少額のチリも積もれば式で、ネットで資金調達ができるとひそかなブームのクラウドファンディング

その仕組みについては先日お送りしたこちら(http://wpb.shueisha.co.jp/2015/02/17/43694/)を参考にしていただくとして、日本よりも先に広まったアメリカでは、ひとつのプロジェクトや商品アイデアに何千万円、何億円もの資金が集まっている事例も少なくない。

ひとつの商品アイデアだけで勝負しようという企業が多額の資金を調達し、会社を大きくしていくアメリカンドリームが、現在はクラウドファンディングによって成立しているのだ。

例えば、昨年から今年にかけて、日本でも話題になった電動のローラースケート「RocketSkates」や、ネコ耳形スピーカー内蔵ヘッドホン「Axent Wear」などがそれだ。

それぞれ日本円換算で約6600万円と約3億9千万円を集め、プロジェクトを成功させるだけでなく、市販をスタートするなど次なるステージへ進もうとしている。

もちろん、そんな華々しい話を聞く一方で、多くの資金を調達したもののなかなかアイデアを実現できない、商品などを支援者に長い間届けられずにいるなど問題になる場合もある。

ただ、日本でもすでに、クラウドファンディングで様々なプロジェクトが成功を収めている。

例えば、雑誌や写真集などを作るというものや、アイドル関連のプロジェクトなど。東京・墨田区限定のローカルアイドル「帰ってきたキューピッドガールズ」もその一例だ。

昨年11月から存続の危機にある同グループの活動費を募集しているが、現在、73万5千円の資金を調達できる見込みとか。支援者には直筆の手紙や墨田区の特産品が贈られるという。

大きなプロダクションに所属しない、地域に根差したアイドルグループでも資金を調達しやすいのはクラウドファンディングならでは。今後はアイドルグループに限らず、サッカーや野球などのローカルチームも含め、地域内でのファンディングによって地域密着で活動していく人やグループ、チームも増えていくだろう。

最近では、大ヒットアニメのエヴァンゲリオンから企画された「ロンギヌスの槍を月に刺す」プロジェクなども賛否両論で話題になったが、すでにソニーなどの大企業もクラウドファンディングを活用し始めている。こうして見ると、クラウドファンディングはますます一般化していき、出資者も増えそうだ。

もし多くの人の共感を得られそうなアイデアが浮かんだら、チャレンジしてみてはどうだろう。

(取材/河原塚英信)