
直井裕太
なおい・ゆうた
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ライター。尊敬する文化人は杉作J太郎。目標とするファウンダーは近藤社長。LINEより微信。生活費の支払いは人民元という国境を越えるヒモおじさん。ガチ中華はブームじゃなくって、主食です。
近年、各種サブスクの値上げが続く中、注目したいのがスマホキャリアのエンタメプランだ。サブスクがセットになった料金プランやキャリア経由での加入などで大きな割引が! そのオトク度をチェックします!
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近年、値上げが止まらない各種サブスク。「DAZN」の月額は日本でのサービス開始時の2016年は1890円だったが、現在では4200円に!
そんなサブスクの断捨離を考える前にチェックしたいのが、スマホキャリアが提供する各種サブスクがセットになった料金プランやサービスだ。4キャリアにはそれぞれどのような料金プランがあり、それらのコスパはどうなのか? ITジャーナリストの法林岳之さんにお聞きします!
――まずお聞きしたいのが、10月からスタートする楽天モバイルの動画サブスクがセットになった新料金プラン。こちらはどうでしょうか?
法林 「Rakuten最強U-NEXT」(4378円/月、2026年1月31日までのキャンペーン価格3278円/月)は、既存の料金プラン「Rakuten最強プラン」(3GB 1078円/月~無制限3278円/月)に、動画サブスクの「U-NEXT」(2189円/月)がセットになったプランになります。
U-NEXTは映画やドラマのイメージがありますが、実は三笘 薫選手が所属するプレミアリーグも視聴でき、雑誌の読み放題も提供されています。
――U-NEXTには「H-NEXT」という18禁仕様のコンテンツもありますが、これも新料金プランで視聴できると?
法林 もちろん対応しています。また、「その他」の動画カテゴリーにはグラビアアイドルの動画も多く配信され、動画サブスクとしては男性向けコンテンツの充実度が高めなのも特徴です。
――Rakuten最強U-NEXTに加入するときの注意点は?
法林 通常のU-NEXTの場合は、毎月1200円分のポイントがプレゼントされ、そのポイントで動画やマンガを購入することができます。
一方、Rakuten最強U-NEXTでは、1200円のポイントプレゼントはありません。また通信面では、通常の料金プランは3GB 1078円/月~ですが、新プランではギガ無制限の料金で固定されています。つまり、データ通信量が3GB未満でも通信料金の割引はありません。
――コンテンツの充実度なら、U-NEXTのセットはかなり魅力的! 続いて、NTTドコモにはスポーツ視聴に強い料金プランがあるとか?
法林 「ドコモ MAX」(8448円/月、最大割引時で5148円/月)です。これは「DAZN」(4200円/月)、「NBA ドコモ」(2728円/月)がセットになっています。
――料金的にかなりオトク度が高めですね!
法林 ドコモ MAXは段階制の料金プランです。例えば、月のギガ消費が1GB未満の場合は、変動部分が2398円/月まで料金が下がります。
家族割である「みんなドコモ割」や「ドコモ光セット割」などを含めた最大割引時の料金になりますが、家族でドコモを利用して、かつ毎月ギガ消費の少ないユーザーにもオススメのプランとなっています。
――ちょっと気になるのが、スポーツ以外のコンテンツがゼロということ。エンタメを補うテクは?
法林 NTTドコモには「爆アゲ セレクション」というサービスがあります。これはNTTドコモ経由で各種サブスクに加入すれば、「dポイントを◯◯%還元」というサービスです。
「Netflix」ならプランによって10~20%還元。音楽サブスクは「Spotify Premium」(25%還元)、ゲームは「Nintendo Switch Online」(20%還元)、そしてデジタル版の「週刊少年ジャンプ定期購読」(20%還元)などがラインナップされています。
全方位でエンタメ系のサブスクがオトクになるサービスなので、ドコモMAXと組み合わせて活用するのが賢い使い方でしょう。
――これは確かに全方位! auはどうですか?
法林 「auバリューリンクプラン ALL STARパック」(1万2056円/月、最大割引時で9526円/月)があります。「Netflix」(広告付きスタンダードプラン 890円/月)、「Apple Music」(1080円/月)、「YouTube Premium」(1280円/月)、「TELASA」(990円/月)、「DAZN」(4200円/月)、「ピッコマ」(700円/月)、さらに「Amazon プライム」(600円/月)もセットになっています。
そして、毎月の通信料金からサブスクの料金分が差し引かれるシステムなので、プランをアップグレードすることも簡単。例えばNetflixを広告なしの「スタンダードプラン」(1590円/月)にアップグレードする場合は、実質差額分の700円を支払うことで可能です。
――auはエンタメプランに気合いが入ってますね!
法林 auはほかのキャリアに先駆けてエンタメプランを提供し、その料金プランも豊富にそろっています。今年、KDDIの松田浩路社長に取材したときは、「今後はセットプランだけでなく、キャリア経由で契約して決済を一元化する形が増えるでしょう」という趣旨の発言をしていました。auも既存の料金プランだけでなく、NTTドコモの爆アゲ セレクションのようなサービスも視野に入れているのでしょう。
――では、ソフトバンクのエンタメ系サービスは?
法林 ソフトバンクには「ソフトバンクプレミアム」があり、これはNTTドコモの爆アゲ セレクションのように加入したサブスクをPayPayポイントで還元するシステムです。
動画なら「Netflix」(5%還元)、「U-NEXT」(10%還元)、「DMM TV」(10%還元)などがあります。音楽や動画のエンタメ系だけでなく、「Perplexity Pro」(10%還元)も提供されています。
――それはなんですか?
法林 対話型のAI回答エンジンで、ネット上の情報の要約や、ユーザーが添付した画像についてテキストで説明するといったことが行なえます。
――今後は生成AIもキャリアの料金プランとセットになったり、キャリア経由の加入で割引になったり!?
法林 生成AIの有料サービスは3000円台から高いもので3万円台。価格的にセットにするのは現状だと難しいでしょうね。
――ところで、格安SIMことMVNOのエンタメ事情はどうでしょうか?
法林 「y.u mobile」の「シングルU-NEXT」(2970円/月)はU-NEXTがセットになっています。こちらは毎月1200円分のU-NEXTポイントが付与され、オトク度が高い。
また、「povo2.0」は不定期に期間限定でDMMやDAZNとコラボしたトッピングを提供しています。過去には「DMMポイント3000ポイント データ追加1GB」(3350円)といったトッピングを提供していました。
――これは18禁用途がはかどりそうなやつ! では最後に、キャリアのサブスク系サービスでの注意点は?
法林 サブスクをあまり使わなくなった場合は、契約や料金プランの変更を考えるべきです。キャリア経由で加入したサブスクは、キャリアの「myアプリ」からプラン変更や解約が行なえる。この手続きが簡素化されているのも、キャリアのエンタメプランのメリットと言えるでしょう。
――契約中のサブスクの見直し前には、キャリアの料金プランやサービスも必ずチェックしましょう!