皆さん、こんにちは! 旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。

さて、旅のプレイバック、第1弾の「岩フェチがおくる世界の奇岩編」に続く第2弾は「青い絶景編」! 私が世界一周を始めた当初は「ブルーハンター」として世界の青いものを探すことを旅のテーマとしていましたが、この世には想像以上に美しい"青の世界"がありました。

今回はその中からお気に入りの絶景をお届けしたいと思います。ではさっそくいってみましょう、イッツ・ア・ブルーワールド!

■まるで『アナ雪』の世界。ペリト・モレノ氷河(アルゼンチン)

まるで『アナ雪』の世界のようなペリト・モレノ氷河

南米アルゼンチンのパタゴニア地方にある世界自然遺産「ロス・グラシアレス国立公園」のペリト・モレノ氷河は旅人憧れの大絶景!

南極、グリーンランドに次いで世界3番目の氷河面積を持ち、全長約35km、表面積195k㎡、先端部分の幅5km、高さ平均60m。目の前で「ゴゴゴゴゴ......」という轟音とともに崩落する氷河の様子は迫力満点です!

どこまでも続くペリト・モレノ氷河

地球温暖化で地球上の氷河が小さくなる中、ペリト・モレノ氷河は成長と崩壊を繰り返しほぼ大きさが変わらないんだとか。別名「生きた氷河」! カッコイイ!

現地にはいくつかのツアーがありますが、実際に目で見て耳で聞いて、さらに氷河の上を歩くという体験は最高にエキサイティング。

そして「ガリガリ君みたい」という表現で旅人にこすられまくってきたペリト・モレノ氷河ですが、ツアーではトレッキングの最後にウイスキーの氷河ロックが配られ味わうこともできます。

「これが絶景の味......!」

氷河からの湧水、飲めます!

ウイスキー氷河ロック

■宝石のような不思議な青。ヨークルスアゥルロゥン氷河湖(アイスランド)

ヨークルスアゥルロゥン氷河湖

アイスランドの旅で絶対に外せないのが南西部にあるゴールデンサークル。大陸プレートの割れ目や間欠泉、滝など、アイスランドを代表する観光名所がまとまっている必見のエリアです。

その中のひとつ「ヨークルスアゥルロゥン氷河湖」は『007』や『トゥームレイダー』のロケ地としても知られているアイスランド最大の氷河湖。遠くからどんぶらことやってくる流氷はまるでソーダ味のアイスキャンディーのような色をしています(それはつまりガリガリ君ブルー)。

打ち上げられた流氷

そして運が良ければ、時々水面からひょっこりと顔を出すアザラシに遭遇できるかも。

近くにはアイスビーチ(ダイヤモンドビーチ)と呼ばれる砂浜があり、打ち上げられた流氷はまるで大きな宝石のようで、指輪にしたいくらいです。

流氷を拾って大喜びの旅人

宝石のような不思議な青

■青の街シャウエン(モロッコ)

当コラムの記念すべき第100回で登場した「おとぎの国」とも称されるモロッコ北部の街「シャウエン」。元々はポルトガルの侵略と戦うためにつくられた小さな要塞だったそうですが、街中がすべて青く塗られ幻想的な世界が広がっています。

街が青い理由は「蚊よけ効果」「まぶしさ回避」など諸説ありますが、「ユダヤ教にとって神聖な色だったから」というのが有力だとか。

モロッコの民族衣装「ジュラバ」を着た人々

街中にはトンガリ帽子のフードが付いた民族衣装「ジュラバ」を着た男性が多く、その姿はまるで魔法使いのようでした。これによって街のメルヘン度が増しています。

そしてなぜだか猫がとても多いのですが、魔法使いの手下でしょうか。この街を撮影するのに良い被写体となってくれます。エサあげたろか。

とにかく猫が多い

丘の上から見た青の街シャウエン

■青の都サマルカンド(ウズベキスタン)

中央広場のティラカリメドレセ

ウズベキスタン最大の観光都市「青の都」サマルカンド。青いタイルで彩られた歴史的建築物が美しく異国情緒にあふれています。

必見はレギスタン広場の3つのメドレセ(神学校)。そのうちのひとつ「シェルドル・メドレセ」にはタブーとされている偶像崇拝(動物と人面)が見られるが、支配者の権力を誇示するために描かれた異例のものなのだとか。

レギスタン広場の3つのメドレセ(神学校)

ほかにもティムールの親族や王朝関係者の霊廟やモスクのある「シャーヒズィンダ廟群」や、ティムール帝国の創始者ティムールの一族が葬られたお墓「グーリ・アミール廟」など、青いタイルの繊細なモザイクデザインが美しく、ウットリと見惚れてしまいます。

「グーリ・アミール廟」のデザインは後に、インドのタージ・マハル廟のモデルにもなったそうだけど、世界のお墓は豪華絢爛です!

ティムールの親族や王朝の霊廟やモスクなど

「グーリ・アミール廟」

■"鏡張り"が美しい。ウユニ塩湖(ボリビア)

朝日が昇り始めるウユニ塩湖

世界の絶景の中でもトップオブトップに君臨する南米ボリビアのウユニ塩湖。標高は約3700mと富士山と同じ、広さは岐阜県と同じくらい。はるか昔にアンデス山脈が隆起したとき、山の上に残った海水が干上がって残った塩が固まってできました。

ウユニ塩湖のシーズンといえば、「鏡張りなら雨季(11~3月)」「トリック写真なら乾季(4~11月)」と言われています。

雨季の「天空の鏡」の絶景は、湖の状態や風や雲など条件が整えば空が湖に映り込み、鏡のような美しい光景が見られます。一方、乾期は一面真っ白な大地で遠近法を利用したトリック写真が撮影できます。

天地がひとつになり太陽が出来上がりました

逆光と水面の波紋で鏡張りが弱いですが、果てしない塩湖が美しい

私が行ったのは4月末で、雨季の景色は諦めていましたが、現地に行くと「まだ水が張っている」との噂が浮上。ドライバーさんが水溜りを必死に探してくれたおかげで鏡張りも見ることができました! ポイントを熟知した良いドライバーさんに当たることが鍵で、中には

「10月以外は鏡張り見れるよ」

と言う兵(つわもの)もいました。真偽は定かではありませんが、限られた日数で観光する旅人にとってこれが本当なら朗報ですよね。そしてなぜか日本人や韓国人は鏡張りを好み、欧米や西洋人は乾期を好むとか。

トリック写真で旅友に踏まれているマリーシャ

以上、今回は私が旅で特にこだわっていた青の絶景を紹介させていただきました! 心を洗われるような景色で、気持ち良く年越しをお迎えください!

★明日(29日)は、絶景島ビーチ編をお届けします

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTube【https://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew

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