メキシコ最大の団体ＣＭＬＬで世界ライト級王座を保持しているドラゴン・リー選手
新年の１．４東京ドームでＩＷＧＰＪｒ．王者となった新日本プロレスの髙橋ヒロム。メキシコなど海外で４年近い武者修行を経て昨年末に凱旋、早速、ベルトを戴冠した。
その一番のライバルとされているのがドラゴン・リーだ。キャリアはまだ３年ながら、メキシコ最大の団体ＣＭＬＬでメインを張る人気で、華麗な空中殺法とスピードに加え、ヘビー級の選手も軽々と持ち上げる筋力を誇り、グラウンドもイケるオールマイティな選手。
ふたりの出会いは２０１４年、当時、ＣＭＬＬで覆面レスラー「カマイタチ」として活躍していた髙橋との熱すぎる抗争は、ＳＮＳを介して瞬く間に拡がり、世界のプロレスファンが待望する好カードに！ マスク剥ぎマッチが行なわれた会場アレナ・メヒコには約２万人が詰めかけ、アメリカでも対戦が組まれるほどに…。
そんな因縁のライバル同士の次なる戦いの舞台は２月１１日、大阪府立体育館。髙橋のＩＷＧＰＪｒ．ベルトの初防衛を賭けたタイトルマッチ！ そこで、前編記事に続き、新日本プロレス恒例となった「ＦＡＮＴＡＳＴＩＣＡ ＭＡＮＩＡ」に２度目の参戦となったドラゴン・リーを直撃、対戦直前の心境を聞いた。
＊ ＊ ＊
―実はここに来る前に、ヒロム選手にも話を聞いてきたんです。
ドラゴン・リー（以下、リー） マジ？ なんて言ってた？
―まず「ドラゴン・リーと試合をするのは楽しい」と。初めて対戦した時、新日本っぽい戦い方で燃えたそうです。
リー そうだね、だって俺のスタイルは日本のスタイルに似てるから。日本の戦い方が好きなんだ。
―初めて戦った時のことは覚えていますか？
リー ああ、覚えてる。３月だよ。めちゃくちゃイイ試合だった。アレナ・メヒコのたくさんのお客さんの前で、リング上に俺がいて、アイツがいて、なんだかどんどんヒートアップしていくんだ。向こうは俺のマスクを破るし、俺も熱くなるしで、とにかく熱い試合だった。
―同時にステップアップしていった自覚はある？
リー もちろんそうだよ。アイツが初めてメキシコに来た時は、俺はまだアレナ・メヒコのリングにすら上がってなかった。その４ヵ月後にまたやってきた時は、俺はレベル１の新人だった。向こうはレベル３ぐらいで。で、対戦するうちに俺もレベルが上がって同じになって、さらに対戦を重ねて一緒に有名になっていったんだ。
メキシコシティだけじゃなく、オアハカとかプエブラとか、もう本当にいろんな場所に行って何回も試合をしたよ。その後、アイツとマスカラ戦になって。
―見事勝利し、カマイタチとして活動していたヒロム選手の素顔を晒（さら）しましたね。
リー そう、２０１５年３月２０日だった。すごい試合ができたよ。アレナ・メヒコは人でいっぱいに埋まっていて、１万８千人は入ったって聞いているよ。
―後楽園ホールの１０倍以上じゃないですか！
リー ふふふ、しかもそこにいる人は全員ドラゴン・リーを応援していたからね！ その後に俺はチャンピオンになって、一度はヒロムにベルトを奪われたけど勝って取り戻して。その後、アイツはアメリカに行った。俺はメキシコに残り、もっとレベルを上げて大きな大会でメインを務めるぐらいのスターになった。一方でヒロムは、ここ日本でロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに入ってステップアップしてる。
俺はメキシコで、アイツはここで、やっぱり同じようにどんどん強くなっていったんだよ。アイツがメキシコにいる時から俺たちは本当に似ていたよ。
新日本プロレス“ルチャの祭典”ＦＡＮＴＡＳＴＩＣＡ ＭＡＮＩＡには２度目の登場（リング上ではスマートに見えるが至近距離だと腕の太さにビックリ！）
正直なところ勝てるかどうかわからない
―似ているとは、どのあたりが特に？
リー 強さかな。俺が勝てばアイツが勝つし、アイツが勝てば俺も勝つ。もう何百回も試合してるけど、対戦成績はホントに半々ぐらい。俺が上ってこともないし、アイツも上なわけじゃない。同じぐらいでやってきた。
―ふたりの試合は何が起こるかわからないので、ファンも興奮するんですよね。
リー ああ、そうだね。みんな楽しみにしてくれてた。２月１１日のタイトルマッチはすごく大事な試合だし、正直なところ勝てるかどうかわからない。でもすごく面白くなることだけは保証するよ。
―さて、新日本プロレスとは今後どんな関係を築いていきたい？
リー ＣＭＬＬと新日本がより良い関係を築いていってほしい。日本は好きだし、できればずっと来続けたい。ヒロムにもメキシコに来てほしいよ。ヒロムのファンはいっぱいいるしね。
―彼も「行ってもいい」と言っていました。
リー それ、すぐにでも実現すればいいな！
―では日本のファンにメッセージをお願いします。
リー オッケー。ファンでいてくれる皆さん！ ホントにいつも応援ありがとう。ヒロムだけじゃなく俺のことも見てくれて、ふたりの試合ごと応援してくれてありがとう。２月１１日の試合は間違いなくイイ試合になると思う！
―ヒロム選手にも言いたいことはありますか？
リー ないよ。
―ないんですか！？
リー リングの外でウダウダ言うのは好きじゃないんだ。俺は試合で見せる！
（取材・文・撮影／明知真理子 通訳／鈴木つどい）
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●ドラゴン・リー メキシコ最大の団体ＣＭＬＬで活躍するルチャドール（プロレスラー）。２０１４年１月デビュー、翌年４月には早くもＣＭＬＬ世界ライト級王座を獲得、現在も保持。２月５日から２月１１日まで新日本プロレス「戦国炎舞 －ＫＩＺＮＡ－ ＰＲＥＳＥＮＴＳ ＴＨＥ ＮＥＷ ＢＥＧＩＮＮＩＮＧ」に参戦予定。
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