バラエティは素でやっていたというMEGUMIさん「産休があって、ホントに自分が好きなものはなんだろう?って」 バラエティは素でやっていたというMEGUMIさん「産休があって、ホントに自分が好きなものはなんだろう?って」

あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』

前回、歌手の元(はじめ)ちとせさんからご紹介いただいた第40回のゲストはタレント・女優のMEGUMIさん。

グラビア隆盛の時代に巨乳グラドルとしてブレイクすると、TVのバラエティでも奔放なキャラと大胆な発言で人気に。08年の結婚・出産後も精力的に活動し、現在は女優としても意欲的にドラマ・舞台へ出演。

前回は「気がついたらぶん投げられて…」というグラビアデビューからバラエティ進出まで“走り続けた10年”について伺ったがーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)

―僕も週プレの前は最初5年間、『月刊少年ジャンプ』で漫画の編集をやってるんです。漫画は好きだったけど、仕事で担当するとは思ってなかったから、最初は結構不満もあったというか。でも、周りがそれこそプロの本気の人たちがやってるから、しらけてられないし…。

MEGUMI ありますよね。そういうのが出ますからねぇ。

―どうこう言う前にやることやって、結果出してからじゃないと何も言えねーし認められないっていうのもあるじゃないですか。

MEGUMI だからまぁ自分はね、水着っていう形ですけど、いろんなきっかけにもなるし、喜ばれることはやっぱ嬉しいですから。今もそうですけど、みんなが喜んでくれてるんだったら、思ってたのとは違うけど、自分のいる場所みたいなのを用意してもらって、すごい楽しかったですし。

で、またそっからTVに進出していったり、ドラマにいったりとか、そういう道が拓(ひら)けていく感じもすごいあったんで。

―そこでやっぱり社長(当時のイエローキャブ、野田義治氏)の見抜く目というか、見てくれだけじゃなく中身で「こいつ、性根据(す)わってんな」とか「度胸あるな」って見極めも鋭かったんでしょうね。

MEGUMI それはやっぱね、性根が据わった巨乳が好きなんですよ。気合い系巨乳好きな人なんで(笑)。

―はははは(笑)。

MEGUMI ナヨナヨしてるのとかはたぶん、ホント苦手で。タイプ的にスパッとした女の人が好きなので、まぁそれは世の中の人にも受け入れていただけるようなキャラが多かったってことなんですかね。

―ちょっと、ひと筋縄ではいかないような…反発してくるぐらいの気の強さを負けん気にするぐらいじゃないとって。

MEGUMI そう。そういう一方で、でもおっぱい大きいから、なんかアンバランスな…母性というか、それはあるんですよね、みんな小池さんも含めてキャラ的に。(山田)まりやさんなんかも「女」なんですよ。「結婚しても子供産んでバリバリ働くわ」「ご飯も作るわ」みたいな。

―昔でいうと肝っ玉母さん的なね。

MEGUMI そうなんです。だけど、そこで専業主婦には行かない人が多くって、仕事も楽しくやって逞(たくま)しく生きてる。健やかに生きてる人が多いですよね、結果的に。

「仕事くるっしょ」って調子乗ってましたね

―皆さん、気っぷがいいというか、さっぱりしてる感じも共通してるなと。

MEGUMI さっぱりしてますねぇ、みんな。昔は若かったから尖(とが)って、「へん!」とかやってたけど、今はみんな「大丈夫? ご飯食べてる?」みたいな(笑)。「頑張ろーね」とか言って、すごいさばけた良いネエさんたちですよ、ホントに。

―それこそ、若かりし時代はいい意味でのライバル心とかもあったんでしょうけどね。

MEGUMI めっちゃありましたよ! やっぱり「あの雑誌出てる…」とか「ドラマ出たんだ!」って、若いから、もうみんなすごくって。だけど、撮影で一緒にハワイとか連れて行かれると、ライバル意識を持ちながらも水着はひとりじゃ着れなかったりして着せ合うみたいな。

そういう関係もあったりして、ホント体張ってみんなで乗り越えた感じはありますよね。だから、特別な人たちですよ、今思えば。

―酸いも甘いも、喜びも悲しみもというか。表現がすごいアレですけど、昔でいえば遊郭の女たちのようなギラギラと…。

MEGUMI ホントそんな感じ! 女郎系ですよ(笑)。全くその通りだと思います、うん…。だからやっぱ、今も演じる役とか私も艶(つや)やかな役もやるし、小池さんもそうだし、それこそ女郎の役とか結構きたりもするし。なんかね、みんなやっぱ女っぷりがいいというか。

―MEGUMIさんはどちらかというとバラエティで引っ張りだこで、そこで路線が分かれてきた感じもしたんですが、自分では「女優としても演技でも負けてらんない」という、忸怩(じくじ)たるものが?

MEGUMI そうですね。最初、急にドラマやる時とかは、ただただこなしていて「でも、ほっといても仕事くるだろ」みたいな気持ちで。正直、グラビアやってたし、バラエティもやって、若いからってだけで呼んでいただいてて。

だけど、やっぱり上手くもないし、努力もしてないし、生意気だったから、まぁ当たり前のようにオファーも減っていくわけですよね。で、バラエティは相変わらずやってるけど、なんかちょっとこのままだとマズいのかなっていうのは思ってたんですよ。

そん時に小池さんは映画とか舞台とか地道にね、やってるのもチラチラ見えていて。そんな中、自分が妊娠したんですよ。で、産休が何ヵ月かあって、これからどうすんだと。ホントに自分が当時、好きなものはなんだろう?ってなった時に、映画だったんですね、ポンと出てきたのが。

―その妊娠もやはりターニングポイントで、仕事についても見つめ直せた?

MEGUMI なんか、映画を観た時に「はぁ…」とか思うじゃないですか、魂が揺さぶられるみたいな。映画でも舞台でも、作ってる人たちがマジだから。自分もなんかそういうものに1コでも関われる人になりたいなって、その休んでた2ヵ月ぐらいに、ふわん!と出てきたんです。

で、「ちゃんと芝居を勉強しましょう」ってことで、マネージャーさんたちに「舞台やります」と。「年に1回必ず入れてください」っていうことを目標に掲げて。

「めっちゃライバル意識を持ちながらも水着は…」

―そこらへんが自分で事業予定を具現化し始めたという最初なんですね。

MEGUMI うん。そうしていくうちに「あ、自分は芝居が下手だったんだな」っていうことも初めて自覚して。周りの人はこんなに声が出て、こんなに上手くて。ていうことは、やっぱ小池さんってすごかったんだ…って。自分が調子に乗ってる間にずーっと地道にやってたんだなっていう姿がはっきり見えて。

―当初は「巨乳グラドルが何やってんだ」みたいなレッテルもある中、偏見とか先入観とも戦って、下積み的なね。それまで(自分はバラエティで上手いことやれてるな)ぐらいの感じで気づくこともなかった?

MEGUMI 調子に乗ってましたね。「大丈夫、(仕事)くるっしょ」って、「なんでもできるよ」みたいにぶっちゃけ思ってたんですが、当たり前のように芝居の仕事がガクンと減ったんですよ。やっぱ、ちゃんとできないのにやってるっていう嘘はバレますし。

でも、それもよかったんです。好きっていう気持ちがないとやっぱりお芝居ってダメだと思うんで。じゃあ私、映画観てるかっていうとそんなに観てなかったし。だから、いろんなものを見たり、感じたり、先生に習いに行ったりとかをそっから始めて。その間は「最近、仕事で見なくなった」とか言われてましたけど、実は忙しくて。舞台観たり、映画観たり。

―仕込みの時期でもあったんですね。

MEGUMI 子育てもしなきゃって、もうめまぐるしくて。まぁそん時、そう言われちゃうことが悔しかったけど、いつかちゃんといい作品に出れるような人になるって、ずっと信じてたので。今もその途中なんですけれども。

だから、舞台やって「どんだけできんの、おまえが?」っていう目線もわかるし、「面白くない」っていう人もいたりして、それはすごい悔しいけど。「これが世の中なんだ」っていうのも初めて知る感覚ではあったかな。TVって、意外と聞こえないですから、観てる方の声が。

…まぁでも、途中段階ですね、今は。ちゃんとした女優さんになれるように今やってる感じです。

―では、TVのバラエティでいうと、自分がそこで才能を発揮できたのは素(す)なんですか?

MEGUMI 素ですね、完全に。なんか小ちゃい時から、大人の中にひとりいて、大人を笑かすみたいな。そういう人だったんですよ。それはなぜかというと、うちのお母さん働いてて、父親もいなかったんで、近所のうちに預けられるわけですよね。「学校終わったら行っといて」って。で、その大人たちを喜ばせることによって、また預かってもらえるかもしれないみたいな。

別にそれは可哀想ってことでもなくて、普通にそれを感じ取ってやってたんだと思うんですよ。それが好きな性分というか。「努力して笑かさなきゃ」とかじゃなく、ふざけるのが好きみたいなところもあったんだと思うんですよね(笑)。

―そこで、いわゆる“おっさんキャラ”と評される下地も育まれたと。

MEGUMI そうですね。おっさん脳ですよね(笑)。やっぱり大人の中に子供ひとりだったんで、周りはおっさんもいたし、おばさんもいたんですけど。なんか、おっさんってふざけるんですよ。ふざける人多いじゃないですか?(笑)

おばさんもやっぱふざけるんですけど、そういう影響っていうのはあるかもしれないですね。それをなんか子供ながらに吸収して、バラエティとかに生かされてるっていうのもありますし。

「さんまさんとの出会いも大きかった」

―おっさん、おばさんは自分で言いたいこと言って自分で笑ってますからね。

MEGUMI そうそうそう(笑)。あと、私にとっては(明石家)さんまさんとの出会いも大きかったですね。まだ誰もMEGUMIなんか知らない時に、なんかわかんないけど「バカ!」みたいな感じで、さんまさんのこと言ったら、すっごいウケたんですよ。それって、さんまさんが笑ってくださったから、みんなも「笑っていいよ」みたいになって。

それから『恋のから騒ぎ』とか出るようになって、月9のプロデューサーがさんまさんとの絡みを見て、いいなって声をかけてくださったり。ポイントポイントでさんまさんのきっかけがすごく多いんですけど。…そう、だから、あんま無理してるっていうよりも、割とバラエティはホントに楽しいんですよ(笑)。好きですね、正直。

―実際、おっさんウケするのもあるでしょうし、そこで喜ばれるキャラが性に合うっていう。

MEGUMI うーん、ありますねぇ。今もご飯食べる人たちとか、やっぱ会社の社長だったり、おっさんですよね(笑)。なんか若いコと喋ってても、こっちが気を遣って「大丈夫かな?」とか思うんですけど、おっさんはもう酸いも甘いもわかってるから立ち回りも楽だし、一番盛り上がるっていうか。話も深いし、なんか潔いし。

―今、それでふと思いましたけど、はるな愛さんにもお友達で以前、出てもらってるんですよ。愛ちゃんもすごく仲がいいそうですけど、やっぱりそういうキャラじゃないですか?

MEGUMI そうですね。戦ってますからね、あの人もね。(大西=本名)賢示、頑張ってますよ。

―三茶のお好み焼き店なんかも経営されて、この間、使わせてもらいましたが。ほんと、なんにでも一生懸命で気遣いも半端ないなと。

MEGUMI 彼女はデビュー当時、ほんっとに毎晩のように遊んでて、お店もその時からやってたりもしたし、やっぱお互い夢があって、でも現実もしっかり生きてる感じがあって。もう愛ちゃんも、かなり濃い時期を過ごしましたね、ほんとに。あんなスターになると思わなかったんで、よかったなって。

―それこそ下積みであり、いろんな偏見とか苦労を経てるからこそ、あの人となりがね。

MEGUMI そう。でも愛ちゃんも私も偏見受けてるとか思ってないんですよね。それよりも「こうなりたい!」とか、がむしゃらにやってるから。最近はネットとかもありますけど、当時から、あの人がそういうのに悩んでるっていうのは一度も見たことないですね。

―そういうのを見せなさそうですよね。常に前向きで。

MEGUMI そうですね。かなり前向きなんで。

―そこもやっぱり相性が合うんでしょうね。

●続編⇒語っていいとも! 第40回ゲスト・MEGUMI「自分をゴキゲンにしとかないと全員が可哀想なことになっちゃう」

●MEGUMI 1981年9月25日生まれ、岡山県出身。2001年デビュー。持ち前のキャラクターで雑誌やTV番組、ドラマなどで活躍。近年は女優としての活動も目立ち、ドラマや映画、舞台など多岐にわたる作品に出演。昨年は金沢にカフェ『多聞』もオープン。芸能活動のみならず、多方面で活躍中。

(撮影/塔下智士)