"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回のテーマは、グーグルが発表した新ゲームサービス「Stadia(ステイディア)」。前編では、"ゲーム界の革命児"になると期待されるこのゲームについて、「データセンターとかサーバー側にかかる費用がバカにならないって感じがする」と堀江氏が心配すると、ひろゆき氏は赤字のユーチューブをグーグルが8年間も支え続けたことを挙げ、「グーグルであればガンガン投資し続けられるので、絶対に成功する」と太鼓判を押した。
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ホリ この件でいえば、据え置きゲームを出してる「ソニーや任天堂がやばくなる?」なんていわれてたりするけど、どう思う?
ひろ グーグルが相手となると、ほかのゲーム会社はたぶん勝てないでしょうね。そもそも「ニンテンドースイッチはヒットしている」といわれていますけど、そこで成功してるゲームソフトって全部任天堂が作ったゲームなんですよ。
一方で、任天堂以外が作っているサードパーティ製のゲームソフトって、あまり儲かっていない。
ホリ なんでだろ?
ひろ ニンテンドースイッチって、特殊なハードウエアなんです。タッチパネルがあって、ボタンもあって、端末だけでもプレイできるし、テレビに接続してもプレイできる。
こんな多くの機能を持ったゲームソフトって、作る側としては面倒くさいんすよ。だから、ソフトウエアメーカーはがんばってまで作らない。
ホリ 確かに仕様が複雑だと面倒だよね。
ひろ なので、ニンテンドースイッチで売れているソフトって、ほとんど任天堂が作っているんです。
ホリ じゃあ、任天堂は「スイッチ」とか「Wii」とかを作る「ゲーム機メーカー」というより、ゲームソフトメーカーとして優れているってこと?
ひろ はい。『ポケモンGO』もそうじゃないですか。ポケモンGOって「ナイアンティック」という企業がサービスをして、任天堂はIP(知的財産)を貸しただけ。アプリは今でもヒットしてて、超うまくいっていますよね。
任天堂ってIPもあるし、面白いゲームを作る能力もあるので、ハードをやめてグーグルに乗っかったほうが絶対おいしいと思うんです。
ホリ ナイアンティックだって、そもそもグーグルだからね。そういう意味では、すでに乗っかっているのか。
ひろ グーグルって、アクションゲーム『アサシン・クリード』シリーズを開発している会社にお金を払って、新しいゲームをネットワーク上で作ることを実現したので、ユーザーたちに絶賛されているんですよ。
なので、グーグルは次に任天堂にグーグル上で遊べるゲームを開発してもらうんじゃないかと。んで、成功して、任天堂もグーグルもどっちも得したよねと。
ホリ 十分ありえるね。
ひろ なので、「任天堂がやばくなる」は間違っていて、任天堂はグーグルに乗っかって超絶うまくいくし、グーグルもうまくいくって話だと思ってます。
ホリ それは「ハードウエアメーカーとして」じゃなく、「ソフトウエアメーカー」としてね。
ひろ ですね。......って、今回僕の話ばかりになっちゃいましたけど、大丈夫ですか?(笑)
ホリ 問題ないっしょ。やっぱりゲームの話は、ひろゆき先生に聞かないと(笑)。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『堀江貴文の誰がなんと言おうと、僕が認めた旨い店』(ぴあMOOK)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『これからを生きるための無敵のお金の話』(興陽館)