世界最大のアイドルフェス、東京アイドルフェスティバル2017(以下、TIF)が東京・お台場で8月4日~6日の3日間にわたって開催された。
アツすぎる祭りの総力リポートを前編、中編でお送りしてきたが、いよいよ後編では最終日6日(日)の様子をお届けっ!
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【8/6】
●SKE48[HOT STAGE]
かつての勢いが戻ってきたと言われるSKE48が朝イチのステージに登場。多くのファンが詰めかけ、期待感の大きさを伺わせた。メンバーは最新シングル『意外にマンゴー』選抜メンバー。1曲目から『パレオはエメラルド』『賛成カワイイ』『未来とは』と全開パフォーマンスで盛り上げる。そして全員の自己紹介――これほどの人気グループが今さら?という感じもしたが、「初心に帰る」という気持ちの現れだったのか。
中盤は『不器用太陽』『世界が泣いているなら』という聴かせる系の曲を披露。「私たちはアツいだけじゃない!」という幅を見せつける。最後は“可愛さのひとりレアルマドリード”“可愛さの濃縮果汁100%”など様々な異名を持つ小畑優奈センターの『意外にマンゴー』と『バンザイVenus』でフィニッシュ。
今回、SKE48は30分という持ち時間を使ってひとつの壮大なライブを見せてくれた。そして「激しくダンス、汗の量はハンパじゃない!」という一般的なアイドルファンがSKEに対して持っているイメージを打ち壊してくれた。新生・SKE48の武器の分厚さをアピールする素晴らしいステージだったと言えよう。
●Shibu3project[FESTIVAL STAGE]
Shibu3project(通称シブサン)は将来の夢を追いかけるプラチナムプロダクション所属の小学生から高校生のメンバーで結成された大型育成見守りプロジェクトだ。イエロークラス(5名)、グリーンクラス(4名)、ブルークラス(5名)、ピンククラス(6名)の順番に入れ替わりPALETの『イチゴ気分』、prediaの『Hey Now!!』、サンミニッツ『Make a Fire』、SILENT SIRENの『チェリボム』という先輩グループの名曲をメドレーで披露。
フレッシュなパフォーマンスにファンから大きな声援が飛ぶ。最後は選抜11名でシブサンの校歌『キャチドリ』を披露。この曲はSILENT SIRENのチームが作曲したシブサンのオリジナルソングで一番の盛り上がりを見せた。彼女たちの夢が詰まったステージ。今後の活躍を期待せずにはいられない。
●NGT48[HOT STAGE]
今年のAKB48選抜総選挙で大躍進を見せたNGT48。選挙でグループの顔となった荻野由佳センターによる『NGT参上!』でライブがスタート。MCでは柏木由紀が「久しぶりにこういう現場に来てテンションが上がってるおばさん」と自虐ネタ。だが確かに年齢は上でもパフォーマンス力は48グループのトップ。最近はライブも少ないため、動く柏木の姿が見られる貴重な舞台となった。
昨年はまだステージで初々しい姿を見せていたが、今年は全員動きが違う。研究生による『LOVE修行』も可愛らしく、かつ堂々としたパフォーマンス。ちなみに他の48グループと違い、毎年、全メンバーがこのステージに登場。ラストにキャプテンの北原里英が「来年もNGT48がこのステージに戻って来られるように」と宣言していた。NGTにとってTIFが大事なステージとなっている、その気持ちが伝わってきた。どのグループのファンであっても嬉しいことではないだろうか。
●MIGMA SHELTER[FESTIVAL STAGE]
まず言っておこう。「凄いものを観てしまった」――。今年結成された「サイケデリックトランスで踊り狂えるアイドル」。メンバーはヨネコ、セイセイ、ミミミユ、コマチ、アマリ、コテジュンで構成された6人。ヨネコは元BELLRING少女ハートを卒業した甘楽(かんら)が新グループ結成のタイミングで改名。そんな彼女たちが挑んだ初のTIFにカラフルな原色の衣裳で登場した。
15分の持ち時間で『Joint』『Deeper』『Mo' Strain』『Amazing Glow』『Svaha Eraser』の5曲をノンストップMIXで披露。アジア、オリエンタルな雰囲気を漂わせる独特のメロディーと強烈なビート、舞台を激しくも優雅に舞うメンバーの姿に観客は熱狂。これまで観たMIGMA SHELTERのステージでも一番の盛り上がりを見せていた。気合いの入りまくった非常に濃い15分間。とんでもないグループが現れたと言わざるをえない。
●週プレプレゼンツ・ナツ☆イチッ!オーディション2017ステージ[DOLL FACTORY]
今年も行なわれた週刊プレイボーイとTIFのコラボ「ナツ☆イチッ!オーディション」は今年、さらに進化。事前の週プレ本誌でのグラビアとSHOWROOMの動画配信、そしてこの日のライブでポイントを集計、クイーンを決める。そのファイナリスト4名率いるグループが登場し、1曲ずつパフォーマンスを行なうのがこのステージだ。
2o Love to Sweet Bullet(通称・トゥラブ)の藤野志穂。SiAM&POPTUNe(シャムポップチューン)のオレンジ担当、宮下一紗。恥じらいレスキューJPNの里々佳。ハコイリ♥ムスメのリーダー、我妻(わがつま)桃実――この中で2代目「ナツ☆イチッ!クイーン」に輝いたのは…藤野志穂!
こちらのリポートは週プレNEWSで先行配信した「2017年夏、一番輝いているアイドルが決定! “ナツ☆イチッ!クイーン”誕生を密着リポート」にて、また優勝した藤野志穂を直撃した独占インタビューも配信中なのでお読みいただきたい! さらに、彼女のクイーン記念グラビアが近日、週プレ誌上に掲載予定、要チェックだ!
東京での最後の舞台に20名のメンバーが登場!
●LinQ[HOT STAGE]
今年5月に行なわれた「LinQ解体・再開発プロジェクト公演」をクリアした彼女たち。現体制として、東京での最後の舞台に20名のメンバーが登場。膝のケガにより療養中のリーダー・天野なつが出演できなかったのが残念ではあるが、多くの人がHOT STAGEに集まった。
1曲目『ONE FOR ALL FOR ONE』からスタートし、『シアワセのエナジー』『チャイムが終われば』『telephone』『No Lady, No Life』『HANABI!!』と6年間の軌跡ともいえる名曲の数々を披露。最後はLinQの始まりの曲『Shining Star』。強い日差しがさす中、集まった大勢のファンは全力でタオルを回し、盛り上がりは最高潮を迎えフィナーレ――。
だが、それはすぐさま新たなスタートの幕開けでもある。新人1名を含めた11名編成となる新生LinQは8月26日からの@JAM EXPO 2017より始動する。
●アップアップガールズ(仮)[HOT STAGE]
この1年、念願だった武道館ライブを成功させ、2期生であるアップアップガールズ(2)が結成されるなど嬉しいニュースが目立った。その一方で9月15日にZepp Tokyoで行なわれるライブを最後に仙石みなみと佐藤綾乃がグループを離れることが決定。アプガの2017は波乱万丈であった。そんな中、迎えたメインステージ。前日の2日間とは打って変わってギラギラと照りつける太陽が眩しい。
『アッパーレー』から7人体制としてはラストのTIFステージがスタート。佐保明梨(さほあかり)、関根梓、森咲樹(さき)、古川小夏、新井愛瞳(まなみ)のメンバー全員が歌い上げ、サビでは手がちぎれそうな勢いで拳を空に突き上げた。ステージの端から端まで駆け回る、ハードでパッショナブルなパフォーマンスに拍手と「いいぞー!」という声援も。続く『ジャンパー!』は爽やかな夏らしいサウンド。新井の「おまえら全員、もっとこいよ!!」という掛け声で、さらに会場はヒートアップ!
ハイテンポで楽しい曲であるはずの『キラキラミライ』では、この7人の声をこんなに広い屋外でもう聞くことはないのかもしれないという思いがこみ上げ、逆にどこか切ない気持ちに襲われた。しかし、それを吹き飛ばすかのように『アッパーディスコ』『アッパーカット』と“アッパー”サウンドで会場を包み込む。そして佐藤が「ホットステージのみんな、最高ー!!」と叫び、最後の曲『サマービーム』に突入。
新井が「(かき氷の)ブルーハワイってなんの味なんだろうね?」と問いかけると「青春の味?」と関根は答え、くしゃっと笑う。改めて「アプガ、最高じゃないか!?」という気持ちで胸がいっぱいになる。「ラストは皆さん、手を振って歌ってください!」という佐藤の声で全員が大合唱。「これからも変化、進化し続けるので皆さん、“ひと目も離さず”見守っていてください! よろしくお願いします!」という新井の挨拶で締めくくられた。
7人で迎える最後の夏、7人でのラストステージを全力で突き進んだ。さらに大きくなるであろう、5人でのアプガの姿をこのステージで来年も見届けたいと強く感じる30分であった。
●℃-ute大好きステージ[HEAT GARAGE]
今年の6月、惜しまれながら解散した伝説のグループ。そのメンバーである岡井千聖(ちさと)がさわやか五郎と登場。このステージは、℃-uteのことが大好きなグループが集結し、℃-uteの楽曲を彼女の前で歌うというもの。まずは岡井とさわやか五郎で『都会っ子 純情』を披露。会場にはたくさんの緑のサイリウムが振られた。
岡井が「もっとアイドルっぽい衣裳が着れると思ったんですけど…」とグリーンのTシャツの背中に大きく書かれた「元キュート」の文字を見せると、場内は大きな笑いに包まれる。そこから彼女を中心としたTIF出演アイドル達とのステージがスタート。『まっさらブルージーンズ』『Kiss me 愛してる』『Danceでバコーン!』と珠玉の名曲を披露。イントロが流れただけで大歓声が起こり、会場は大盛り上がり。
岡井のパフォーマンスはもちろん、このステージに出演したアイドル達も「キミたち自分のグループのステージより本気じゃないの?(笑)」と思ってしまうほど真剣なパフォーマンス。1曲終わるごとにMCではひとりひとりが本気の℃-ute愛が語り、これまであまり褒められ慣れてないという岡井は「この時間が一番恥ずかしい」と照れを見せていた。
さらに、元ハロプロ研修生であるOnePixcel田辺奈菜美が憧れの先輩との久しぶりの共演に涙を見せるシーンも。℃-uteという「アイドルが憧れるアイドルは近年、最も神格化されたグループなのかも…。そんなことを考えさせる素晴らしいステージだった。
●コラボライブ おどるオサカナ(フィロソフィーのダンス×sora tob sakana)[SMILE GARDEN]
“フィロのス”の4人と“オサカナ”の4人が“踊魚”と書かれたおそろいのTシャツを身につけて登場。普段から親交があり「今回の練習でさらに仲良くなりました」と話す彼女たちが初めに披露したのはフィロのスの『アイドル・フィロソフィー』。楽曲面で大きな注目を集める8人と大勢のアイドルファンが真夏の大空にこぶしを突き上げる。
2曲目以降は『夜空を全部』『アイム・アフター・タイム』といった両グループの曲を各グループ2名ずつの4人編成で歌っていく。風間玲(かざまれい)マライカ(オサカナ)の実はオトナっぽい声や、佐藤まりあ(フィロのス)の伸びやかな声がそれぞれの曲によく馴染む。その後のMCでは、奥津マリリ(フィロのス)が「神コラボ」、風間玲が「フィロのスさんとオサカナの時点でもう優勝だよね」とそれぞれに絶賛。これらの言葉にうなずいた観客も多いはず。
続いてオサカナの『クラウチングスタート』をアコースティックアレンジで歌い上げ、観る者の胸をギュッと締め付けると、この神コラボは“夏曲パート”へと突入。フィロのスの『告白はサマー』では、あどけない声で「サマー♪」とコーラスを入れる寺口夏花(オサカナ)の純朴な可愛さが際立つ。ラストは再び8人全員揃っての『夏の扉』で、最高のコラボライブを締めくくった。
●AKB48 Team8[HOT STAGE]
昨年に続いてTIFに登場したTeam8。今回は一番大きいホットステージでのパフォーマンスだ。オープニングは倉野尾成美(くらのおなるみ)センターの『LOVE TRIP』。そして倉野尾、坂口渚沙(なぎさ)ツートップによる『希望的リフレイン』――。彼女たちの良さはセンター候補がたくさんいること。様々な見せ方で観客を楽しませてくれる。また、“ぽんこつ”と呼ばれながらも、絶品のギターテクを持つ長久玲奈(ちょうくれな)の『365日の紙飛行機』へ。思わず聞き入ってしまう。
後半戦は『制服の羽根』『思春期のアドレナリン』『47の素敵な街へ』とオリジナル曲によるメドレー。『47の素敵な街』では、今やTeam8の代名詞にもなっている「言いたいことがあるんだよ~!」から始まるガチ恋口上で会場がひとつに。48グループでも圧倒的な野外ステージの経験を持つ、その実力を遺憾なく発揮してくれた。
北陸ブロックで優勝を果たし、出演を勝ち取ったアイドル!
●空野青空[FESTIVAL STAGE]
真っ赤な衣裳で登場した空野青空。彼女は全国選抜LIVE、北陸ブロックにおいて優勝を果たし、今回の出演を勝ち取った。昨年は「ナツ☆イチッ!オーディション」のファイナリストとなったことでも注目を集めているソロアイドルだが、大のガンダム好きでこの日の真っ赤な衣裳もどこで見た憶えのあるデザイン。
FESTIVAL STAGEといえばガンダム広場とも言われているが、現在建造中のユニコーンガンダムを前に「ガンダム(以前のRX78-2)撃墜記念ステージ」と銘打ち1曲目『恋のガトリングシールド』から新曲『3×ザ・ライド』をスピード感たっぷりに「3倍速く!3倍熱く」と熱唱。最後の1stシングル曲『キラキラアオゾラ』では会場全員で「ジーク・ジオン」コールが沸き起こり、建設中のガンダム像に向かってケチャを起こすなど非常に楽しいステージで観客を魅了した。
会場が会場だけに「これはガンダムのイベントなんじゃ?」と感じる向きもあったが(笑)、優れたトーク力と明るい笑顔、盛り上げ方の上手さなど「凄いソロアイドルが出てきた!」と驚く者も多かったはずだ。
●メインステージ争奪戦LIVEウィナーステージ・26時のマスカレイド[HOT STAGE]
毎年恒例の目玉企画、それが『メインステージ争奪戦LIVE』だ。TIF開催前から数多くの初出場グループで予選を行ない、最終日のメインステージを目指す。昨年、優勝した、まねきケチャは今年のHOT STAGEのトリ前を務めるほどに急成長。どれだけこの争奪戦LIVEの価値が高いかがわかるだろう。そして今年、この争奪戦を制したのは、26時のマスカレイド。通称“ニジマス”だ。結成からわずか9ヵ月でHOT STAGEのチケットを手に入れるとは!
ステージに現れた彼女たちの顔から笑顔がこぼれ落ちる。6人ともみんな嬉しそう。そして1曲目は夏たっぷりのキラーチューン『ハートサングラス』から。「もういいかい?」と歌えば「もうちょっと!」とファンが応える。「I LOVE YOU!」と叫べば「I NEED YOU!」とファンがこぶしを上げる。ポップでとびっきりに楽しい曲なのに、なぜ涙が出そうになるのだろう。
「ニジマス、メイン争奪ライブ、優勝しました! ここまで皆さん連れてきてくれて本当にありがとうございます!」「私たちとここにいる皆さん全員で最高のステージを作り上げましょう!」――2曲目は『心から…』。これ以上ないくらい良質の青春ソング。ファンに向かって「君に会えて良かった」と歌う彼女たち。正直、今のアイドル界で“王道の青春”を真っ直ぐに歌うには勇気と覚悟と力がいる。ここまで真っ直ぐにそれを歌ってくれるグループは少ない。
『マスカレイドは眠らない』に続き、ラストはファンの人気も高い『B dash!』。メンバーとファン、その青春のチーム感。彼女たちの溢れ出す想いをファンがしっかりと受け止める。なんとも羨ましい気持ちになった。そして彼女たちは歓喜の声を上げるファンに対し、長く深い礼をして、その夏を締めくくった。
●カプ式ハイパーモチベーション[DREAM STAGE]
“ハイモチ”は「日本の働く人達を元気にする!」をコンセプトに結成された4人組ユニット。2016年2月にライブデビューを果たし、TIFには2年連続出場。今月15日にCDデビューも決定し、今、勢いに乗っているグループだ。そんなハイモチの1曲目は片思いをする恋心を歌った『Turn to Me』。ひとりひとりのソロパートをつなぎ合わせ、合間にファンの声援が入る。サビでは長い手足が宙を舞い、「こんな人たちが職場にいたらなあ…」と思わず妄想にふけってしまう。
続く、『君にコミット』はゆるやかな曲調ながらも、会社員の苦悩を歌った歌詞は会社勤めを一度でもしたことがある人ならばハッとするはず。そして最後の1曲は『夢があるから』。CDデビュー曲であり、アイドルらしいキャッチーなメロディでステージ横にある大階段に座っている観客の心までも掴んでいた。その証拠にサビのタオル回しはフリーエリアに座り込んでいる人々も笑顔で参加! 愛され力の高さで会場全体を盛り上げていた。
●虹の架け橋[FESTIVAL STAGE]
全国選抜LIVEの北海道・東北ブロックを勝ち抜いた虹の架け橋。メンバーは現在、すぅのひとり。メンバーカラーである水色のリボンにレインボーカラーのスカート。折れそうなくらい細い身体で登場したが、ライブが始まってまず驚いたのはその細い手足をまるで「折れろ!」といわんばかりに振り回すのだ。そんな彼女に全力で応える“精鋭”といった風格のファンたち。
ひとりで全力で歌い踊る。FESTIVAL STAGEの階段を右に左に動きまくる。MCもひとりなので、息切れを隠しながら「息切れなんて気にしない。手足が折れてもいい。でも、笑顔だけは絶やさない!」…そんな心意気が伝わってくる。
パフォーマンス後、「活動始めた当時から憧れだった東京アイドルフェスティバル。みなさんの熱い応援のおかげで立つことができました。2日間、とっても楽しくて幸せな時間を本当にありがとうございました! また来年も出場できるように頑張ります!」と真っ直ぐな瞳でこの地に立つ決意を語った。仙台にはとびっきりの感謝と覚悟を心の真ん中に持った、すごいアイドルがいる。それを知らしめるライブだった。
●Negicco[SMILE GARDEN]
「こんにちネギネギー!」というおなじみの挨拶で登場したのは、7月に結成15周年を迎えたNegicco。リーダーのNao☆が「最後まで楽しんでいってくれますか? かえぽ(Kaede)いってみよう!」と促すと、Kaedeは「繰り返す毎日に♪」と代表曲『圧倒的なスタイル』をアカペラで歌い出す。3人はそのまま、曲の最後まで伴奏なしで歌唱。間奏では掛け声のみでリズムをとり、おなじみのラインダンスも行なった。
普段は爆音が鳴り響くSMILE GARDENでは異例の演出にベテラングループの静かな挑戦心が見受けられる。穏やかに見えて実はアツい心を持つのがこのNegiccoだ。続く2曲目はスローバラードな新曲『愛は光』。しっとりとしたピアノの音と3人の優しいハモリがまるでネギ畑に吹く風のようにゆったりとした時間を生む。ファンとともに作り上げてきた1曲目とファンのことを「わたしを照らす太陽」と歌う2曲目。長年、彼女たちを見続けてきたファンは涙を浮かべるしかない、そんなステージだった。
日本一のアイドルグループから話題の3期生が登場!
●ベボガ!(虹のコンキスタドール黄組)[NTTドコモ×フジテレビ 5G STAGE]
フジテレビ7階の「フジさんのヨコ」ステージに現れたベボガ!(虹のコンキスタドール黄組)。まずは今年2月に発売されたシングルより『純情NAMIDAカタルシス』。屋内でクーラーのガンガンに効いているはずのステージが熱気に包まれて熱い!
自己紹介のMCを挟み、『ドラマよりもドラマティック』『恋のボーダーライン』を続けて披露。MIXを打ち、メンバーのパートごとにニックネームをファンが叫ぶ様子は一般の人が思う「アイドルのライブ」の定番の光景! 決して大きくはない会場だからこそメンバーとファンの一体感を肌で感じられるのだ。これぞ、“圧巻”!
勢いは止まらず、ラストの1曲『かちとばせ! 栄光のレインボー』に突入。昨夏に新体制になってからの初シングルということもありメンバーにも気合いが入る。大サビでは“夢を見た舞台に 君を 絶対! 連れて行くから!”という歌詞を樋口彩がソロで歌い上げる。夢のひとつであったTIFのステージでこの曲はグッとくるものが。ベボガが目指す次の“夢の舞台”にも期待大だ!
●アイドルカレッジ[FESTIVAL STAGE]
アイカレ、TIFのラストステージは上水口姫香(かみなぐちひめか)の「きっと、忘れられない夏になるよ」という声から始まった。メンバーが「うん、なるよー!」と答え、まず披露したのは『#常夏女子希望!!!』。昨年は最年少だった上水口があっという間にお姉さんになってしまったのは年頃のせいなのか、それとも後輩が入ってきて頼られる立場になったからなのだろうか。
1年の早さを実感するのもTIFならでは。また、カラオケバトル2017、DAY2で1、2位を獲得した河東杏樹(かわとうあんじゅ)・川音希(かわおとのぞみ)のソロからの南千紗登(ちさと)の観客へのアオりなど個性の幅広さを実感する場面も! その後は『せいしゅんしもべティック』『YOZORA』といったアイカレらしいノリのいいナンバーで全力パフォーマンス。石塚汐花(しおか)のアクロバットに会場が湧き、佐藤春奈は前髪をびっしょり濡らして笑顔を振りまく。
最後は南の「本当に年々でかくなるし、年々アイカレは楽しくなるし、本当に今年も最高だったんですよ! だから、来年も出演したいし、来年はもっともっと、もーっとでかくなって、帰ってくることを約束します! だから皆さん、また来年会いましょう」というアツい挨拶で締め。アイドル“カレッジ”の名の通り、1年ごとにぐんぐんと成長していく。そんな姿をTIFという舞台で見られる喜びを感じさせてくれた。
●フィロソフィーのダンス[SKY STAGE]
パレットタウンの大観覧車やレインボーブリッジが遠くに輝く、夜の湾岸スタジオ屋上。心地よい夜風が吹く中、現れたのはこの日、結成2周年を迎えた“フィロのス”。昨年のTIF、この「夜のSKY STAGE」で見せたパフォーマンスが話題となっていたこともあり、大勢のファンがこの場に集う。前日のHEAT GARAGEで「すべてのステージで違うセットリストを見せる」と語っていた、その宣言通り、『アイム・アフター・タイム』『ミスティック・ラバー』という他のステージでは秘めていたアダルト・シティポップを連発。
このロケーションが最も似合う2曲であり、奥津マリリのたおやかな声によって湾岸スタジオ屋上が今年もディスコへと姿を変える。「私たちが今できる、最も良いものを最後にぶつけます」というラスト1曲に選んだのは彼女たちにとって初のバラード『ジャスト・メモリーズ』。日向ハルのディーヴァのような歌声が夜空に溶け込み、コーラスを入れるメンバーは涙を堪えるような憂いある表情を浮かべる。「お台場を見渡すこの湾岸スタジオ屋上は、この夜景は他の誰のものでもない、彼女たちのものだ」。そう思わせてくれる、美しい光景がそこにあった。
●乃木坂46・3期生[HOT STAGE]
今や日本一のアイドルグループとなった乃木坂46から話題の3期生が登場。TIFの大トリということもあり、会場は3日間で最高の客入り。まずは『命は美しい』『制服のマネキン』とバリバリに踊る曲でファンを魅了。続くMCではアイドル好きとして知られる山下美月が「私の夢が叶いました。他のアイドルに負けないように一生懸命パフォーマンスします!」と意気込んだ。
そして『裸足でSummer』『夏のFree&Easy』と夏らしい曲に続き、3期生名義の『思い出ファースト』を歌ったところでサプライズが! 「3期生のみんなー、応援にかけつけたよ」という白石麻衣の声とともに西野七瀬、齋藤飛鳥ら先輩メンバーが登場。一緒になって夏全開のヒットナンバー『ガールズルール』を披露。「マジか!」「ウソだろ?」「まいやーん!」と大興奮のファンはジャンプしまくり! 警備員のBONDSも大活躍!
このままラストまで突っ走るかと思いきや、ラスト前に去っていく先輩たち。再び3期生だけになったステージで歌うは、彼女たちの始まりの曲である『三番目の風』。直前までの大熱狂を爽やかな風で包み込む。偉大なる先輩たちに飲み込まらてしまったかと思いきや、最後はフレッシュなパフォーマンスでステージを締めくくった。禁断の1期生中心の選抜メンバーの登場という大サプライズで今年のTIFは幕を降ろしたのだった。
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こうして、今年もとびっきりなアツさ満点で「東京アイドルフェスティバル2017」は終了。来場者数は8万人を超える大成功となった。
TIFが終わると「夏が終わってしまった」と毎年思う。8月の1週目に行なわれるのにも関わらず、だ。それはきっとアイドルたちがキラキラと輝き、我々が全身全霊で応援するからだ。全てを出し切ってしまうからだ。
今年も、思う。「夏が終わってしまった」と――。しかしアイドルにとって、TIFは今、始まったばかりなのだ。
「来年、またこの場所に帰ってくる」「来年は、もっと大きなステージに立つ」「来年こそ、もっとすごいものを見せてやる!」そう心に誓い、これから1年さらに成長するのだ。またTIFで全てを出し切るために。
我々も彼女たちに負けないように成長しようじゃないか。そして、アイドルがずっとずっと輝いていられるように応援していこう。
また来年、お台場で会いましょう。約束のあの地で!
◆明日は毎年恒例、TIF大好き取材班が選ぶMVPとキラキラ美少女の発表!【特別編】を配信予定!
(取材・文/TIF大好き取材班 撮影/武田敏将・関根弘康・アオキユウ)