心が清らかな「よいこ」でないと乗ることができない筋斗雲に乗れたよ! 心が清らかな「よいこ」でないと乗ることができない筋斗雲に乗れたよ!

ついにバルセロナにチリ人のゴンジーがやってきた。

今回の私の旅の火蓋を切ったのは、彼の「スペインに集合」というひと言だった。アフリカのサファリで出会った旅人たちがついに2年ぶりに再会だ(ゴンジーとは昨年日本で会うはずだったが、私の事情によりドタキャンしてしまっていた)

彼は銀行で働くアラサー男子。今回は直接チリから来たわけではなく、ヨーロッパを周遊しているようで。イタリアやオランダ、それからベルギーの「トゥモローランド」に行っていたのを私はSNSでチェックしていた。

「トゥモローランド」とは国の名前でも夢の国の話でもなく、世界最大規模のEDMフェスのこと。私はEDMはそんなに得意ではないが、それでも規模や装飾、世界から集まる人々の熱気を感じたくて、いつか絶対に行きたい世界の祭りのひとつだ。

ゴンジーよ、なぜそこから誘ってくれなかったのだ(あとね、「バーニングマン」も絶対行きたい)。

まあ、そんなこんなで、私がステイさせてもらっているアナの家に午前中ゴンジーが到着すると、「おーー! ついに会えたね! 久しぶり!」とギュっとハグをして、アナは仕事で不在なので、私が彼のプチガイドとなって街案内に連れて行く。

地下鉄に乗り、人生で何度も見ているサグラダファミリアへ向かうと、久々に見るそれは少し新しくなったようだ。工事進んでるな、よしよし(誰目線?)

ゴンジーと地下鉄に乗ってお出かけ ゴンジーと地下鉄に乗ってお出かけ

どんどん完成に近づいていくサグラダファミリア どんどん完成に近づいていくサグラダファミリア

初めて見た2008年頃と比べると随分と近代版になったような印象だが、やっぱり何度見ても素晴らしい建築だ

ところで、サグラダファミリアの建設工事が始まったのは1882年だが、なんと建築許可が下りたのは今年6月! つまりそれまでは「違法工事」だったなんて、スペインを代表する建築物なのに、そんなことある!?

ちなみに完成はガウディの没後100年にあたる2026年の予定だから、その時に再訪できたらいいな。

なんだか新しいサグラダファミリアって感じ! なんだか新しいサグラダファミリアって感じ!

2008年のサグラダファミリア 2008年のサグラダファミリア

それから人気のタパスバル「Cerveseria Catalana」に行こうと提案しタクシーに乗ると、運転手のおじちゃん曰く、そこはちょっと高級で観光客向きの有名店で、人であふれていた。

確かに高級感がありキラキラ系バルといった感じ。女子ウケは良さそうであるが、空腹でガッツリした肉を食べたかったゴンジーのテンションをちょっと下げたようだった。

「ああ、なんか店のチョイス間違えたかも、ごめん」と思いつつ、そこの料理はポーションこそ小さいがクオリティーが高く、味付けは大変美味しゅうございまして、なんとか彼にも満足いただけた、はず。

4.5ユーロのロモ肉&チーズのサンドウィッチ 4.5ユーロのロモ肉&チーズのサンドウィッチ

ゴンジーはサンドウィッチとフォアグラと仔牛ヒレ肉もいってた ゴンジーはサンドウィッチとフォアグラと仔牛ヒレ肉もいってた

そこにアナが登場。ゴンジーは椅子から立ち上がると、同じスペイン語圏の者同士か、再会のハグは熱い。まるで生き別れた兄弟でも見つけたかのごとく、ハグをしたまま、「元気だったか」「会いたかったぞ」あとは私のわからない言葉で、感動の会話を交わし合っていた。

私はその様子をしばらく見上げていたが、やっぱりいくら海外に慣れていてもまだまだハグレベルのギャップはあるなと感じた。

それから一旦スタバに移動しておしゃべり。今度は私がスペインまで来てわざわざスタバかと思ったけれど、まいっか(とか言いつつ、2015年の写真でも、サグラダファミリアの前で私スタバ持ってた。笑)

スタバでお互いの近況を語らう スタバでお互いの近況を語らう

バルセロナの中心カタルーニャ広場から、今度はアナの案内で街歩き。

リチャード・マイヤー設計の「バルセロナ現代美術館(MACBA)」の前はスケボーを楽しむ若者たちであふれ、バルセロナの台所「ブケリア市場」ではドライフルーツや生ハムを買い、それから裏路地に並ぶオシャレなブティックでは服やサングラスやバッグなどを物色し、古着屋ではいろいろ試着して遊んだ。

迫力のあるゴシック建築様式の「サンタ・エウラリア大聖堂」の前では、2年前にサファリで出会った時に付けたキリンとゴリラのお面姿で写真を撮り、遠い国の旅友だけど、このふたりとは本当に気が合うなって実感。

バルセロナの台所「ブケリア市場」 バルセロナの台所「ブケリア市場」

古着屋さんで遊んではいけません 古着屋さんで遊んではいけません

「サンタ・エウラリア大聖堂」前のキリンとゴリラ 「サンタ・エウラリア大聖堂」前のキリンとゴリラ

それからアニメショップへ。アニメというと日本のものが多い印象なので、私はそんなに新鮮味を感じなかったのだが、そこには『スター・ウォーズ』や『ポケモン』など映画やアニメのジュースやお菓子がいっぱいで、こんな商品があるのかとだんだん面白くなってきた。

また『ドラゴンボール』はさすが、専門ショップにズラリとグッズが並んでいる。ふたりは筋斗雲(きんとうん)のオブジェに乗ったり、かめはめ波のポーズをしたりと、大はしゃぎ。

その姿を見ていると、なんだか日本をリスペクトされた気分。「日本のアニメカルチャーがこんなに世界を楽しませているんだなあ」と毎度感心し、感謝している。やっぱり『ドラゴンボール』は世界一のアニメだ。

そして私も筋斗雲に乗り、かめはめ波を撃ち、主題歌をみんなで口笛で吹いた。最後は店員さんも巻き込み全員で記念撮影をし、さんざん店内で遊んだけれど、結局誰も何も買わずにロシエント......(ごめんなさい)。

アナのかめはめ波、手の中のゴミ。めっちゃかわいい アナのかめはめ波、手の中のゴミ。めっちゃかわいい

『ドラゴンボール』に勝るものなし! と高揚した気分のまま、お次は『ハリー・ポッター』のお店へ。

私はハリポタに詳しくないのだが、リアルな魔法の杖らしきものが並ぶお店と、ぬいぐるみなどグッズがあるお店と2店舗あり、こちらもまた相当な人気なんだなと思っていたらなんと、ゴンジーがうれしそうに何かを手に持ってレジへ。

ハリポタ人形だった......。ハリポタを2頭身の、キティちゃん的なキャラクターにデフォルメしたかわいらしい人形だ。

「え、あれだけ『ドラゴンボール』で盛り上がっていたのに、ハリポタ買うんかい!」

すると、続いてアナも全く同じものを持ってレジでお会計している。甥だか姪だかへのお土産ではない。彼らは自分たちにハリポタ人形を購入したのだ。ふたりはお揃いのハリポタ人形を自分のワークデスクに置こうと大盛り上がり(恋人同士とかではない)。

「だって、これ見てよ! すっごいかわいいじゃない! マリは買わなくていいの?

いや、かわいいよ? かわいいけどさ! なんか日本でそういうのいっぱいあるし...(と言っても日本で買うわけでもないが)。

私は傍観していたが、後々ジワジワとこの人形に愛着が湧いてきたのだから、ハリポタの魔力、恐るべし。

ハリポタ人形を購入してご満悦 ハリポタ人形を購入してご満悦 ハリポタ人形さま ハリポタ人形さま

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第250回「スペイン美女の推しグルメは伝統的なカタルーニャ料理」

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】
女子2人組ユニット「地球ワクワク探検隊」としても活動。Youtube配信や国内外各地のPR活動、旅先のお酒やお話を提供するイベント「旅するスナック」を月2回、東京・虎ノ門で開催。
【https://www.youtube.com/channel/UCJnaZGs8hyfttN9Q2HtVJdg】

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