あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』。
第37回のゲストでモデル・タレントの鈴木奈々さんからご紹介いただいたのはタレント・歌手のはるな愛さん。
子供の頃から物マネで歌番組に出演、高校中退後はショーパブで働きながらニューハーフとしてTVのバラエティ番組にも進出し、その魅力を発揮。
マルチな才能で人気を得て幅広い活躍を見せるが、今回はそんな多忙な中、自身が経営する東京・三軒茶屋のお好み焼き店に伺ったーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)
―鈴木奈々さんからご紹介いただいて…お姉ちゃんみたいな存在だそうですね。メッセージが「いつも優しいはるな愛さんが大好きです。これからも私の相談を聞いてください。彼氏とは上手くいってますか~?笑」と。
はるな うふふ。なんかすごいイイ声、素敵ですよね。大森南朋(なお)くんに似てるって言われません?
―あ、僕ですか? ありがとうございます(笑)。以前、大森さんが表紙になった雑誌で、なんで載ってるの!?って周りから連絡きたりしたことはありますけど(苦笑)。
はるな 本当に似てる! 南朋くん、今みたいに有名なる前、私の店にもうしょっちゅう来てくれて。そっくりーと思って。
あらためて、よろしくお願いします、はるな愛です。ちょっとお好み焼き焼いてるのジュージュー、音なってるけど大丈夫ですか?
―ははは、なかなかこういうシチュエーションもないですが、いい匂いがする中で。お忙しいところよろしくお願いします。
はるな 語っていいとも!って面白いですね。語っていいってことですよね? ガチなんですもんね、本当に。…あのね、奈々ちゃんはよくご飯も食べるし、旦那さんと一緒にお酒飲んだりとか。仲良しで大好きなんです!
―紹介していただく巡り合わせがいつも面白い感じになって。まさかこうしてはるなさんとお話しさせてもらう機会があるとは。
はるな ありがとうございます。嬉しい! なんかでも、たぶんヒヨコの大きさを区別すると、大きさじゃないけと、奈々ちゃんと私は同じ箱に入ってそうな(笑)。振り分けられたら、芸能界のカゴの中でね。…ってくらい仲良くて、一緒にロケやっても、もうキャッキャキャッキャ言って止まらない。遊びに来たみたいな感じになれるんですよね。
―露天の夜店とかで売ってるヒヨコですか? すごい例えですね(笑)。でも、奈々さんは正直、TVを通して見る姿とか苦手なタイプかもって思ってたのが、裏表のない素で愛らしい女性なんだと。
はるな 素なんですよねぇ。でも私、紹介してもらって「は! 週プレのお話?♪」って「嬉しい~なんか早速、痩せないと!」とか思ったら、語っていいともっていうから(笑)。でも嬉しいな、テーマとかも全然ないんですよね。
―はい。いつも庭先の縁側での茶飲み話か、お酒飲みながら居酒屋トークしてるスタンスで雑談していただいてます。
「やーだもう! だから、気になるから!」
はるな 編集長、おいくつですか? 聞いていいですか?
―そこですか(笑)。ちょうど去年の年末に50代に突入しまして。
はるな あ、なんか今、言い方変えました? 「ちょうど、50に…」ってシブい感じに(笑)。でもほんとすごい低音のイイ声…えっ、50になったんですか? 若いですね~。
―いえいえ、はるなさんにそう言われたら嬉しいですけど(笑)。こうやって皆さんとお話して、またエネルギーをいただく感じもあって。
はるな いろんな人に出会えますもんね。私もほんと嬉しい! 語っていいともって、すごく覚えちゃった。
―いや、ほんとお忙しい中、お時間いただけて。これだけマルチな…。
はるな あ~びっくりした!(笑)、「マル」って聞こえたから、私、最近丸くなったんで、顔のこと丸ぅって言うのかと思った~。マルチまですぐ言ってくれたからよかったけど、あははは!
―いやいや、そんなツッコミしませんよ(笑)。彦摩呂さん相手にしてるんじゃないんですから。
はるな やーだもう! だから彦摩呂さん、どっから出てきたか気になるから!! 別に、彦摩呂さんに似てるみたいな感じじゃないですよね、この流れ(笑)。(店内にお好み焼きの匂いが充満し)「ええ匂いしますわ~」とかって?
―ははは。実は彦摩呂さんも以前、出ていただいて。僕と同い歳なんですよ。やっぱり関西人らしい、常にサービス精神でなんかおもろいこと言わなあかんみたいなね。
はるな 彦摩呂さん、全力やからね。母性もあって、面白い人ですよね。でもほんと、私も旅番組とか食べ物のロケ、すごく多いんです。その時もがっつり食べるし、こういうお店やってるから、いろんなとこ行って、カメラ映ってないところでも食べたいって思ったら食べちゃうんですよ。
そこでいい食材があって、よかったらお店に仕入れようとか思って。だからTVの仕事=お店の仕入れもすごく考えてたり。「こんなお店にしたいな~」っていうのもあるし、自分がホッとひと息つけるようなお店がいいなって。
だからこの芸能のお仕事しながら店のこと考えて、店いたらお客さんが来てくれて一緒に写真撮ったりとか。なんか私の中で繋がってて一緒なんですよね。そういうの大好き!
―どっちかだけじゃなくバランスよく…一石何鳥にもなりますしね。
はるな その言い方、いやらしいよね?(笑) その声で、そのトーンで改めて言うと、いやらしい~って。
「いや~、めちゃめちゃいい~!」
―いやいや、そんなツッコまれても(苦笑)。でもマスコミの仕事もそうなんですが、プライベートで美味しいもの食べに行ったり、温泉とか旅行行っても、常に自分の引き出しに蓄積して仕事のネタにならないかなとか、公私がないんですよね。
はるな そうなんです。実際、一石何鳥もね、ずっと考えてますよね。温泉なんかも行くんですか?
―温泉もですし、割と旅モノが好きで。週プレ本誌で“全県巡り”っていう、その県のマニアックな名所や人物を紹介する特集もやったりしてました。自分の趣味を仕事に繋げられる役得というか。
はるな 私も旅行、大好き! 温泉のロケ行って、いいなって思ったら、おかみさんにお名刺いただいて。「今度、うちの従業員の社員旅行とかに来ていいですか?」って(笑)。
でもなかなか時間がね…1泊とか1日できたら、仮設住宅にあれから(震災後)ずっと行ってるんですよ。おじいちゃん、おばあちゃんいるから。あともう1日休みだったら、温泉行くのが普通にリラックスできるんですけどね。
ただ、プライベートだと私を知らない人が多い場所がいいと思って。最近はそれですぐ行ける韓国行くんです、ひとりで。
―ブログで見ましたけど、最近も行かれてましたよね。そういえば韓国の観光名誉広報大使っていうのもされてたり…。
はるな 今も続いてるんです、ずっと。最終便で韓国行って、次の日の夜には仕事始まるから、それまでに帰ってくるとか。夜中ずっと開いてるところもあるから買い物したりして。
―アカスリだけでも行きたいですもんね。やっぱり向こうのはひと味違うなと。
はるな いや~、めちゃめちゃいい~!
―でも、真面目な話になりますけど、はるなさんみたいに発信力がある人がこういう時代に韓国との架け橋になるのも大事だなと。個人レベルで双方のよさとか魅力を伝える役割もありますよね。
はるな そう、シンプルに。いろんなニュースで日韓の関係性聞くけど、でも本当に優しい韓国の人の心に触れて、旅行を楽しんでる人もいますし。なかなか歴史って、背景も風習も違うから埋まりにくいけど。そうなんですよ。真面目な話しましょうか、ほんとに!
でも仕事で行かせてもらうと、コーディネーターさんがつくから、芸能人してて、すごい得だなって思いますけどね。知らない土地に行ったら、車が用意されてて、通訳さんにいろんなとこ連れてってもらって。見れない場所も行って。
夜に時間空いたら「こんなとこ行きたいんです」って言ったら調べて連れてってくれたり。初めての旅がそんなのが多いので、すごく恵まれてるんですよね。
「誰かなって思ったら、坂本龍一さんご夫婦なの!」
―それも役得ということで。もちろん大変でしょうけど、『ブラタモリ』なんか観てると羨ましくて仕方ないですからね。タモリさん、こんな絶対入れないとこ、特別すぎ!って。
はるな あはははは、タモさんのこと好きすぎません? 語っていいとも!やって。
―いやいや(笑)、そこはみんな好きじゃないですか。でも『鶴瓶の家族に乾杯』も蛭子(能収)さんのバス旅(『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』)も好きですよ。
はるな ぶらり好きなんですね…私もそう。スタジオでお仕事させてもらうのもいいけど、やっぱり人と触れ合ってね。地方ロケで漁師さんと出会って「これ食べてけ!」とか、もう私の本名で「賢示!」って呼ばれて、男同士の仲みたいになったりして(笑)。また行くねって、プライベートで遊びに行ったりとかありますもん。
―こういう旅の話してると、それで終わっちゃいますね(笑)。ちなみに、蛭子さんにもこれに出ていただいて。もう1年半くらい前ですけど、すでに「バス旅は早くやめて、誰かに代わってほしい」って言ってました(笑)。
はるな ウソ~!? この間、終わりましたよね。でもよく続きましたよね、逆に。
―まぁ普通は皆さん、旅の話をすると盛り上がりますよね。南海キャンディーズのしずちゃん(山崎静代)も、ボクシングやめてどうしようかみたいな時期にひとり旅をして。で、やっぱり現地のおっちゃんと飲み屋で知り合って、一緒に漁まで連れてってもらったとか。
はるな 自分探しみたいな? 私は日本も大好きだけど、去年は1週間お休みいただいて、ニューヨークにダンスのレッスンと観劇しに行ったりしてたんです。初めてやから、もちろん何も知らなくて。決めてから、たまたまお客さんが教えてくれた喉を見てくれる先生が、ホイットニー(ヒューストン)とかグロリア・エステファンとかビョークとかいっぱい来てるとこだったんですよ
―とんでもない大物の名前ばかりじゃないですか!
はるな すごいの、もう! 先生の所に伺ったらいっぱい写真あって。で、ボイトレやってるって、そこで生でレッスン受けたりとかして、夜に打ち上げでアメリカのレストラン50選に選ばれてる焼肉TAKASHIってとこに行ったんですよ。で、食べてたら「オーナーからはるなさんに」って、なんかお肉のこんなスペシャルのがきたんですね。
「オーナーさんいるんだったらご挨拶してお礼したいんですけど」って言ったら、「ここにはいなくて監視カメラから見てる」って。え、何それ?…なんか変わってると思って、じゃあお礼したいのでLINEかなんか教えてもらえますかって、電話番号くれたんで連絡したら「あら~TAKAKOよ~、あんた会いたかったのよ~」って、ゴリゴリのオネエやって。
―なんかドラマのような展開に(笑)。
はるな で、「ニューヨーク来てるわけ? 今度、時間作りなさい!」っていうんで「今回は時間がないので帰りますけど、次回は」って、次の時に会ったら、もう初めてとは思えないぐらい仲良くなっちゃって。「あんた連れ回したいわ、今日は焼きふぐ食べに行くわよ」って、行ったら「お友達の夫婦も一緒にいい?」とかって。
誰かなって思ったら、坂本龍一さんご夫婦なの! え、このTAKAKOは何者なんだろうと思って(笑)。まだ2回目でそんな知らないから。お食事して、その後もしょっちゅう会うようになって、毎回「あんた次何したいのよ?」って、もうすごいの。
「誕生日なんでJ・ハドソンに会いま~す」」
―ほんと謎のセレブのような…。
はるな TAKAKOはアメリカにずっといて、ニューヨークでお好み焼きとかやってて、イケメンシェフ10人にも全米で選ばれてるんですよ。で、今はすごい有名な予約の取れない焼肉店をやってるの。で、自由の女神も昼間からクルージング行って、「あんた、こんなん見てなかったやろ」って。すごい面白いの!
―かなり興味深いキャラですが…日本のメディアとかにはまだ出てないんですかね?
はるな 出てない! 出してほしいの!
―知る人ぞ知る有名シェフで、イケメンのセレブなオネエって、すぐTVが食いついてきそうですけど。
はるな しかもTAKAKOね、とにかくグルメで仕込みは他の人にさせないの。私もお店やってるから、すごい偉いなって。毎日どんなに酔っ払っても店行って、羊の脳みそをチューブに入れてパテとか。スジ肉とかも全部自分で仕込んで。
ほんで、美味しいところいっぱい知ってるから「今日はチャイナタウン行って、本場の火鍋食うわよ」とか。ちっちゃなバック持って、おばさんみたいな持ち方して「あんた、火鍋うまいわよ~」って言いながらバックからポン酢を出すんですよ。
「このポン酢めっちゃうまいからね」って、それがほんと美味しくて。こんな美味しいご飯あるの?ってぐらい、いっぱいお店知ってるの。
―ほんとドラマのような…ちなみにTAKAKOのほうが年上なんでしょうか?
はるな これがね、年下なんですけど…全部ご馳走になってて。元々、実家が大阪でお姉さんが焼肉のお店やってて。近所なんです、私の実家も。
で、その次「今度何したい?」って聞くから「ショー観たい」って言って。ちょうどジェニファー・ハドソンの『カラー・パープル』をやってたんで「それを生で観たい」って言ったら、待ち合わせの時に「さぁ発表しま~す」って。私とふたりなんですよ? で、「今日は実は一番前の真ん中の席を取りました~」とかって。
なんか、付き合ってた元カレがミュージカルの演出やってるんですって。ほんで一番真ん前座ったと思ったら「第二弾発表しま~す。あんた誕生日なんで、今日は終わったらジェニファー・ハドソンに会いま~す」…TAKAKO、ほんとすごいの!
―もうハリウッドで映画化されるレベルなのでは!? 次のお友達で紹介してもらいたいぐらいですが(笑)。
はるな あ、それいい! TAKAKOにいって! もう素晴らしい職人やから。
―行けるものならニューヨークに…(笑)。で、坂本龍一さんを紹介してもらい、語っていいとも!が世界に輪を広げると。
はるな あははは、ほんといってよ! TAKAKO、本当にすごいから。
●語っていいとも! 第37回ゲスト・はるな愛「飯島愛ちゃんはすごく影響受けました。私、同じ年なんですよ…」
●はるな愛 1972年、7月21日生まれ、大阪府出身。高校を中退後、ニューハーフとして働き始める。その後、性別適合手術を受けることに。98年、東京に上京しタレント事務所に所属。07年、「エアあやや」で注目を集め、モノマネタレントとしても活動するように。09年にはニューハーフの美人コンテスト「ミス・インターナショナル・クイーン2009」にて、日本人として初めて優勝に輝いた。三軒茶屋に『大三』『A.garden』『ANGEL NEST』、六本木に『大福』といった自身が手がける鉄板焼き店やバーを経営するなどマルチな才能を発揮。東日本大震災後、被災地に出向き社会貢献にも力を入れている。現在、自身初の演歌『えぇねんで』好評発売中。
(撮影/塔下智士)