ナイフを入れるとサクッ! ジュワ~!をお楽しみあれ! (ウクライナの国旗カラーを意識してみました) ナイフを入れるとサクッ! ジュワ~!をお楽しみあれ! (ウクライナの国旗カラーを意識してみました)

ドーブルィデーニ! こんにちは、旅人マリーシャです。

前回のボルシチに続き、今回の「旅人でも簡単に作れるおうちで世界飯」第30回も、ウクライナ料理に挑戦したいと思います。当シリーズ初となる揚げ物「チキンキエフ」です!

首都キエフを名乗るウクライナの伝統料理。日本では「キエフ風カツレツ」と呼ばれることもあり、ご存知の方もいるのではないでしょうか。衣に包まれた鶏肉にサクッとナイフを入れると、中からバターがジュワ~とあふれ出すんです!

首都キエフの独立広場の何気ない日常 首都キエフの独立広場の何気ない日常

私がチキンキエフを食べたのは首都キエフではなく、歴史地区が世界遺産である古都リビウ(リヴィウ)でした。安宿で出会った旅友のアベさんと路上フリマで大量に買ったピンバッチの品評会をしていると、お腹がグゥ~。

「旅人に人気のウクライナ料理の大衆食堂があるけど行く?」

アベさんの誘いにすぐに飛びつく私。そこはウクライナ料理を扱うファミレス風のチェーン店「プザタハタ」。セルフで好きなものをトレイに乗せていき会計をするシステムで、「スタローバヤ(大衆食堂)」と言うそうです。コスパも良く、ウクライナ語が読めない旅人でも実物を見て選べるのでありがたい。アベさんがチキンキエフを選んでいたので、図々しく一口いただくことにしました。

レモン型のフライにナイフを差し込むとバターがジュワ~と流れ出しました。チェーン店のシンプルなチキンキエフだったためかパセリの姿は見当たりませんでしたが、100円ちょっとなので文句はありません(ていうかアベさんのだし)。

「お値段以上!」

当時、私はチキンキエフを知りませんでしたが、あの時アベさんのおかげで食べることができて本当に良かった。旅する日々のほんの日常的な1コマですが、現地のものをその場で食べられるのは旅の醍醐味。今こうしてチキンキエフを通してウクライナへの想いが募ります。

どこを歩いても絵になるリビウの街中 どこを歩いても絵になるリビウの街中

リビウの路上フリマでピンバッチを爆買い リビウの路上フリマでピンバッチを爆買い

(上のトレー)レモン型のフライがチキンキエフ、グレーチカ(蕎麦の実粥)、多分ソリャンカという名のスープ、(下のトレー)チキンシュニッツェル、多分チキンソーセージ (上のトレー)レモン型のフライがチキンキエフ、グレーチカ(蕎麦の実粥)、多分ソリャンカという名のスープ、(下のトレー)チキンシュニッツェル、多分チキンソーセージ

ナイフで切ると中からバターが流れ出しました ナイフで切ると中からバターが流れ出しました

ウクライナ料理チェーン店「プザタハタ(Puzata Hata)」 ウクライナ料理チェーン店「プザタハタ(Puzata Hata)」

ところでキエフにはチキンキエフのミニ彫像が存在するとか(バターが溶け出す様子もしっかり再現されている)。栃木県宇都宮の餃子像みたいなものでしょうか。ぜひ実物を拝みたかったです。

実はチキンキエフは日本にもジワジワと浸透していました。昨年10月には牛丼の松屋が手掛けるとんかつ屋・松のやで世界の味シリーズとして「チキンキエフ定食」が登場。ウクライナ大使公認だそうです(シュクメルリ現象を思い出しますね)。

また過去にはコンビニチェーン・ミニストップでもホットスナックで「チキンキエフが発売。手で食べられるお手軽さに配慮したためか、バターはあふれ出すタイプではなかったものの、「チキンキエフがコンビニで買える時代」などと呟かれていたそう。

さて、それでは早速作りたいと思います。本来ならバターにパセリなどを練り込んだ、いわゆるエスカルゴバターから作りたいところですが、バターを常温にして固め直してなんて作業はちょっと面倒。やっぱり手抜きしたいよね!ってことで、今回も簡単レシピでいきたいと思います! それではレッツクック!

材料:鶏ささみ、バター、パセリ、にんにく、溶き卵、小麦粉、パン粉 材料:鶏ささみ、バター、パセリ、にんにく、溶き卵、小麦粉、パン粉

<材料> 2個分

 ・鶏ささみ...2本

 ・バター...20g

 ・にんにくのすりおろし(チューブ可)...適量

 ・パセリのみじん切り(乾燥パセリ可)...適量

 ・塩胡椒...適量

*衣

 ・溶き卵...1個分

 ・小麦粉...大さじ4程度

 ・パン粉...大さじ4程度

 ・油...揚げるのに必要な量

*付け合わせのオススメ

 ・マッシュポテト

 ・レモン

<ワンポイント>

・エスカルゴバターを作らず、バターやパセリを直接肉で包み込みます!(簡単化!)

・揚げ油170度は、パン粉を入れてジュワッと鍋全体にゆっくり広がるくらいが目安!

<調理>

1.ささみを切り開き(筋はとり除く)、叩いて薄く伸ばす。

2.肉全体に塩胡椒をし、にんにく、パセリ、バターを乗せたら、はみ出さないように巻いて包む。

3.2に、小麦粉→溶き卵→パン粉、の順に衣を付ける。

4.鍋に揚げ油を深さ3cm程入れ、170度で6分ほど揚げてできあがり。

★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!


<実食>

サクジュワも成功しました! 衣にナイフを入れた瞬間にまずバターがピュッと飛び出す現象は感動的で、流れ出すバター液は黄金に輝いています。ニンニクとパセリの香りは食欲をそそり、簡単レシピでも大満足な出来栄え!

マッシュポテトやカットレモンを添えてめしあがれ マッシュポテトやカットレモンを添えてめしあがれ

サクッと衣を切るとバターが飛び出してジュワ~とあふれます サクッと衣を切るとバターが飛び出してジュワ~とあふれます

バターが溶け出したチキンには空洞が残る バターが溶け出したチキンには空洞が残る

毎度ながらこの料理もまた調理方法はさまざま。鶏肉に穴を開けてグリグリとバターを突っ込んでいくタイプ(ローストチキン的な?)もありますが、私は今回のような肉巻きタイプが簡単だと思い自由に作りました。

今回チートしたバターに関してもさまざま。パセリ、にんにく、レモン汁といった材料の微々たる違いで「ブール・メートル・ド・テル」「メンテルバター」「エスカルゴバター」「レモンバター」など名称が変わったりもします。が、よほどのこだわりがなければ大差は感じないかと!

ウクライナの首都キエフを名乗る伝統料理、ぜひ皆さんもトライしてみてください!

PRAY FOR PEACE!

2個目もサクジュワ大成功! 色もこっちの方がキツネ色! 2個目もサクジュワ大成功! 色もこっちの方がキツネ色!

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTube【https://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew

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