「全然ガチでいいんじゃないですか(笑)」と破天荒に語ってくれる吉村さん

あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』

第48回のゲストで脚本・演出家の家城啓之(元芸人・マンボウやしろ)さんからご紹介いただいたのは芸人で平成ノブシコブシの吉村崇さん。

2000年に徳井健太とコンビを結成、ハイテンションな「破天荒キャラ」を確立し、TVのバラエティ番組でも幅広く活躍。15年には2千万円のBMW・i8を所属するよしもとに借金した上、分割購入したことでも話題となった。

この日も収録の忙しい合間に、TV局の楽屋へお邪魔しての“破天荒”トークがーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)

―家城さんからのご紹介ということで、収録で多忙な合間をお時間いただいて…。

吉村 なんで俺なんだろう(笑)。何回、殴り合いの喧嘩したか。死ぬほど酒癖悪いですからね、あの人。

―そうなんですか? 自分ではそこは全然触れてなかったです。

吉村 本当ですか? くそ悪いですからね(笑)。

―吉村さんのほうは基本飲めないっていう話ですもんね。

吉村 そうですね。元々、体質が強くないっていうのもありますし。家城さんと飲んで、お目付け役だったんで。面倒見ないといけないのもあって、本当に嗜(たしな)む程度に…。

―家城さんからは「歳をとったら昔のように毎日一緒に過ごそうな!」ってメッセージをいただいてますけど(笑)。

吉村 いや本当に、昔はいろいろやってましたね。うーん…なんかわかんないですけど、モテるんですよね。無茶苦茶モテるんですよ、あんな見た目なのに。

―モテ期があったような話はしてましたが。イケメンはプラスからの減点法で、ブサイクのほうが失うものないんで、みたいな。

吉村 そう…なんか、上手くできてんだなぁっていう。美人はやっぱ美男子を好まないというか、ないものをねだるんだなと。ほんと美人にモテるんですよ。何回、家城さんのいちゃいちゃを覗(のぞ)いたか。それも僕の部屋でしてましたからね。

―いちゃいちゃ(笑)。ていうか、部屋を貸してたんですか?

吉村 貸してましたよ。俺が寝てる横とかベッド…その当時、家城さんが家なかったのかな? いや、ほんとエロなんですよ。めちゃくちゃ性欲強いですから。何回もあったなー。当時、あれ彼女がいたのかな?

―それ、どこまでガチで語っていいんですか(苦笑)。

吉村 いや、全然いいんじゃないですか(笑)。当時、15年以上前ですからね。その頃はありでしょ。

―本人も美大系にモテたとか、古本屋でエロ本探したり、風俗の話はちょいちょい出てましたけど(笑)。

吉村 でも、やっぱ才能あるんですよ、たぶん。芝居であったり、お笑いであったり。それ以外はないですから。そのふたつだけの人ですね。だからこそ、平和な日本でよかったなと思いますよ。これが有事だったら、なんの役にも立ちませんからね。

―はは、いや、そのふたつがあればね(笑)。でも最初にお笑いにきた動機は「TV出てる人たちを観て、こんな楽して儲けて、女にモテてんのか」って邪(よこしま)なだけの羨望だったそうで。

吉村 いやそれは僕もそうですよ。モテたいし、いいもん食いたい、いいとこ住みたいって、ただの欲の塊でここにきましたよね。大義なんかなかったですよ。お笑いで革命起こしたいとか、日本笑わせたいみたいな…。今、みんなそう言っときゃ、なんとなく形になるから言ってるだけで(笑)。

「欲まみれの情けない男で終わりたいですから」

―まぁ昔の世代から、それこそ又吉(直樹)さんの『火花』の世界みたいにお笑い論を熱く語り尽くすのもある一方、単純にお笑いでモテたい、稼ぎたいっていうね。

吉村 はい。だから家城さんと殴り合ったのも仕事のことじゃないです。向こうも酔っぱらって、酒の態度が悪いとか普通に。…でも、なんでしょうね、好き過ぎるっていうか、僕のことが(笑)。まぁ仕事もなく、時間はあって金もないっていう…酷(ひど)い時代で。

朝7時とかに歌舞伎町でサラリーマンがもう普通に仕事向かってるんですよ。西武新宿から新宿駅に乗り換えようって。そこで殴り合って喧嘩とか、もう酷いクズでしたね。

―その頃の歌舞伎町で朝方たぶん僕もすれ違ってましたね。酔っぱらいのほうで(笑)。

吉村 あ、そうですか? でも、金以外は時間と楽しさ、快楽、自由…全てあったような気がしますね。ほんと、20代中盤ぐらいまで全部、あの人と一緒にいましたからね。

―懐かしさも含めて、その時代を一緒に過ごした得がたい関係ですかね。まさにそれも『火花』的な…。

吉村 そうですね。得難い存在ですけど、まぁ飲みには行きたくないですね、別に(笑)。

本当に歳取って、また昔みたいに時間がたっぷりあった時はいいかもしれないですけど。僕ももう37で向こうも40で、20代前半のペースで飲もうと思ったら、やっぱ怖いじゃないですか。露骨に衰えというか、1時くらいに眠くなったりして…。

―そこで喧嘩しようものなら、下手したらすぐ骨折とかしちゃって(笑)。

吉村 はい。お互いやっぱビビっちゃうと思うんですよ。その過去というか、若さの象徴ですから、僕と家城さんの時間って。それが歳取った現実を見る感じは怖いんで、まだしばらく飲むのやめときますね。

―では、よっぽど枯れてイイ感じになったくらいで?

吉村 そうそう(笑)。お互い歳取って、キューバ辺りで海見ながら(笑)。葉巻吸って、若いお姉ちゃん、横にはべらせて。

―(笑)キューバってところで、だいぶ稼いだっていう前提ですね。そしてヘミングウェイみたいな悠々自適の…。

吉村 はいはい、そこまで高尚ではないですよ(笑)。欲まみれの情けない男で終わりたいですから。まぁ心底、本当のスケベでね、ヤる体力もなくて、ただケツ触って終わるような人生が最高かなと。

―それも破天荒キャラということで(笑)。ちなみに今日も例の愛車で来られたんですか?

吉村 そうです。乗り続けるしかないですよね。ローンも払わないといけないですし。

「車も芸能界も不便な時代になりましたよ」

―そのBMWの「i8」を買った時、週プレNEWSでもインタビューさせていただいて。会社に前金借りてというお話でしたけど。完済したんですか?

吉村 いや、してないですよ。1千万、丸々残ってます。

―(笑)それ返すよりも、後回しでいいやみたいな。

吉村 また欲しいですもんね。とりあえず借金して、2台目3台目って。フェラーリとかランボルギーニのSUVも…いろいろ欲しいもん出てきますよ、金はないのに。

―それを自分に課して、仕事を頑張るモチベーションにも?

吉村 最初買った時は自分でも本来、持てない車でしたよね。めちゃくちゃ金かかりますから。修理でディーラー出しでも、もうえげつないですし。

でも、なんかありがたいことにあいつが仕事持って来てくれたり、いろんな裾野を広げてくれて。今なんとかなってるんで、他買ってもいいかなと。高いもん買っても、大体まぁ払えますよね。来年どうなるかわかりませんけど(笑)。

―運転も最初、覚束なかったみたいな話でしたけど。駐停車するのもヤバくてという…。

吉村 初心者でしたからね。怖くて家まで運べなかったんで。それがこの間、ゴルフでちょっと飛ばし気味で行ったんですけど、覆面パトカーに止められて。前からマークされてたんじゃねーか?って、たぶん(笑)。参りましたよね。車も芸能界も不便な時代になりましたよ。

―(苦笑)世知辛い時代ですよね。でも車はそこまで乗りこなせるようになって。

吉村 はい。まぁ…不便だからこそ楽しいのもあるんですけどね。あと、むかつきますもんね。誰か乗せて雑な扱いされると。

―それはありますよね。車もやっぱり人格あるんじゃないかっていう。その扱いで機嫌が違う気もしますから。

吉村 日によってスゴい運転いい日ないですか? 道がはっきり見えるとか、今日調子いいって、ぴったり呼吸が合うみたいな。なんなんでしょうね、あれ(笑)。すげぇコーナーもカーブとかスーッとキレイに入る時があって。それがたまんないですよね。

―ありますよね。こっちの気分と車のフィーリングが合うような…。

吉村 あと、うちのはガソリン満タンにしたら喜ばないんですよ…なんか重いなっていう感じ。半分ぐらいの時のほうがいいんですよ。

―よく言うんですが、助手席に乗せる人間によっても機嫌が変わるんじゃないかと(笑)。

吉村 いや、もちろんそうですよね。(渡辺)直美を主に乗せることが多かったんですけど、やっぱり前のタイヤの減りが早いですよね。

―あははは、そうなんですか(笑)。ガソリン満タン以上の負荷が…

吉村 いや、本当にそれで変わるんで、はい。100キロ乗せるワケですから。いろいろ勉強になります。やっぱり痩(や)せてたほうがいいですね、社会は。

―社会でくくりますか(笑)。車も「満腹だと気持ちよく走れねーんだって!」みたいな。

吉村 そうそう。で、直美乗せたりとかすると機嫌悪くなりますよ。

「無理してるから、もうアキレス腱が切れそう」

―面白いなぁ(笑)。では、小まめにちゃんと洗車とかメンテナンスもしてあげて。

吉村 してますね。実際、傷つけられることも多いんですよ。

―確かに高級スポーツカーだと、そういう傷がカッコ悪く目立ちますよね。うちなんかジープのチェロキースポーツなので、汚れていようがそれも味みたいな。電信柱にぶつけた凹みもそのままに(笑)。

吉村 ジープはいいんですよね。汚れててもカッコいいじゃないですか。うちのは、スッとなんか入っただけで目立つんですよね。

―ポルシェなんかも、先輩で愉快犯みたいなヤツに狙われて、ガレージ置いてたのにガジガジ傷つけられて。修理代だけで100何万みたいな話がありました。

吉村 確かにあるらしいですね。やってみろよって思いますけど。てめえにやる勇気あんだったらって、放ったらかしにしてます。

―僕のチェロキーですら木更津の花火大会で路上に止めてたらやっぱりやられましたから。車体が赤なんですが、コインで脇腹をキーーッと擦られた跡が。

吉村 目立つやつはやられるんですかね。うちは黒だから。あれで派手だとやられてるかもしんないんですね。

―ちなみに、鳥も攻撃するって知ってました? 昔、屋根もない雨ざらしの駐車場で、真横が世田谷区の保存樹林っていう、でっかい欅(けやき)の木のそばだったんですよ。そしたら鳥が攻撃色だと思うらしく、赤の屋根に糞を集中爆撃されるという。

吉村 えー、そうなんですか。攻撃してくるんすか? 赤はやられるんですね。それはすごい大変ですね。

―そういうのも考えなきゃって、最初知らないですよね。でも吉村さんは高級マンションで駐車場も当然、地下とかですよね?

吉村 うちはもう見事な高級マンションなんで(笑)。地下の駐車場ですけど、僕の車で平均値ぐらいですもんね。おいおいおい!と思うような車があります。なんだ、この見たことねぇハマー?みたいなのもあったり。めちゃくちゃすごいっすよ。そういう面で言ったら、いい世界見させてもらってますよね。

―そこ含めて、セレブになるのは全て込みでないとなれないって思ってしまいます。車だけじゃなく、住むところからとか…。

吉村 うーん…。でも僕も無理してるからじゃないですか? もう、切れそうです、アキレス腱が。背伸びしちゃってるから。もうビンビンで切れると思いますよ。まぁそれはそれでいいなと思いますけど。

語っていいとも! 第48回ゲスト・吉村崇「ヤれない美人よりヤれるブスっていうのが僕の格言ですから」

(撮影/塔下智士)

●吉村崇(よしむら・たかし)1980年生まれ、北海道出身。お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」のボケ担当。高校時代にお笑い番組を見て芸人を志し、上京。2000年、共に東京NSC5期生であった徳井健太とコンビを結成。漫才・コントではハイテンションな「破天荒キャラ」を確立。15年には2千万円のBMW・i8を分割購入。同年に「日本ベスト・カー・フレンド賞」を受賞。現在は『くりぃむクイズ ミラクル9』『ノンストップ!』などTV番組を中心に活躍。