2006年12月12日に『ニコニコ動画(仮)』がスタートしてから間もなく10年!
数々のアイドルやクリエイターなどを生み出し、視聴者をPCの前に釘づけにしたオバケコンテンツの誕生秘話と当時の熱気をインタビューでプレイバック!
第1弾・川上量生、第2弾・戀塚昭彦、第3弾・小林幸子、第4弾・鷲崎 健、第5弾・ルーツに続き、初期「踊ってみた」カテゴリーのナンバーワン踊り手、愛川こずえ(あいかわ・こずえ)が当時の熱気をふり返る!
■みんな素人だから生まれた一体感
―150作品以上もの「踊ってみた」動画を投稿…って改めてすごい数字ですね!?
愛川 始めた頃は暇だったんで、毎週投稿してました(笑)。ほかの踊り手さんや自分の動画も見直してたので、あのときは寝てる時間以外は基本ずっとニコ動を見てたかな。
―いつから人気を実感し始めましたか?
愛川 私を知ってくれる人がすごく増えたのは、オリジナル振り付けで踊った『ルカルカ★ナイトフィーバーを踊ってみた』だと思います。ただ、オリジナル振り付けがもっと流行ってても、逆にまったく誰もやってなくても、ここまでは伸びなかったと思うので、ホントにタイミングと運がよかったんだと。
―その後、人気踊り手のダンスユニット「DANCEROID」を結成しましたよね。
愛川 そうですね。原宿アストロホールで初めてワンマンライブをやったんですけど、お客さんがいっぱいいっぱいに入ってましたし、なんだか夢のような空間でした。
―当時の熱気はスゴかったんじゃないですか?
愛川 正直、初期の「DANCEROID」の頃は集客で悩んだことはなかったです。今はもっとお客さんに来てほしいなって思うことがあるんですけど(笑)。ふり返るとすごい贅沢(ぜいたく)してたんだなって思います。
―昔は再生回数のハネかたがハンパじゃなかったですもんね。
愛川 あの頃は「踊ってみた」自体が盛り上がってましたからね。当時はみんな素人で踊り手さんもお客さんもニコニコが好きな仲間だから、一体感があった気がします。
―というと、今は?
愛川 踊りのレベルが全体的に上がってますよね。撮影場所も編集も凝った“作品”って感じです。昔は全然違って、私もですが、元気だけのダンスを適当に家で撮って全部自分で編集したって動画がほとんど(笑)。
―どっちがいいですか?
愛川 どっちも好きですよ。ただ、昔の要素も少し残っててほしいですね! 今、私が16歳だったら、ちょっと投稿するのにハードルが高いし、人気もたぶん出なかったと思います。
―だとしたらどうなってた?
愛川 「踊ってみた」で活動し始めたときは高校も行ってなかったですし…ニコニコがなかったらたぶんニートになってたんじゃないかな(笑)。
―踊ってみるもんですね!
●愛川こずえ(あいかわ・こずえ) 不登校がちだった16歳の頃に踊り手デビュー。自身で振り付けを考えるなど初期「踊ってみた」シーンの代表的存在。現在はソロのほか、アイドルユニット「ILoVU」やニコ生主としても活動中。ILoVU 1stアルバム『脱皮宣言レボリューション』が発売&リリースツアー開催中。詳しくはHPで
(取材・文/武松佑季(A4studio) 撮影/下城英悟)