5月29日、日本の女子プロレス界を代表する紫雷イオ選手が飯田橋のホテルで会見を開き、所属するスターダムからの退団を発表した。スターダム所属としては6月17日(日)後楽園ホールがラストマッチとなる。
あくまで退団会見ということで今後の活躍の場については明言を避けたが、かねてより世界最大の団体WWEからのオファーの噂が絶えない彼女だけに当然、アメリカ行きが予測されている。
スターダムのロッシー小川社長は「5年間、第一線でやってもらった」と労をねぎらいつつ「その時期が来たと実感している。大きな舞台でひと足飛びで成し遂げてほしい」と期待を寄せる。
当の紫雷イオも「スターダムのおかげでここまで来られた」とした上で、退団の理由としては「(若手が育ってきて)自分の目標を追いかけてもいいと思った」という。
その目標とは「自分のプロレスをよりたくさんの人に観てもらいたい」とのこと。
「本当にありがたいことにここ数年で紫雷イオが日本の女子プロレスでトップクラスだと言ってもらえたり、世界レベル、世界一との声もあり、すごく嬉しいし誇らしい気持ちでいっぱいですが、成長できたからこそ目標ができてきました。
自分自身としては11年、プロレスをやってきて、ふと振り返ると『自分には意外と時間がない』と思い、今回の結論に至りました」
その言葉通り、まさに現在の百花繚乱、女子プロレスブーム再燃と言っていい人気を牽引してきたのが彼女だ。女子プロレス大賞を史上初めて3度受賞し、自伝や写真集などを出版。週プレ本誌でも衝撃的なグラビアを披露、大反響を呼んだ。
バラエティ番組などTV出演も話題となり、その人気は海外のプロレス市場からしても、ついに“本命”が来た!と色めき立つことは想像に難しくない。中邑真輔のカリスマ的人気も然りだが、先に渡米しWWEデビューを果たした宝城カイリと比べても、日本での評価を考えると、当然ながらそれ以上の活躍が期待される。
それだけに、満を持してのプレッシャーもあるのではと思われるが…。
「自分のプロレスに自信はある半面、プレッシャーがないと言えば嘘になります。全く飛び込んだことのない世界にこれから挑もうとしているので…。ただ、ずっと私を成長させてくれたスターダムとロッシー小川社長が温かく送り出してくれたからには、それを裏切らない活躍を絶対しなきゃなっていう意気込みだけは、死ぬほどあります!」
近々、正式発表もされるはずだが、「2000年代になってからは一番活躍した選手」とロッシー小川社長も太鼓判を押す紫雷イオが、ついに世界に向けて一歩を踏み出す!
(取材・文・撮影/明智真理子)