フェリーでコタキナバルへ向かう途中に訪れたラブアン島にて

インドネシアをじっくり周遊し、ブルネイも訪れた今回の旅。最後に立ち寄ったのが、ボルネオ島のマレーシア領・コタキナバルだ。

マリンリゾートやキナバル山で知られ、実は日本から最も近いマレーシアの都市ということで日本からの観光客も多く、帰国の経由にちょうど良い。今いるブルネイからはフェリーで国境越えができるため、私は早朝ブルネイの港へ向かった。

ブルネイではシンガポールドルが使えるとのことで、私は手元にある残金のシンガポールドルとブルネイドルをミックスしたものを券売所で差し出してみた。本当に使えるのか、しかも混合で、と不安であったが何事もなくクリア。ちょっと感動した。

フェリーでの移動は、まず1時間ほどでマレーシアのラブアン島に着き、3時間のトランジットの後、3時間の航海でコタキナバルに到着する。

船内には漢字で「海王高速艇」と書かれていて、思わず「海賊王に俺はなる!」と言いたくなる

まずはラブアン島の港に着くと、そこは免税の島。免税店にはズラリとお酒が並び、禁酒国ブルネイから来るとギャップを感じる。

缶ビールも安く1杯やりたくなるが、私が購入したのは免税とは無関係のタピオカミルクティー。日本で爆発的人気のタピオカミルクティーは、ラブアン島ではなんとたったの2リンギット(約50円)。日本だと10倍くらいの値段で「タピオカ商売はボロ儲け」とはよく聞くが、それに比べるとめちゃくちゃお得な気がしてならない。

それから大好きなマレーシアのローカルフード「コロミー」(チャーシューとそぼろにネギが乗った油まぜそば)をランチに食べて、またフェリーへ乗り込んだ。

激安タピオカミルクティー! モチモチでおいしい!

ランチに食べたのはコロミー。マレーシアのローカルグルメ大好き!

ラブアン島の街中

いよいよコタキナバルの港に到着すると、そこはちょうどマリンアクティビティーを終えて帰ってきた人たちで賑わっていた。

ここからサピ島、マヌカン島などへのアイランドホッピングも人気で、シュノーケルなどを楽しむことができる。しかし、すでにインドネシアで超絶美しい海を堪能しまくった私は、何か他の見どころを探していた。

メインストリートのトゥン・ファド・ステファン通りを歩いてみると、ショッピングモールやアートなどがあり、まあまあ都会的だが特別なものは見つからず、お土産屋のおばちゃんと雑談するくらい。

「へぇ! あんた一人旅かい? よくやるねぇ。あたしゃ怖くてできないよ! 結婚は?」

「してません」

モール内でまたタピオカミルクティーを売っていたので、この国にいるうちにいっぱい飲んでおこうと再びタピる。太りそう。

ストリートアートも見られるコタキナバルの街並み

ミディアムサイズのミルクティーにタピオカを追加

お土産屋のおばちゃん。一人旅なんて怖くてできないとずっと言っていた

結局、街を一周したがやることがないので、"裏技"を使うことにした。ホテル遊びだ。

普段バックパッカー旅で高級なホテルに宿泊することは少ないが、お世話になることはちょこちょこある。

インドネシアのロンボク島ではリゾートホテルのラウンジからの絶景を楽しんだり、アブダビでは豪華ホテルのロビーで金箔コーヒーや金箔アイスを堪能したり、ナミビアでは優良なWi-fiをお借りさせてもらったり。

(ちなみに、私はたくさん旅をするためにバックパッカーというスタイルを取っているが、特に安宿や車中泊や野宿が好きなワケではない。どちらかというと"ホテル大好き人間"である)

今回コタキナバルでは、港から徒歩2分のところにあるグランディスホテルのスカイバーにプールやジムがあり、プールバーで30リンギット(約780円)以上使うと利用できるというので行ってみた。

すると、お客はゼロで貸切状態。旅の最後を締めくくるのにふさわしい、ラッキーなシチュエーションだった。

私は目の前に広がる南シナ海の島々を独り占めしながら、久々のビールで乾杯! 海を眺めながら、ぼんやりと旅を振り返った。

海を眺めながらのビールは最高! 空に浮かぶ雲をビールの泡に見立ててみました

貸切状態のプール

貸切状態のジム

フリージム&プール。こういうシステムありがたい!

これが最後の旅かなぁ......っていつも"閉店セール"みたいなこと言ってるけど、きっとまた旅の病が発症するんだろうなぁ。

でも、いいかげん結婚とかこの先の人生も考えないとだし、どうしようかなぁ。そういえばインドネシアで2回もプロポーズされたっけ。インドネシアに移住した友達幸せそうだったし、そういう人生もありかも?

海は最高にきれいだし、ご飯も美味しい。なんといっても物価が安いし、家賃も安くてプール付きとか優雅だよなぁ......」

太陽の下で悶々として頭から湯気が出そうだったので、泳いで熱を冷ますことにした。

長いことプールを占領してると、バーテンさんに「サンセットもきれいだからまたおいでね?」と言われたが、サンセットは安宿の同室に泊まるポーランド女子・カトリーヌに誘われていた。

ふたりで丘を登りながら、国籍は違えど女子がそろうと盛り上がるのは恋愛トーク。彼女が言った。

「旅と恋愛の両立って難しいよね。私たちは旅に出ちゃうから恋愛が持続できなかったりする。でも旅に出て後悔はないよね!

私はこう答えた。

「うん。でもちょっと、1回帰国して、婚活はさむわ

なんつって。とりあえず、いったん日本帰ります。

カトリーヌと夕日を見に丘へ登ると現地の人々に囲まれた

丘の上からより漁港から見たサンセットの方がきれいだった

【This week's BLUE】
快適な空の旅。日本に帰国してまた次の旅の作戦を練るか。

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●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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