もし「好奇心」の疑似体験ができるなら、人間は宇宙に行こうとしなくなる?

NASAが有人火星探査用の宇宙基地を造るプロジェクトを計画しているという。

それにちなみ、『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、人間が宇宙を目指す理由について議論する!

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ホリ 今回のテーマは「NASAが有人火星探査用の宇宙基地を造る」ってやつね。

ひろ 出ばなをくじく感じなんですけど、人の感情って脳の中で信号として送られているじゃないですか。んで、科学が進歩したら脳に電極をつけて「幸せ」とか「好奇心」みたいなものの疑似体験ができると思うんですよ。

ホリ まあ、そうだね。

ひろ そういった技術ができると、人間は宇宙に行こうとしなくなるんじゃないかなと。

ホリ ん? どういうこと?

ひろ 有人飛行みたいなプロジェクトって、優秀な人の自己承認欲求や好奇心が大きなきっかけとなっていますよね。でも、そういったものが脳の信号で得られるとなると、わざわざ命や手間をかけて冒険や研究をしなくてもよくなるんじゃないかなってことです。

ホリ でも、人間は知らないことを知りたいと思うし、やっぱりフロンティアみたいなものを求めるでしょ。

ひろ 「人間はフロンティアを求める」のはどういった理由で?

ホリ なんだろう、俺がそうだからかな。

ひろ ということは、堀江さんもロケット開発をしていますけど、そういった理由なんですか?

ホリ うーん、それとはちょっと違うかな。俺はロケットは造っているけど、別に宇宙に行こうとは思ってないから。でも、「堀江さんは宇宙に行きたいんですよね?」ってめっちゃ聞かれるんだよ。これは超FAQ(笑)。

ひろ 「よくある質問」ですね(笑)。

俺にとっての“宇宙”は“富士登山”みたいなもの

ホリ 俺にとっての“宇宙”は“富士登山”みたいなものなんだよね。「行かなくてもいいけど、行けるなら一回くらいは行ってもいいかな」みたいな感じ。

ひろ じゃあ、富士登山でたとえると、堀江さんは登るルートをつくっているという感じですかね。

ホリ だね。俺は富士登山くらいに気軽に宇宙へ行けるようにしてみたいの。

ひろ んで、さっきの質問に戻るんですが、冒険とかする人はこれからも出続けるって話ですけど、その理由が知りたいです。

ホリ だって、冒険したい人は、いつの時代もいるでしょ。

ひろ 繰り返しになりますけど、脳に電極を刺す時代になれば、僕はそういった人はいなくなるって思うんですよ。

ホリ でもさ、“バカ”というか、命知らずな人はいつの時代も出てくるじゃん。

ひろ 確かに。しかも“バカ”のほうが儲け上手だったりしますからね。なぜなら、優秀な人ってどうしても安パイを選んでしまう。でも優秀じゃない人は怖いものなしだから、おかしなことを始める。んで、そのおかしなことを始めた人が、アメリカ大陸を見つけたりする。

ホリ コロンブスもそういったおかしな人のひとりだったと。

ひろ もしコロンブスがお金持ちだったら、ヨーロッパで豪遊して寿命を迎えていたでしょうからね。でもお金がないからフロンティアを求めて「インドに行くわ!」となったわけですし。そう考えると、やっぱりおかしな人は必要なんですよね。

ホリ あの時代の冒険なんてめちゃめちゃ危険だったしね。

★後編⇒ロケット開発に注力しているホリエモンが「月よりも小惑星に期待する」ワケ

(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)