよりかは、挑戦者側になる方が気持ち的にはラクです。勝ったらよりうれしいっていうものあるので。

菊地 先輩方を対戦相手にするほうが私たちは得意だなって気がします。試合に勝ちたい気持ちはもちろんですけど、やっぱり私たちは楽しみたいって思いが一番あって。ビーチは楽しくてやっている部分が大きいので、勝てなくてやる気が落ちていったら意味ないなって思うんです。乃愛とも「まずは楽しもうね」って話しています。

衣笠 "勝たなきゃ"ってプレッシャーがかかるほど、プレーも調子悪くなるんです。「自分たちなりに楽しい試合ができるように頑張って、それに結果がついてくればいいよね」っていつも話していて。

――これからビーチを観戦するお客さんはどんなところを見たら面白いですか?

衣笠 女子の試合は"つなぎ"だと思います。ボールを拾って拾ってのラリーが長く続くのが面白いですし、男子の試合はもうバンってスパイクとかを打つ迫力がすごいみたいな感じです。

菊地 ジャパンツアーでトップ選手の方々の試合を観ると本当にすごいし、"こんなに魅力的なスポーツなのに知らないなんてかわいそうだな"って思うぐらい面白いんですよ! でも今はマイナースポーツなので、テレビとかで取り上げられるのはインドアじゃないですか。私たちもビーチバレーを盛り上げて、もっと魅力を伝えていけたらなと思っています。

●衣笠乃愛(きぬがさ・のあ)
2001年8月13日生まれ 滋賀県出身 身長=163cm
小学生の頃からバレーボールを始め、高校時代は共栄学園のバレーボール部に所属。2017年、高1のときにバレー部のトレーニングも兼ねてビーチバレーを始める。
公式Instagram&公式TikTok【@noa._.813】

●菊地真結(きくち・まゆ)
2001年5月24日生まれ 千葉県出身 身長=167cm
小学生の頃からバレーボールを始め、高校時代は共栄学園のバレーボール部に所属。2019年、高3のときにビーチバレーを始め、"のあまゆ"ペアを結成。
公式Instagram【@91_yjn】
公式TikTok【@kikuchi_mayu】