「怒り顔」で麻雀を打つ中山百合子さん。 「怒り顔」で麻雀を打つ中山百合子さん。

藤井聡太六段の活躍でにわかに沸く将棋界を筆頭にここ数年、「おじさんたちの趣味」だと思われがちだった将棋・囲碁・麻雀の分野に美人棋士が続々登場。  

前回配信した女流棋士・竹俣 紅囲碁界から期待の新人・木本有香に続き、今回、紹介するのはお嬢様風のルックスながら“雀怒(ジャンヌ)ダルク”と、力強い愛称で注目される女流プロ雀士、中山百合子(年齢非公開)だ。

* * *

―“雀怒(ジャンヌ)ダルク”というニックネームまであるそうですね。

中山 はい(笑)。私がプロになる時にいろいろ教えてくれた金太賢プロがつけてくれたんです。麻雀を打ってる時、怒ってるような顔をしてるって。自分ではそんな意識はしないんですけど。

―よほど表情が変わるんですね。所属している日本プロ麻雀協会公式のファンクラブサイトでも「自分の麻雀のスタイル=喧嘩」ってありましたけど。

中山 あはは。攻撃的な麻雀が大好きです。オリより、攻めのほうが断然楽しいですから。

―相当、強気なんですね。そもそも何がきっかけで麻雀をやるように?

中山 大学生の時、友達に誘われたんです。ルールもろくに知らなかったけど直感的に好きになっちゃって。あと、やっぱり負けず嫌いなので何度もやって、気づいたら麻雀店で働いていました(笑)。

―麻雀プロになろうとしたのは?

中山 4年前、アマチュアが麻雀プロを目指すって番組の企画で声をかけられたんです。ちょうどその頃、もっと強くなるためにプロとたくさん打ちたいと思っていたんで。大学受験の時以上に勉強して臨みましたね(笑)。

―最近、一番印象的な大会は?

中山 昨年の「麻雀ウォッチシンデレラリーグ」(各プロ団体の枠を超え、新進の女流たちが参加した番組主催の大会)です。優勝しました! しかも、春先から秋にかけて半年間、リーグ戦を行なう形式だったんですけど、コンスタントに勝ち続けることができて自信にもなりました。それまでは自分の麻雀がどの程度、通用するのがわからなかったので、打ちながら強気な顔をしてても内心は弱気なことも多かったんで(笑)。

―得意な役なんてあります?

中山 重たいリーチです。「メンタンピン三色ドラ1」みたいな。昨年は役満11回上がりました。国士無双も4回くらいかな。周りに警戒させないよう、手を作りに作って上がるのが好きですね。

相手をボコボコにして勝ち続けたい(笑)

―中山さんが考える麻雀の魅力は?  

中山 思い通りにいかないところです。欲しい時に欲しい牌がくることなんてめったにないんで。でも、だからこそなんとかしてやろうって気になって楽しいんです。

―言い換えれば、麻雀は運の要素が強いのが魅力と。

中山 そうですね。将棋や囲碁と違って、アマチュアがプロに勝つこともあるし。運も実力。それが麻雀です。だから大勢の人が楽しめるんです。

―少しだけプライベートも教えてください。趣味は?

中山 バイクです。私、アメリカンバイクが好きで、ホンダのシャドウ400に乗ってるんですけど、気分転換も兼ねてよくツーリングに行きます。

―結構、大型のバイクですよね。他には?

中山 カラオケです。古い曲が好きで、レベッカや中森明菜さんとかよく歌っています(笑)。

―熱唱系というか、やっぱりワイルドですね。では好きな男性のタイプは…強気な中山さんだけにおとなしい男性が好みとか?

中山 あはは。よく言われます。お店にもイジメられたいっていう男性客がよく来るし(笑)。でも逆ですね。男らしくて、私が何をやっても見守ってくれるような寛大な方が理想ですね。

―では最後に、今後の目標は?

中山 女性の麻雀人口を増やしたいです。タバコの煙の中でおじさんたちがやるイメージを持つ人がいまだに多いと思うんですけど、現在はもっとクリーンだし、ゲーム感覚で始める人も増えています。映画にもなった人気マンガ『咲―Saki』の影響も大きいですね。

もっと女性に気軽に楽しんでもらえるよう自分も何かできたらいいなと。後はやっぱり女流プロのトップになること。麻雀の強い女流は誰だっけ?って話題になったら、必ず自分の名前が挙がるようになりたいです。そこにたどり着くまで、相手をボコボコにして勝ち続けたいです(笑)。

(取材・文/大野智己 撮影/武田将敏)

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●中山百合子(なかやま・ゆりこ) 12月7日生まれ 神奈川県出身 日本プロ麻雀協会所属の女流プロ雀士 ○2015年プロデュー。雀風は攻め重視。2017年女流プロ雀士の大会「麻雀ウォッチ シンデレラリーグ」で優勝。 趣味はバイク、カラオケ、銭湯巡り。