あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』。
前回、脚本・演出家の家城啓之(元芸人・マンボウやしろ)さんからご紹介いただいた第48回のゲストは芸人で平成ノブシコブシの吉村崇さん。
ハイテンションな「破天荒キャラ」を確立し、TVのバラエティ番組でも幅広く活躍。15年には2千万円のBMW・i8を所属するよしもとに借金した上、分割購入したことでも話題となった。
この日も番組収録の忙しい合間に楽屋で“破天荒”トークが絶好調、前回はそのクルマのエピソードで、後輩である渡辺直美さんにまつわる裏話なども明かされたがーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)
―確かに、今の草食というか若い世代はそこも無理しないようで。男はカッコつけて、見栄張ってなんぼみたいな所で生きてきた昭和世代としてはツマらなさもね…。
吉村 僕がゆとりの入り口ぐらいの歳で、下は結構ゆとりなんですよ。それもラッキーと思いますけどね。やっぱり、草食で上昇志向もあんまりないってことはライバルがいないワケじゃないですか。
奪い合う女も地位もないから、ラッキーだなと。そいつらみんな、どんどん草食になってほしいですけどね。そしたら俺だけひとりでレース参加するから。
―(笑)それで今、女のコからすると年齢差とかも関係なくなってね。だいぶ年上のおじさんでも逆に付き合えるみたいな。その辺の女子大生に聞いても、みんな平気で10~20コ上と付き合ったことあるみたいな話ですから。
吉村 50歳が20歳と付き合ったりってざらにありますもんね。僕、37ですけど、平気でモテますよ、本当に。草食男子のおかげで、キミたちは俺らにただトスを上げてるんだっていう。
―まぁ僕が50歳になりまして。身体的にはいろいろガタも出てきて愕(がく)然とするわけですが。そこで、がっつかないのも大人みたいな。
吉村 ちょうどいいペースになるんですかね。まぁ俺はもうセックス大好きですから。点滴でアルギニン打ってでも、やっぱ入れとかないとって。
―(笑)そう言える年齢でお金使えるようになってるのも理想ですね。
吉村 ラッキーでしたね。いや、みんな借金すればいいんですよ。で、僕なんか、おそらく人生で最大、最後の夢が見つかったんです。無人島買おうと思って。
―いきなりスケールでかすぎ!(笑) みんな先々のためにお金溜めて、年金は大丈夫かって心配してるのに反して…。
吉村 はい。僕は買って開拓したいんです。もうイビサとかカンクンとか、そういうエロい国みたいな、爆音鳴って光ギラギラの島を作るのが最後の夢ですね。
―(笑)ちなみにイビサとかは行ったことあるんですか?
吉村 ないです。ネットで見た情報だけで、いいなぁとか思います。僕、仕事でよく行ったのがどっかの部族とか。真逆のところ行ってたんで。そのストレスもあるんですかね。
―じゃあ、そういうパラダイスに飢餓感があるんですね。
吉村 はい。なんか今、おとなしいなと思って、日本。でもなんかあれば、やっぱり集まったりするんで、毎日それを爆音鳴らしてやりゃあいいんじゃないかと。で、島買ってクレーム来ないところに。
なんかもっとバブルをね、再現したいというか。僕、あれイヤなんですよ、失われた20年って言われるのが。俺の人生、勝手に20年なかったことにすんなよっていう、むかつきがあるんで。ふざけんじゃねえよと思って。
「周り見たらほとんど抱いてない」
―勝手に10代の青春時代から失われたことにされて(笑)。
吉村 はい。だから、俺たちにバブルが来ねえんだったら作っちゃえと。上手いこと全部いけば、メシ食えない同期の芸人とかと一緒に開拓して、色気のあるエロい島作れたらなぁと。開拓はタンクトップで行く予定ですから。
―それは家城さんも便乗してきそうですけど(笑)。
吉村 家城さんはね、知恵ありますけど、さっきも言った通り、それ以外はないから役に立たないです。ただダラダラって。…まぁ今の立場が成立してから来てほしいですね。上客にはなると思うんで。
―選ばれし民として、その時に招待される身にならないと?
吉村 まぁこっちもその身分になれればなぁと思って、今ちょっと微力ながら動いてるんですけど。いろんな無人島調べてみたりとか。でも、無人島はローンが組めないって落とし穴もあったんでね。一括じゃないとダメっていう。
―へーっ。結構、本気なんですね!?
吉村 今、調べてるんすよ。ほんと欲しいんで。やっぱ日本で作りたいですね、東京地域で。沖縄とか瀬戸内海とかはあるんですけど、関東はなかなか出してないんですよ。所有者が手放さないというか。
青ヶ島って、ほんともう、すごいゲームの世界に出てくるような島があるんですけど、それは人が120人ぐらい住んでるんです。そこ追い出したほうが早いんじゃねえかなとか、自分の欲のために、もういろいろ考えてますよ。
―そういえばサバイバルゲームもお好きなんですよね?
吉村 今はあんまりやってないですけど、前やってました。そういうフィールドもあっていいですよね。で、円と仮想通貨が使えるようなバカみたいな島にできたらなぁみたいな。
―なんか島の奪い合いになったりして…映画の『バトル・ロワイアル』みたいな生き死にが(笑)。で、そこに連れて行くプリンセスは事前に特定せず?
吉村 女性ですか? いや、定めるなんてもったいないじゃないですか。まだ地球上の9割9分9厘ぐらいの女性とは出会ってないワケですから。定める必要ないですよね。
―それちょっとブルゾンちえみさん的な(笑)。
吉村 ははは、いや本当ですよ。だって街歩いてても、こいつ抱いてねえなっていう人がいっぱいいますからね。焦っちゃいますよ。
―え、そういう目で常に映ってるんですか? 吉村アイには…。
吉村 そうですね。なんかこう、ありがたいことにTV出させていただいて、多少モテたりするわけじゃないですか。でも、いざどっかの駅で降りても、周り見たらほとんど抱いてないわけですよ。何を俺は偉そうにと思いましたから。天狗になってる場合じゃないなと。
「ブスは時代を変えられるんだな」
―ほとんどって(笑)。そんなに抱けるんですか?
吉村 いや抱けないですよ。また相重なってこのキャラがね…。
―実は僕が周りからストライクゾーンの狭い男と認知されてまして。一応、据え膳を食わないタイプということになってるんですが(笑)。
吉村 あ、僕は広いです。草野球ですからストライクゾーン、どこ投げても入りますよ(笑)。もう据え膳ばっかりですね。
―『ドカベン』の岩鬼みたいな(笑)。ビーンボールでも打てちゃう。
吉村 はい、岩鬼系です(笑)。それはしょうがないですよね、やっぱ。駅降りたらゾーンに入ってくるんで。あぁ、あの人、知らないなーとか。ヤれない美人よりヤれるブスっていうのが僕の格言ですから。
―ははは、それはほんと打率のいい人のお手本ですよ。
吉村 僕は昔っからそうですね、はい。なんか楽しいですけどね。こんなこと言うのもあれですけど、ブスにも優しくなるわけじゃないですか(笑)。ってなると、やっぱ美人ともできるんですよ。「あの人、あんなブスにも優しいんだ」っていう(笑)。
―(笑)なるほど。僕が大学時代の頃ってバブルの最後の時期で。合コンでも周りは肉食で露骨にカワイいコの隣を奪い合うんですけど。自分はそういうのが苦手で…。そういう対象になってないコと喋ってると、意外と好感度が上がるという。そういうことですよね?
吉村 はいはいはい。そうなんですよ。で、ブスって…こんなにブスブス言っていいのかわからないんですけど(笑)、美人を側に置くんですよ。まぁ美人がブスを置いてるんですかね? だから、なんか出会えますよね。
―ドラマでも女のコの仲良しグループだとそのパターンですよね(笑)。
吉村 でも僕、別にブスも嫌いじゃないんですよ。結局、顔じゃないっていうか…ヤッてる最中ってもう関係なくないですか? 美人も何度かね、相手させていただきましたけど。やっぱ下手クソですよね(笑)。
ブスのほうが上手いというか、なんかエロいんですよね。男で言うと、やっぱイケメンがセックス下手クソみたいなところもあって。
―あははは。美人は漫然と相手任せで。マグロになりやすい?
吉村 そうそう、ブサイクのほうが努力しますから。フォローしないといけないのが、やっぱ宿命じゃないですか。それはもう本当やってくれますよね。逆に、下手クソなブスいた時は殺してやろうかなって(笑)。なんだよ、これっていう。そのリスクはありますね。
―あとブサイクで卑屈だと、ちょっとツラいものがありますよね。
吉村 はい。だから極端な世界にいると思うんです。女性に関して言ったら僕もね。業界に超絶美人がいっぱいいるわけじゃないですか。地元のトップクラスの中でも選ばれた人たちが。で、超絶ブスもいっぱいいるわけですよ、芸人でも。
で、思ったのが、美人って時代は創れるけど、ブスは時代を変えられるんだなっていう。
「クセ強いんですよ、業界の人って」
―いきなり、なんか名言ですね(笑)。
吉村 はい。美人があんまり時代を変えるとこを見たことないんですよ。でも、(渡辺)直美であったり、近藤(春菜)であったり、大島(美幸)さんであったり、変えてきたんですよね。やっぱ見た時に、あぁ面白いなぁって。だからブスが嫌いじゃないんですよ。
―その3人を同じ枠に入れちゃいますか(笑)。確かに、大貧民的に逆転させちゃうというか。自分を武器にエネルギッシュですよね。それが周りにも影響を与えて。
吉村 ほんとそうなんですよ。だからブスが地球を操ってるんですよ、結果(笑)。
―地球を回してるのは彼女たちだと(笑)。
吉村 そうです(笑)。そう考えたらブスも才能なんだなと思いますよね。
―いや、こんだけブスブス言って、でも持ち上げてるという(笑)。吉村さんの発言って、TVとかでもどれくらい自制してるんですか? 結構、バランスとってる印象はあるんですけど。
吉村 あー、でもこれ、まずひとりっ子にありがちなんですって。周りに兄弟いない、大人しかいないから、話を合わせる癖ができるっていう。話を壊さないとか、その会話を成立させるっていう延長上だと思うんです。だから、自分の意見もあんまり言わないですよね。
―ひとりっ子だったとは! 実は、僕もそうなんです。確かに子供の頃から周りにいる大人の様子を窺うというか。自分がどういう立ち位置でいたらいいのか?とかウォッチするのが当たり前になってしまい…。
吉村 そうなんです。ほんと顔色窺いますね。だから、自分で思ってないことも平気で言えますし。僕はたぶん、芸人というよりは“成立屋”ですね。
―好き勝手言っているようで、ちゃんとバランスとってる。
吉村 はい。やっぱね、クセ強いんですよ、業界の人って。なんでこんな自分の意見曲げねぇんだっていう。楽しくやろうぜってのができない人いっぱいいるわけじゃないですか。で、芸人がそれできるから、まぁやってるだけで。
―ひとりっ子でも、周りが許される相手だと自己主張しがちですけどね(笑)。
吉村 それはありますね。だからこういう風に好き勝手言っていいんだっていう時には言えますけど。バランスとるようにしてますね。それが仕事かなっていうか。また楽しいんですけどね。
●続編⇒語っていいとも! 第48回ゲスト・吉村崇「不倫が悪いんじゃなく、してない人がすごいんだって…」
(撮影/塔下智士)
●吉村崇(よしむら・たかし) 1980年生まれ、北海道出身。お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」のボケ担当。高校時代にお笑い番組を見て芸人を志し、上京。2000年、共に東京NSC5期生であった徳井健太とコンビを結成。漫才・コントではハイテンションな「破天荒キャラ」を確立。15年には2千万円のBMW・i8を分割購入。同年に「日本ベスト・カー・フレンド賞」を受賞。現在は『くりぃむクイズ ミラクル9』『ノンストップ!』などTV番組を中心に活躍。