サレメッスィズベ!(カザフ語でこんにちわ) 北京を経由して、いよいよ中央アジア“スタン系”の国の旅、スタートです。
まず始めの国は世界最大の内陸国、国土面積9位を誇り、豊富な石油資源を持つカザフスタン。今年9月には首都アスタナで万博があったり、12月はバイコヌール宇宙基地でロケットの打ち上げがあることでも大注目。
また、12等身で120cmの美脚を持ち「世界一美しいバレーボール選手」と言われ、ネットでも話題となったサビーナ選手を輩出した美人の産地でもあります。
さらに美人といえば、今年の夏に大炎上したのがカザフスタンのある旅行会社のCM動画。ズラっと並んだほぼ全裸の美人CAさんたちが、胸元をテロップで隠し、また肝心なところをCA帽で隠し登場。その姿はまるでアキラ100%! そしてロシア系の顔立ちの彼女たちの美人具合といったら、破壊力1000%!
カザフスタンはイスラム教徒が70%、ロシア正教会が25%を占める国で、イスラム教といえば肌の露出はご法度(はっと)のはず。いくら戒律が比較的緩やかとはいえ、これは意外でした!
そんな魅惑的な未知なる国の、私が人生で初めて出会ったカザフ人はアヤカ・23歳。北京から乗り継いだ飛行機で席が隣になり、興味津々に話しかけられたのだが、
「ニーハオ! え? キタイ(中国人)じゃなくてヤポーニャ(日本人)? 私、中国語とロシア語ならできるけど英語は全然できないや。北京にはメイク関係の仕事で行ってたんだ!」
まさかカザフ人に中国語で話しかけられるとは思ってなかったけれど、考えてみればお隣の国か。彼女が扱う言語は仕事で使う中国語の他に、中央アジアの公用語となるロシア語と母国のカザフ語。
そして私が話せるのはいいかげんな日本語とデタラメな旅英語、そしてホントにほんの少しのスペイン語。ふたり合わせて6ヵ国語もあるのに全く会話にならず、笑顔とジェスチャーでやり過ごした。
オフシーズンにひとりポツン…
そして飛行機が到着したのは第2の都市アルマトイ。ソビエト連邦から独立した中央アジアの国家の中で最も経済的に発展した都市であり、旅人にとって中央アジアの玄関口となるひとつ。
深夜に着いてしまった私は空港近くの安宿に一泊したのだが、オフシーズンのせいだろうか、なんと客は私ひとりだけ…、ポツン。人の多い中国から一気に閑散とし、なんだか急に寂しくなった。
翌朝、外に出ると、一番初めに目に入ったのはとにかく読めないキリル文字の看板だった。中心地に向かうため市バスに乗るが、全く言葉が読めず通じないので心細い。
しかしなんと、そんなことを気にしない時代がやってくる! この10月、ナザルバエフ大統領がカザフスタンの国際化を目指し「2025年にはキリル文字を、ラテン文字であるローマ字に完全移行する」と宣言したのだ。
「そりゃあ、ありがたい!」と一瞬喜んだ私だが、ん? 待てよ? この珍しいキリル文字が衰退してしまうとしたら、それはそれで寂しい気がする。旅はきっと楽になるだろうけど、なんとも複雑な気分である。
バスに30分ほど揺られ、中心地に到着すると、碁盤の目のように区画された街作りは整然とし、建物や並木道が線対称に並んでいたのが印象的。
道行く人々の中にはイスラム教徒のヒジャブスカーフを巻いた女性もいて、さすがにほぼ全裸の人はいませんでした(当たり前か)。
中央アジアには日本人に似ている人が多いと聞いていたけれど、この街にはロシア系の人も多く、街も人もなんだか東欧のような雰囲気があった。
かわいい少女に癒やされる
また公園では陽だまりの中、ママと子供たちで賑(にぎ)わっていて、治安の良さが窺える。無邪気にはしゃぐ天使のような子供たちの顔立ちは、まさに将来のカザフ美人候補!
そして、やっと少しだけ英語のできるソフィアという名の少女とお喋りすると、彼女はカザフスタンとキルギスタンのハーフだそうで、お母さん方のおばあちゃんはロシア系なのだそう。
ロシア系のきれいな顔立ちとアジア系のかわいらしさがいい具合にミックスされていて、とても美人だった。
こうして、原宿竹下通りにいるスカウトマンのように、将来の美人候補生を見ているだけでなんとなく終わってしまったカザフスタン。
「これといった見どころがなく、1日でやり過ごしてしまう」という旅人の噂通りであったが、街は整然として落ち着いた雰囲気、人も穏やかで、とても好印象であった。
私はオシャレなエスプレッソバーでひと息つくと、他の旅人と同じように1日程度でこの街の観光を終わらせ、次の地へと向かうことにした。
カザフ最後の晩(といっても2泊目)、安宿に着くと、ここでもまた8人部屋にひとり。すると突然、カザフ少年が私の部屋に入ってきてトイレに駆け込み“大きなお土産”だけを残して出て行った。
「ごあいさつだな」と困惑しながらも微笑ましかったが、流れないお土産品を「私のものではありません」と宿の人に説明するにも英語の通じないもどかしさ。
不便さと孤独感を味わいながらも、この旅を楽しんでいる私がいた。
【This week’s BLUE】 カザフ男子のスタンダードなファッション。これを着ればあなたも今日からカザフ男子!
★旅人マリーシャの世界一周紀行:第165回「キルギスで羊を一頭買い! “ナイフ1本でさばけない男は認められない”世界で考えたこと」
●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】