"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、昨年末に物議をかもした中国の遺伝子改変技術について議論する。
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ホリ 中国の研究者が、遺伝子を自在に改変できるゲノム編集技術をヒトの受精卵に使ったという報道があったよね。その研究者によれば、すでに双子の女児が誕生しているらしい。
ひろ この一件でゲノム編集技術は中国に追いつけなくなるでしょうね。ほかの国が倫理的な問題を気にしている間に、中国だけが倫理を無視してガンガン研究を進めちゃって医療技術が進歩する。
例えば、出産予定の子供が「70%の確率で重度の障害を持って生まれてきます。1000万円かかる治療を受ければ障害を防ぐことができるかもしれません」となったら、お金を払う金持ちって世界中にたくさんいるはずです。んで、ますます最先端医療の知見が中国にたまっていくと。
ホリ まあ、現実的にはそうなるだろうね。
ひろ これが進んでいくと、将来的にはオリンピックとか世界規模のスポーツの大会って無意味になる気がするんですよ。ドーピングなら科学的に調べられますけど、DNA操作した異様に足の速い中国人選手が出てきても調べようがないですから。競馬って人為的に足の速い馬を生産していますけど、その馬に普通の馬は勝てませんよ。
ホリ そりゃあそうだ。
ひろ んで、今って知能指数も遺伝するという説が有力なわけで、頭がいい人はだいたい中国人になるという状況を指をくわえて見守ることになるんだろうなと。
ホリ でも、これって人間にとっての既定路線でしょ。人間はパンドラの箱を開けてしまう生き物なんだから。
ひろ それでも、人類ってどっかで歯止めが利くのかなと思っていたんですけどね。
ホリ 歯止めっていうのは、自己矛盾だよ。むしろ、進んでいくことのほうが人間らしい。
ひろ キリスト教の影響が絶大だった時代のヨーロッパって、知識は特権階級に制限されていた。そのため庶民の生活は1300年代と1700年代で、ほとんど変わらなかったといわれています。なんか、そういう世界のほうが人類の歴史って長持ちする気がするんですよね。
このままデザイナーベイビーの研究や普及が進むと、能力値がマックスの人類しか生存競争に勝ち残れなくなって、種の多様性が失われ、いきなり絶滅とかになりそうな気がします。DNAをいじった金持ちの子孫は絶対にかからない病気があって、DNAをいじってない人の子孫は、治療法がなくて死ぬとか。
ホリ いや、今は生まれた人間の遺伝子改変はウイルスベクターとかでしかできないけど、今後は安全な遺伝子改変技術が開発されて、生まれてからでもデザイナーベイビーと同じことできるようになるよ。
ひろ それって、金持ちは遺伝子を改変して病気を治療できるけど、貧乏人は治せないってパターンですよね。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆき「遺伝子改変はより安全な技術になる。そして、"人類2.0的"になるんじゃないの?」
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)