"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は「火星100万人移住計画」の実現度について語る。
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ホリ イーロン・マスク(スペースX社の創設者)が「2050年までに火星に100万人都市を建設する」と言っているよね。100万人は難しいかもしれないけど、かなりの数の人類を火星に送れるようになると思うから楽しみだわ。
ひろ NASAも2030年に火星に人を送ろうとしていますけど、火星まで片道で2年以上かかるといわれていますし、そこまでして火星に行きたい人って、どれくらいいるんすかね?「宇宙に行ってみたい!」という観光旅行だと月の往復ぐらいで十分な気がします。
ホリ うーん。でも割といるんじゃないの?
ひろ いるとは思いますけど、100万人と言われると......。
ホリ まあ、イーロン・マスクもリップサービス的なところはあるとは思うけど、そんなに荒唐無稽(こうとうむけい)な話ではないと思うよ。
ひろ そうなんすか?
ホリ イーロン・マスクによれば、今後10年で「ドラゴン・クルー」という宇宙船を1000機造る計画で、火星と地球の軌道が互いに接近したタイミングで一日に平均3機を打ち上げるみたい。
ひろ へー。ちなみに今年は4機の火星探査機が打ち上げられる「火星探査ラッシュ」なんですが、何か理由あるんですか?
ホリ 火星と地球って26ヵ月ごとに接近するんだけど、今年がそのタイミングなんだよ。最小のエネルギーで到達できるというのが理由。今回は生命が存在する可能性の調査や二酸化炭素から酸素を作る実験がメイン。で、次の次のタイミングくらいには、もしかしたら人類が火星に向かって出発しているかもしれない。
ひろ イーロン・マスクは「誰もが手頃な価格で火星旅行ができるようになる」と言っているようですけど、自腹でチケットを買う人は少数だと思うんです。まあ、仕事で行く人は多い気がするんですけど。
ホリ 労働力を提供するならタダで火星に行けるらしいからね(笑)。
ひろ 資源採取とか研究開発を進めたいんでしょうけど、個人的には人が行かない形になると思うんです。ってのも、資源開発や研究ならロボットを送り込んで、遠隔操作したほうが安全だし効率もいい気がするんですよ。
ホリ いや、たぶん人間を送ったほうがコストは安くなると思うんだけど。
ひろ え? そうなんすか? 人間が乗ると、脱出用のシステム設備とか人間が耐えられる加速度にしなきゃいけないとか救出計画とか、いろんなコストがかかるのでは? それに、人間だと医薬品をたくさん持っていかないとダメですけど、ロボットなら遠隔で動く3Dプリンターを置いておけばなんとかなります。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが考察する「2050年火星100万人移住計画は、本当に実現できるのか?」
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『雇用大崩壊』(小学館)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『凡人道 役満狙いしないほうが人生うまくいく』(宝島社)