
山本萩子
やまもと・しゅうこ
山本萩子の記事一覧
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン。
先日、ヤクルトの荘司宏太投手が新人王に選ばれました。
得票数は175。2位の伊原陵人投手(阪神)が44票だったことを見ても、今年の荘司投手がいかに大車輪の活躍をしたかがわかります。得意のチェンジアップを武器に、中継ぎとして勝利の方程式の一角を担ったことが評価されたのでしょう。
あらためて、新人王とはどれだけすごいことなのでしょうか。我がヤクルトでは、2000年から25年までの間に6人が受賞しています。
2001年 石川雅規
2004年 川島亮
2005年 青木宣親
2013年 小川泰弘
2019年 村上宗隆
2025年 荘司宏太
日本人選手のホームラン最多記録を保持する村上選手など、球界を代表する選手ばかり。新人王はスターへの"登竜門"なのです。
ちなみに、2000年以降のセ・リーグ各チームの受賞者数は、阪神が4人、横浜が3人、広島が5人、中日が1人。最多の巨人は7人ですから、「ヤクルトは2番目か......」と思っていたら、2016年に日ハム時代の高梨選手が受賞していたのを思い出しました!
これで、ヤクルトも最多と言っていいのでは? と思ったのも束の間、現在は巨人に在籍している高橋礼投手がソフトバンク時代に受賞していたので、またもやリードを許す展開に。なんということでしょう。
荘司投手の話に戻りますが、新人で中継ぎを任されるのは、それだけ信頼が厚いということ。試合の流れを壊さないという大事な役割を与えられるわけですからね。五十嵐亮太さんがおっしゃっていましたが、中継ぎの投手は「失敗せずに次の投手へとつなぐのが当たり前」と見られることも多く、そのプレッシャーは並大抵でないとのことです。
新人王発表の瞬間はここにいましたが、ずっとニュースをチェックしていました
荘司投手は新人王受賞のスピーチに緊張し、「ちょっと声が震えています」と発言していましたね。開幕カードの巨人戦で初登板を果たしたその日からずっと「本当に新人?」と思うほどの堂々としたマウンドさばきを見せてくれていますが、実は吐きそうなほど緊張していたそうです。以前インタビューをさせていただいたときも、常に緊張はするほうだと話していました。緊張を飼い慣らしている、という感じでしょうか。1年目から素晴らしい成績を残せる理由の一端を垣間見た気がします。
魅力的なのはプレーだけにとどまらず、チームメイトからもいじられる可愛らしいキャラクターも相まって、チームの中で着実に存在感を増しているのがわかります(ヤクルトの公式YouTubeで「荘司の部屋」というコーナーを持っているのもすごい!)。キャラクターが認知されつつあり、スターへの道を進んでいる予感がします。
前述のインタビューでは、ご本人が「勝っている試合の終盤で登板するので、展開を見ながらオンとオフをうまく切り替えられるようになりたい」と口にしていました。新人でありながら、取り組む姿勢からもすでに大きなものを背負っていたことが伝わります。常にしびれる投球を見せてくれる荘司投手。ご本人は「クローザーをやりたい」とのことですが、来年の活躍が今から楽しみです。
さて、かつての新人王、高梨投手はFA権を行使せずに残留し、「ヤクルトでリーグ優勝して日本一になりたい」と宣言してくれました。高梨投手がヤクルトを愛してくれるように、私たちも高梨投手のことが大好きです。
なぜか最後に告白をしたところで、今週は失礼します。それでは、また来週。