あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』。
前回、歌手の元(はじめ)ちとせさんからご紹介いただいた第40回のゲストはタレント・女優のMEGUMIさん。
グラビア隆盛の時代に巨乳グラドルとしてブレイクすると、TVのバラエティでも奔放なキャラと大胆な発言で人気に。08年の結婚・出産後も精力的に活動し、現在は女優としても意欲的にドラマ・舞台へ出演。
そのデビューからバラエティ進出まで“走り続けた10年”について、さらに出産休業後の女優に目覚めた思いまでを前回は伺ったがーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)
―でも、その出産前後を経て、この仕事を辞めようとか、子育てに専念しようという考えも一切なかった?
MEGUMI いや、1回思ったんですよ、産む前に。このまま家庭に入ってもいいのかなって。で、いざ産休入ったら、3日でちょっと違うかもって。「あ、無理だな」と。「仕事しなきゃダメなんだな」って、もう3日目に決めちゃったんですよね。だから、2週間で復帰したのかな、産んで。
―そうでしたっけ!? すごいですね、そのスピード…!
MEGUMI またこれが、雑誌で声かけてくるのもすげぇなと思ったんですけど(笑)。もう、おっぱいがこんな張ってて、ちょっと母乳とか出ながらバラエティもちょいちょい出たりして。まぁ当時27だったんで、体力も今よりも全然あったし、そのまま復活して、すぐ連ドラもやって、みたいな。意外とがっつり働き始めましたね、すぐに。
―ブランクどうこうより、さっきも言ってた通り、また新たに女優も含めて先のステージを上がりたい、進みたいって意欲のほうがどんどん出てきて?
MEGUMI そう、やっぱりこの仕事が好きだったんだっていうことと、あとは呼んでくれるってありがたいなっていう。産休で休んでたのに呼んでくれたことへの意識のほうがすごく向いたというか。今までは走ってたから、あんまりそういうことが考えられなかったんですけど、「あ、呼ばれてるから働けるのね」っていう。
―求められてる、必要とされているありがたみにも気づけた…。
MEGUMI すごく。だから、止まってよかったですよね。ホント1ヵ月ぐらいでしたけど、いろんなことがやっと頭の中で整理整頓できて。これからはちょっと面白いこと言ったぐらいじゃ当たり前っていうか、全部を的確にこなしていかなきゃいけないっていうハードルが上がってるのも、すごく見えたし。昔みたいに何やっても許されるって感じでもなく。
自分が今置かれてる立場とか求められてる感じも勝手に変わるわけですよ。自分ではそんなつもりないけど「ママタレントとして」って、いきなり世の中の目線が変わるのもわかったし。
ただ、自分はちゃんとお芝居して、人の心に突き刺さる作品をやるっていうのが最終目的なので「じゃあ、これをやろう」「勉強しよう」「これはやらない」とか。そういうことを会社と話し合って、常に今もやるきっかけになった産休でしたね。
―気づきがないまま続けてたら、長くはやれてなかったかも?
MEGUMI そう。あと、今求められてることがズレてることもわかって、でもそれをやんないと生きていけない、やっぱ仕事をいただくこともありがたいからやるしって、そういうのを常に感じながら客観視できた感じですかね。
「しょっちゅうノイローゼになりますね(笑)」
―それこそ無駄に時間使ってらんないし、みたいなのもね。子育てしつつ、自分のプライベートも大事なわけで。
MEGUMI そうなんです。だからスケジューリングがもう命取りになることもあるので、どうやったら上手く回していけるかとかね。まぁ私が欲張りなんで、ご飯も作りたいし、キレイにもなりたいし、仕事もしたいし、たまには飲みたい!みたいなのもあるから(笑)。
それをやるには「じゃあここでご飯作っておいて」とか、また燃えるタイプなんで。そのスケジュール管理とかもノートに書いて試行錯誤しながら。あと、夫婦としての形もそうだし、うちの母親に対してもマネージャーさんに対しても、ここ5年ぐらいかけて形が最近できてきたって感じですかね。
―いろんな無駄を削ぎ落として…。
MEGUMI だから「これはじゃあ手に入んないんだな」とか「これは残念だけど行けない」って、その辺のバランス感が最初は取れなかったんですけど、だんだん形になってきて、心地よい空間、関係性になってる感じはしますよね。
―では実際、その形を見つけるまではなかなか思い通りにいかなかったり、仕事でも家庭でもジレンマを抱えたり、精神的なアップダウンが?
MEGUMI もう、しょっちゅうノイローゼになりますね(笑)。
―しょっちゅうですか(笑)。そこはまたA型的な。
MEGUMI ただ、そこからニュートラルに戻す方法も自分で習得したんですね。それが美容だったんです。面倒くさいんだけど、良い入浴剤入れて、お風呂で汗かいて出ると「あれ、何悩んでたんだっけ?」みたいな。だから、そういうことがいかに大事かっていう。
旅行に行けるわけじゃないし、日常で自分のリセットできることっていうのを5年かけて見つけたわけです。いい映画観るとか、酒飲んでもダメだったんですよ。酒飲んだら楽しいけど、次の日に罪悪感みたいなのもあるので「酒は楽しい時に飲みましょう」みたいな。
あとはマッサージをするとか運動するとか、ひとりですごい気持ちがいい場所に行って1時間、ぼーっとあえてしてみるとか。そういうこともなかなかできないので。この4パターンぐらいでノイローゼを元に戻すっていうのをやってます。
―絶対的に必要ですよね。オンとオフを切り替えて、ひとりになる時間も。
MEGUMI 3ヵ月に1回ぐらい「もう無理ー!」みたいになっちゃうので。それで旦那も子供もそうですし、周りにも迷惑かかっちゃうんで、自分をゴキゲンにしとかないと。意外と全員が可哀想なことになっちゃうので、ゴキゲンにする時間っていうのは相当使ってますね。
今日もそうなんですけど、髪の毛染めて。10日間限定なんですけど、次の作品までの間にこれも気分転換ですね。みんなビックリしてましたけど、「えー!」みたいな(笑)。
―いきなり、衝動的にやっちゃえーみたいな?
MEGUMI まぁでも染めれば戻るし。10日間だけでも自分がこれでハッピーになるんだったらいいかなと思って。だから、いろんなことやってます(笑)。
あいつは「ダメな母親に違いない」みたいな…
―すごくわかる気がします。僕もどっか小旅行したり、服を買うとかサウナ行くとかね。お酒もありですけど、ダウナーになるよくないお酒とか、ただベロベロになって後悔するってのもあるし。
MEGUMI そう。だから、旨い酒を飲むために働いて、日常を頑張ってるところもあって。それはいい感じに働いて、いい感じにお母さんもやって、いい感じに旦那さんとも仲良くやってないと旨くないんですよ。
―全く同意です(笑)。あと、やっぱり相手やシチュエーションですよね。
MEGUMI ホントにそう。なんか、昔はいろんなとこ顔出してましたけど、最近はそんなしょっちゅう飲めないし、相手をとっても選んじゃいますね。
―それこそ、こいつと酒飲んで無駄な時間を潰してらんねーんだよ!って(笑)。
MEGUMI そうなんですよ。ネガティブなことばっかり言う人とか、もう無理だし。「酒飲まねーのかよ!」みたいな人もいるしね(笑)。ちょうどいい人って意外とそんなにいなかったりするから、そん中でもいてくれるお友達はすごい貴重だなと思って大事にしてますね。
―でも、ホントそれだけ忙しくて、時間のやりくりが大変な中でよっぽどですよね? 飲んだり、ご飯食べる相手って…。
MEGUMI 今はもう月に3人か4人ですからね、チャンスは。やっぱ普通にそうなんで…。
―実際そうですよね。ある意味、ちょっと安心しました(笑)。その交友の広さでいちいち誘われたり、つきあってたらと…。
MEGUMI ねぇ(笑)。子供どうなんだ?っていう。あいつは髪も赤いし「ダメな母親に違いない」みたいなね。
―ははは。「子供ほっぽり出して飲んだくれてんじゃ?」とかって。
MEGUMI ホントですよ。でも意外とそんなもんです。普通にお母ちゃんなんで、やっぱりね、誘っていただいても行けないこともあるけど。ま、「もうすぐ手離れるからね」と思って。
今、もう8歳なんで、高1ぐらいになったら泊まりに行くらしいんですよ、いろんなところに。だからそう思うと、「あと、7年ぐらいかな」ってカウントダウンして。この間、それで切なくなっちゃったんですけど。「まぁそれまでは月3回ぐらいでもいっか」っていう。
―その3回がまた逆に大事な3回になって。相手との貴重な時間ですからね。
MEGUMI そうなんです。だから毎回、すっごいホントに良い酒を今は飲んでいて。いろんなことが重なる、人生MAXに忙しいんですけど、これを「充実」と呼ぶんだろうなみたいな感じで今はやってますね。
次回ゲストは抜群に面白い“バラエティの神”…
―なんか、すごい飲み友達の順番待ちの列が並んでそうですけど(笑)。
MEGUMI いやいやいや、そんなこともないです。でもタイミング合う人って、いるじゃないですか? 「別に今日じゃなかったんだよな」っていう時と、明日は仕事休みで子供もOKで、そこで誘われたら、もうそれだけでなんかキューン!みたいなね。やったー!みたいな感じで。
だから、元(ちとせ)ネエさんと飲めるのなんかとっても貴重で、お互いに忙しいから、やっぱすごくその分、話が深~くなっちゃうというか。それがとっても心地がいいと言いますか。
―(笑)。ほんと、そんなお忙しい中、貴重な時間をいただいて。そろそろお時間ということで、次のお友達なんですが。坂下千里子さんでというお話で…。
MEGUMI そうなんですよ。坂下さんもやっぱりもうつきあいが長くて、同じくバラエティの世界にいて。あの人はやっぱね、抜群に面白いんです。バラエティの神だと思う。普通にデパート行くだけで、店員さんが笑い死にしそうになるんだから(笑)。もうね、あんな人いないと思うんですよ。
―それはただ天然っていうことでもなく?
MEGUMI ツッコんでますよ~。全然ただボケてるだけじゃないです。
―頭の良さを感じるんですね。最近は会ったりは?
MEGUMI あー、お互い忙しいんでなかなかねぇ。「また、あそこの寿司行きましょう」って言っといてください。
―わかりました。では繋げさせていただきます! 本日はありがとうございました。
★語っていいとも! 第41回ゲスト・坂下千里子「政治は好きなんで…立候補するとかは全然ないですよ!」
●MEGUMI 1981年9月25日生まれ、岡山県出身。2001年デビュー。持ち前のキャラクターで雑誌やTV番組、ドラマなどで活躍。近年は女優としての活動も目立ち、ドラマや映画、舞台など多岐にわたる作品に出演。昨年は金沢にカフェ『多聞』もオープン。芸能活動のみならず、多方面で活躍中。
(撮影/塔下智士)