「年初のアジア杯では優勝候補筆頭と言われながらベスト8敗退。僕の頭の中にはあの悪いイメージがまだ残っているんだよ。それを吹き飛ばしてほしいね」 「年初のアジア杯では優勝候補筆頭と言われながらベスト8敗退。僕の頭の中にはあの悪いイメージがまだ残っているんだよ。それを吹き飛ばしてほしいね」

2026年北中米Wアジア最終予選の組み合わせが決まった。

日本が入ったのはオーストラリア、サウジアラビア、バーレーン、中国、インドネシアがいるC組。各組上位2チームが出場権を手にし、34位がプレーオフに回る。

今大会からアジアの出場枠は8.5に増えたけど、まずは今までと同じ4.5枠だと思って2位以内での本大会出場を目指してほしいね。本大会でベスト8以上を目指している国がプレーオフに回るわけにはいかないでしょ。

力関係を考えれば、日本、オーストラリア、サウジの3ヵ国で2枠を争う展開になるのは間違いない。ほかの3ヵ国(バーレーン、中国、インドネシア)との差はそれだけ大きい。

なんと、オーストラリアとは過去5大会連続で最終予選の同組、サウジとも今回で3大会連続の同組。つまり、3大会連続でこの3チームで上位2ヵ国に与えられるW杯出場権を争うわけだ。因縁の三つどもえだね。

お互いを知り尽くしている分やりにくさはあるだろう。それでも年初のアジア杯で負けたイラク、同じくアジア杯で優勝したカタールと戦うよりは良かったんじゃないかな。

オーストラリアはどちらかというと欧州スタイルのサッカーで、最近はパス主体のポゼッションサッカーをやっている。パスをつないでくれれば、日本が得意としている前線からのプレスが生きるし、ショートカウンターも狙える。

いつも僅差の勝負になるけど、過去2大会の最終予選では日本の31分けと嫌なイメージはない。

一方、怖いのはサウジだ。34W杯の開催地に立候補しており、国を挙げて強化に力を入れている。国内リーグにはクリスティアーノ・ロナウド、ネイマールなど世界のスター選手を集め、AFCチャンピオンズリーグでもアルヒラルがここ5年間で3回決勝に進出、2回優勝するなど近年の成長は際立っている。

中東勢特有のボール際の激しさに加え、小柄だけどスピードのあるウイングの仕掛けもある。また、ホームではサポーターの後押しも大きい。過去2大会の予選でも、日本とは22敗の五分。お互いにホームで勝って、アウェーで負けている。

今の日本の守備はどんな相手でもある程度は計算できる。大崩れは考えにくい。だから、最終予選突破のカギを握るのは攻撃陣。2次予選とはレベルの違う相手にどれだけチャンスをつくり、得点を奪えるか。

僕が特に期待したいのは、三笘と伊東の両サイド、ここ数年の日本の攻撃を牽引してきたふたりだ。

三笘は昨季、故障で長期離脱したけど、最終予選の始まる9月までにどこまでコンディションを戻せるか。

一方、プライベートの問題でアジア杯を途中離脱して以降、招集を見送られている伊東に関しては日本サッカー協会の仕事になるのかな。9月の中国戦、バーレーン戦はともかく、最初の山場となる10月のサウジ戦、オーストラリア戦には必要な選手だ。

あとはパリ五輪世代。メダル獲得という結果を出して、その勢いのまま、ひとりでも多くA代表に入って刺激を与えてほしい。

アジア杯では優勝候補筆頭と言われながらベスト8敗退。僕の頭の中には、あの悪いイメージが残っているんだよ。だからこそ強い日本を見せて、1位通過してほしいね。

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