
山下メロ
やました・めろ
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1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、平成レトロの定番であるガラケー。その中で特に象徴的なのがINFOBARです。不規則なカラーリングが印象的なNISHIKIGOIは衝撃的でした。人気となり後継のINFOBAR2まで発売。今回は、その後の「スマホ展開」についてお話しします。
INFOBARといえば、ふたつ折り携帯電話の全盛期である2003年に、あえてストレート端末で発売されました。それもあってINFOBAR=ガラケーのイメージが強いでしょう。では、本体が薄型化されて前面はほぼディスプレー、個性的なデザインにしづらいスマホで、どのようにシリーズを展開したのでしょうか。
シャープ製。初代スマホ版INFOBAR、A01(2011年)
最初のINFOBARスマホは11年に発売されたA01。この時代のAndroidは、画面の下に3つの物理ボタンを配置するのが特徴で、そのボタンがガラケー版と同じ3色になっているだけ。不規則な色の配置や市松模様はありません。
では、どこがINFOBARらしさかといえば、大きな画面に表示されるシステムのデザインにその世界観が継承されているのです。翌12年には、物理テンキーがついたC01も発売され、ガラケー版を踏襲した不規則な色配置が実現しています。
13年には3代目のINFOBARスマホとなるA02が発売。物理ボタンが排除され、サイドボタンと本体の色がINFOBAR的になっているだけ。A01と同じく画面上のデザインにINFOBARらしさが出た仕様になっています。15年には少しメタリックなA03が発売。こちらでは前面ボタンが復活しました。
京セラ製のxv(2018年)。以上、すべてがAndroid端末としてauから発売されている
そして、18年に発売されたINFOBAR xvは、機能や操作感でガラケー寄りのスマホ「ガラホ」として登場。デザイン面で曲面のあるINFOBAR2にとても似たものになったのです。
スマホ版INFOBARを知っている人でも、さすがにガラケー時代の倍も機種が出ていたことは知らない人も多いのではないでしょうか。