懐かしいⅡコンのマイクも健在……と思いきや、これは単なる飾り。ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータ（任天堂）
クリスマス商戦、年末売り尽くし、そして初売り。量販店が一気に活気づくこの時期は、欲しかったアイテムを手に入れる大チャンスだ。
そこで「ＲＥＧＺＡブランド」「ＳＩＭフリースマホ」「ブルートゥースイヤホン」に続き、注目のジャンルの目利きがこの冬の買い物のコツを大公開！
最近、なぜか家電市場をにぎわせている「リバイバル製品」。大手広告代理店から独立し、数々の人気商品を市場に送り出すヒットメーカーとして知られるＢ氏がその理由を熱く語る。
「これは、時代の景気が完全に回復していない時期に起こる当然の現象です。言ってしまえば、リバイバル家電は企業にとって低リスク、ミドルリターンのバランスが取れた“中継ぎ製品”なんですよ。
日本各地で「売り切れ入荷未定」の張り紙が続出し、大人ゲーマーのため息を集めている超人気製品。３０種の人気ファミコンソフトをミニチュアボディに内蔵し、ＨＤＭＩ接続の現代画質であの名作が楽しめる。市場価格６５００円前後
ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータ（任天堂）
例えば、現在一番熱いといわれるのが、バブル全盛で消費が順調だった１９８０年代の家電のリバイバルブームです。この時代に販売実績を上げた製品は、マーケティング的にも数字が読みやすく、しかもハイリスクな先端技術に取り組むよりも簡単にリメイクできる。
さらに言えば、今はちょうど８０年代入社の社員が決裁権を持つ部長職以上にわんさかいる時代。当時のリバイバル製品の企画は、上司のＯＫをもらいやすいわけです」
確かに、最近は家電に限らず、バブル時代を懐古するようなＣＭも多いですね。
「リバイバルとカラーバリエーションのラインアップを増やすのは、メーカー企業にとって“守り”の常套手段。景気が完全に回復することがない限り、今後もしばらくは『昭和テイスト』のブームが続くでしょう」
昭和のダイヤル式テレビデザインが現代性能で復活。しかも実用性の高いオモシロ機能も満載！ これで昭和版の『ゴジラ』でも見た日には、高度経済成長が再びやって来そうな気分になる（かも）。市場価格９万４０００円前後
ビンテージテイストな２０型液晶テレビ ＶＴ２０３－ＢＲ（ドウシシャ）
画面下のスペースにはＢｌｕ－ｒａｙレコーダーなどをすっぽり収納できる
上ぶたを開けると、そこはリモコンなどを収納できる便利な小物入れだった
ブームが成長へのヒントとなりそうなジャンルもある
言われてみれば、今回のマストバイには選ばなかったが、ＣＤラジカセのリバイバル製品や、白熱電球型のＬＥＤ電球もスマッシュヒット中だ。
ついにＶＨＳデッキが製造中止。「じゃ、保存版のビデオテープはどうすれば？」と思ったらこれ！ デッキにつなげばボタンひとつでマイクロＳＤカードに映像をデジタルダビングできるのだ（もちろん再生も可能）。市場価格１万２０００円前後
ビデオキャプチャーかんたんダビングレコーダー ＢＲ－１２０（とうしょう）
「リバイバル家電は低価格製品が主流なので、企業の業績が大きく上向くほどのヒットにはなりづらい…というのが正直なところ。ただ、このブームが成長へのヒントとなりそうなジャンルもあります。
例えば、３５万円以上もするテクニクスのレコードプレーヤー『ＳＬ－１２００ＧＡＥ』（日本３００台限定）は、なんと予約受け付けからわずか３０分で完売しました。このように、かつての名品を現代の技術でさらにブラッシュアップさせ、圧倒的な性能と付加価値をつけた新製品にリメイクできるなら、金に糸目をつけない富裕層を巻き込める可能性があるんです」
昭和リバイバル家電の大きな特徴は、アナログ、ウッド調、丸型デザインという３要素。来年も市場には多くの製品が投入される見通しだが、その前にここに紹介した“鉄板リバイバル家電”をゲットして時代を半歩先取りだ！
◆『週刊プレイボーイ』１・２合併号「年末年始商戦 男のマストバイ家電！！」では、注目のジャンルの目利きが買い物のコツを大公開！ 是非こちらもお読みください！！
（取材・文・撮影／近兼拓史）