『週刊プレイボーイ』43号では時代の女優・二階堂ふみがオール撮り下ろしグラビアを披露!

創刊50周年記念として『週刊プレイボーイ』43号の表紙&最初で最後の巻頭グラビアに登場した時代の女優、二階堂ふみ

写真集を作るよりも深く、濃い、オール撮り下ろしは必見! そして、第1回第2回に続き、“ど”ストレートインタビューも赤裸々に公開!

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―ところで、今回は海外で3週間を過ごしたプライベート旅行の様子も掲載しています。簡単にふり返っていただけますか?

ふみ まず始まりはロシアから。以前からずっと行きたかった国で、シエスタ(昼寝)カフェで知り合った現地の男のコに、オススメのクラブを教えてもらって行ったのですが、『汚れなき祈り』というルーマニア映画の上映会をやっていて。見たことがある作品なんですけど、とても静かな映画なのでクラブなのに全然音がなくて(笑)。やっぱロシア、すごいなぁって。

次に行ったポーランドでは胃が不調で寝込んでしまって、その次のドイツでは、ずっと憧れだったベルクハインに行くことができました。すごくいい音で本場のジャーマンテクノを体感できて、もちろん音楽も最高なんだけど、そこにいる人たちのエネルギーが本当にすごかった。自分が今まで見たことのない景色が広がっていましたね。それから、パリでゆっくりして、ロンドンで買い物して…。

―どんどんいきましょう。

ふみ ロンドンからトロントを経由して、最後はキューバ。こんなに澄んだ瞳の人を見たことないってくらい、現地の人たちがナイスな方ばかりで。共通言語がない子供たちとビーチで一緒になったんですけど、気さくに話しかけてくれるんですよ。言葉が通じなくてもちゃんとジェスチャーで伝えてくれて、かわいかったなぁ。ちなみにキューバで初のモテ期を体感しました。旅の終わり、出国審査のときには職員にナンパしていただいたり(笑)。面白かった!

―つい最近もひとり旅でモロッコに出掛けたとか。

ふみ 一昨日、モロッコのカサブランカから帰ってきました。モロッコはイスラム教の国ですけど、初めてニカブを巻いている女性を間近に見たことは大きな衝撃でした。また、ハッサン2世モスクという、すごくお金をかけてつくられた大きなモスクに行くと、そのかたわらには貧しい街並みがあって大きな対比を目撃したような気分になりました。

今まで自分が見ていた世界がいかに狭いのか、そして世界がいかに広いのか。もちろん、情報として知らなかったわけじゃないけれど、ニュースやネットで見るのと生の体験から得るものは大きな違いがありましたね。もっと世界を見たいし、もっともっと勉強したいし、しなきゃいけないと実感しました。

日本映画や日本にしかないカルチャーに救われてきた

 

―海外で様々な体験をして戻ると、日本はどう見えますか?

ふみ 日本は優しい国なんだと思います。だから、おせっかいがついつい出てしまうのかな。それが何かを否定したり、傷つけたりするのではなくプラスの方向にいけばもっとすてきな空気が流れるのかな。

もし私がマスと言われる場所で自分を表現することができれば、“女優さんはこうでなければいけない”というような暗黙のルールを少し緩和できるのかなと思うんです。補正された道を通って山頂を目指すのではなくて、崖から登りつつ、たまに休憩して、たまに道に迷いながら山頂に登頂できればいいのかなと。その道を登った私の背中を見て、私よりも若い表現者が「こういう道があるんだ」とその人自身の可能性を広げられる大人になりたいし、アイコンになりたいんです。

だからなるべくルールを作らず、イメージにとらわれず、自分の好きなものや興味のあるものをどんどん探求していきたいし、この先もいろいろな人に出会って過去の自分を否定せず新しい自分に出会っていきたいです。

私はこの国で生まれてこの国で育って、この22年の間に、たくさんの日本映画や日本にしかないカルチャーに救われてきたと思いますし、だからこそ素晴らしい部分はつむぎつつ、新しいものを日本から外へ発信したいです。日本大好きなので。お味噌汁最高(笑)。

―その感覚はどうやって身についたものでしょうか? なかなか得がたいと思うのですが?

ふみ 今まで出会ってきた周りの方々のおかげです。本当にそれしかない。私、やっぱり誰かのことを傷つけてきたと思うし、誰かのことを傷つけないと自分を守れない時期もあっただろうし、知らずに傷つけていたことも、故意に傷つけていたことも全部ひっくるめてあったはず。それでも今、自分の過ちや、してしまったことに対して向き合おうと思えるのは、今も昔も、すべて周りの方々がいてくれるおかげなんです。

好きな人ができたら、すごく不器用でシャイ…

 

―息つく暇もなく話をうかがってきました。紙幅も後わずかなので、少し恋愛の話も。若くしてよく週刊誌をにぎわせて…。

ふみ そのへんすごく誤解されやすくて。あまり男と女というような意識をしなくて、性別や職業は関係なく、人間対人間として相手と良い関係を築きたいなって思ってます。だから、女のコの友達も多いけど男のコの友達も多いだけなんですよね。でも、好きな人ができたら、すごく不器用でシャイなので突然うまく振る舞えなくなって、誤解されちゃいます。

彼氏彼女という概念にとらわれず、心から通じ合う相手と楽しい時間を過ごしたいです。だって、好きな人とはなるべく笑いあっていたいし傷つけたくないし、その人にとってホッとできる場所になりたい。

―ちょっと意外な気がします。

ふみ よく言われます(笑)。実際の自分とパブリックイメージにギャップがあるから。そういうのも含めて、やっぱりこの仕事は面白いなと思います。いつかお嫁さんになりたいので、花嫁修業もしつつ(笑)、自分が幼少期に感じていたようなトキメキを発信していきたいです。

◆山手線渋谷駅ホームなど、都内21ヵ所で『週刊プレイボーイ』50周年記念「二階堂バニー」のビルボードを展開中!

(撮影/ND CHOW 取材・文/雑司が谷千一)