あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』。
前回、モデル・タレントの鈴木奈々さんからご紹介いただいた第37回のゲストはタレント・歌手のはるな愛さん。
ニューハーフとしてその魅力を発揮、マルチな才能で幅広い活躍を見せるが、今回はそんな多忙な中、自身が経営する東京・三軒茶屋のお好み焼き店でお話を伺った。
ニューヨークで知り合ったという有名焼き肉店のオーナーで超セレブなオネエの話題から、前回は特に影響を受けたという故・飯島愛さんとのエピソードまで明かされーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)
はるな あのね、そのお店で(藤原)紀香さんとも初めて出会ったんですよ。もう、私は大阪時代、メイクを真似て写真撮ったり、憧れの人だったんだけど、当時の三軒茶屋のちいちゃな店に真っ黒のドレス引きずって来て「遅くなってごめんね!」って。
で、そこでバッてジーンズとTシャツに着替えて。初めての出会いやったんですけど「さぁ飲もか、愛!」って関西弁で。私、その頃仕事なかったから、お昼間遊びに行ったりして、すごい仲良くなって。どんどんお姉ちゃんみたいな存在になって、今でもずっと同じ感じ。で、お店でやってた“エアあやや”を結婚パーティーでやったんですけど…。
―有名な話ですよね。その“エアあやや”きっかけでまた物まねブレイクして。
はるな そう。だから人と出会って、次のステージに上げてくれるの。
―まさにそうなんだなと。MEGUMIちゃんも彼女が入院してる時に世話したのがきっかけで、同じ今の事務所に所属することになったとか。
はるな ほんとそうなんですよ! MEGUMIちゃんも超仲良し。
―ちなみに、藤原紀香さんはだいぶ前に映画の『キャッツ・アイ』でインタビューさせてもらって。印象的だった話が、芸能界に入るのを親族会議まで開かれて大反対されて、それでも神戸から通って、お仕事やり始めて。
阪神淡路大震災の後、自分はこんなことやってていいんだろうかって思った時に、お母さんに「人生どうなるかわかんないんだから、あんたは東京行きなさい」と言われて。そこから自分も後悔しないよう一生懸命やり尽くしたいって気持ちで頑張ってると。
はるな ほんと真面目なんですよ、紀ネエは。アフガンの子供達の学校作ったり支援やってる中で、向こうに服送りたいから、着ない服は全部集めて持ってきてくださいって。紀ネエが入れてるダンボール見たら、こんなVの水着とかまで入ってて(笑)。
でも、真っ直ぐやから。なんかに使えるかもしれないって言って。人のためと思ったら、ガーッて行くからスピードもすごいし。「今やで」って言ったら、もう一生懸命で素晴らしいですから。
―そのインタビュー時も最後に撮影で、新人研修で連れていった後輩とまでポーズを付けて一緒に記念撮影してくれたり。サービス精神というか尽くしてくれるんですよね。そういうのでも身近にいて好きになっちゃうんだろうなと。
はるな 本当にそう! だからもう合うんです。で、結構男っぽいというか…ほんと紀ネエにも影響受けてますね。
「その人の恋愛の仕方が見える」
―これまでの辛い経験も人との出会いも、全てが今のはるな愛を作って。ちなみに元々、この芸名はどういう由来で?
はるな 私、ニューハーフのお店入った時には早乙女純っていう名前だったんですよ。で、そこからちょっと違うお店に移ったんです。当時、マハラジャっていうディスコの中に『トッツィー』っていうショーパブがあったんですよ。あのダスティン・ホフマンの映画と同じの。
そこのお姉さんで春野桃子さんっていう人がいて、ニューハーフのコがそこに入って女役で踊るっていうんで「じゃあ兄弟分として、50音順のトップになれるように“あい”で春菜愛ね!」って付けてくれたんです。
―なるほど、そういうエピソードがあったんですね。それをまた平仮名にしたのは事務所を移ったタイミングで?
はるな それが違うんです。東京出る前に結構、占いとかそういうのにハマった時があって。占いの人が「平仮名に変えたほうがいい」って。それで上京したんです。
―やっぱりそういうのもあるんですね。それで運気が変わったのも大きかった?
はるな ありますよね。今見たら、名前ってすごく大きいと思う。
―僕が担当して“風俗漫画の巨匠”と呼ばれるようになった山崎大紀先生という方も、だいぶ売れない時期が長くて。ある占いで「○歳になったらこの名前に変えなさい。必ず売れるから」と。それで下の字を変えたら、その通りに。
はるな あるんですね~、タイミングが。ここの店は「大三(だいざん)」っていうんですけど、インターネットで開運格っていうのがあって。6格の大吉運でいいんですって。で、半分に割れる字もすごくいいっていうので付けて。結構あるんですよね。
―占いもハマりすぎると気になって、依存するまでになると危ないですけど。
はるな 本当に! その呪縛でガチガチになっちゃうから。インターネットでちょっとするぐらいにしないと。
―でも、はるなさんも人を呼び込むオーラとかだいぶ強い印象ですが。ご自分にスピリチュアルなものとかは?
はるな うふふ…実はあるんですよ、私! その人の恋愛の仕方が見えるっていう…。お酒の場の話みたいになっちゃうけど(笑)。
「愛し合い方までわかるんですよ」
―恋愛の仕方?
はるな 女性とお付き合いしたら、こういう感じの人なんだなっていうのがわかるっていう…。
―それは人生経験じゃないんですかね…。
はるな あははは、ですかね? でも、結構当たるんですよ。もっと言うと、あんまり言えないですけど、もう愛し合い方までわかるんですよ。本当にこれがね~(笑)。
―えっ、それはある意味、怖い…。子供の頃からではないですよね(笑)。
はるな ほんと怖いの! 一緒にいる人がもうやめてって言うぐらい当たるから…。じゃあ、編集長の言っていいですか?
―はい!? えっ、いや…。
はるな (じっと透視するような目線で)うわ~甘えたがりですね。甘えたで…う~ん、あ、結構寂しがり屋なんですね。でね、意外とすごく…いや、こんなん言うたらあかんわ(笑)。暗い?
―暗い?
はるな 家ではすごく暗くて…当たってないかな? それでね、愛し合い方も言っていいですか? ……あははは、変態ですね! 当たってる?
―いや、変態もいろいろありますけど(汗)。
はるな もうずっと女性の部分に顔埋めるぐらい大好きな(笑)。変態というか…ずっと、ご奉仕してるなぐらい。
―いやいや(苦笑)、これはもう、鈴木奈々さんにチャック開いてるの指摘されたのより恥ずかしいですよ!
はるな もっと言うていいですか?
―なんか、お酒飲まないとやってられない…ここ飲み屋さんなんで持ってきてもらえませんかね(苦笑)。
はるな あははは。でも、あれなんです、寂しがり屋で甘えたで、意外とね、じっくり腰を据えてじゃないと自分を出さないから…お付き合いしたらグッと自分を出してくるのね。当たってます?
カメラマン 寂しがり屋ってとこがね(笑)。
はるな だいぶ寂しがり屋ですね。女性にめっちゃ甘えるんですよ、びっくりするぐらい。
「自分のことは見えないんですよね」
―そんな、びっくりするぐらいって(苦笑)。まぁそこは生まれがひとりっ子な部分もありますし…だいぶ基本的なところは当たってますが(汗)。
はるな 「なんでそんなこと言うんだ!」とかも言わないっていうか、「どうして?」みたいな。優しそうな甘え方なんですよね。
―これ、占いの見料を何万円とか取られないですよね?(笑)
はるな あははは、営みも当たってます?
―…どうお答えすれば…まぁ奉仕するという意味では当たってるということにしてください(笑)。
カメラマン そういう映像が見えるんですか?
はるな なんか、パッと見えるんです。(カメラマンに)ちょっといいですか? 言っていいですかね?(笑) あんまり女性の影が…女性が好きとかないんです。自分の男友達といる時とか、自分のやることが好きやから。女性が見えないというか…。
―枯れてるとか?(笑)
はるな だから一緒にいても冷たいって思われるぐらい、女性に対して興味ないって言ったらきついけど…自分のことは自分でやってみたいなクールなところがあるみたい。
夜の営みもね、シャイで「何やってんだ」ってぐらい恥ずかしがったり、チャチャチャッてやって、はい終わりみたいな。興味がそんなにないみたい。でも性欲はあるっていう、なんか変な感じなんですよ。
カメラマン 長いことグラビアとか撮らせてもらって、自分なりの欲は世に排出してきたつもりなんで…(苦笑)。
はるな ははは! 当たってます? でも、それぐらい女のコにクールじゃないと、こういうお仕事できないんじゃないですか、ねぇ。
―いやぁ、まさかそんなスピリチュアルなものまで…ほんとマルチすぎて、はるなさんの肩書きがいくつあっても足りない感じですよ。
はるな 占いじゃないけど、これ。人にやった後、変な空気になるんです、いつも(笑)。でもね、自分のことは見えないんですよね、冷静には。
―そう言いますよね、自分のこととなると霧がかかったようにとか…。
はるな そうなんですよ。人のも見ようって思わないと見れないし、普通やと見えないっていうか、見ないから。
次回ゲストは大好きなカワイい後輩の…
―なんか、いろんな顔というか、側面が隠されてるというか。そういう魅力も含めて自己プロデュース能力にすごく長(た)けた方なのかなというイメージはあったんですけど。お店でも自己演出でも常に表現する視点を意識してというか…。
はるな それ、すごいあると思います。あのね、私、バリコレ(※)っていう障害を持った人たちのファッションショーをプロデュースして今年2回目やったんですけど。そん時に、自分もセクシャルマイノリティーなので、モデルとして出る中で、半分が男のタキシード、半分はドレスの服を作ってもらって着たんですよ。(※バリアフリーコレクション。NHKの障害者向けバラエティ番組『バリパラ』で開催)
それがもう、人前に出るのが恥ずかしいぐらいの服やったんですけど、自分の中で(本名の)大西賢示とはるな愛がふたりいて、ちょっと後ろでマネジメントしてるみたいな。マネージャーが私の中にいるみたいにしっくりきて。
―客観視してる自分が、内在する自己を演じ分けている?
はるな そう。だから意外と常に、朝のニュースではコンサバなOLっぽい洋服で、お昼間は嫁に来てほしいお姉さんみたいな感じにして、夜のゴールデンはおじいちゃまとお子様も楽しめるリボンつけてフルフリでって…。そういうのもお客さんを接客してきて、間合いとか空気で潤滑に回るように自分の中で客観視して決めてるところがすごいあるんですよね。
―自分の見せ方も含めて、相手にどう伝えられるかってことを当たり前に考えてる。
はるな そうなんですよ。あと、女装する時でも、初めは嫌や嫌やってやってたら「あ、なんかお母さんに似てる」とか(笑)。それがもっとこういう女に見せようとか、欲が出てくると、自分が鏡見てメイクしたら「めっちゃこんなコと付き合いたい」っていう女のコになるっていうか。
―求める相手に自分の影を探してるみたいな話もありますけど。表と裏というか、自分の中に男と女であり、夫婦のような二面性が内在してる感じですか…。
はるな だから、付き合ってすごい雰囲気似てるって思う人、「絶対うまくいくよ、似てるもん」って。顔とか雰囲気とか、それってずっと年いってから似てくるんじゃなくて、最初に似てる人がやっぱりうまいこといくんです。そうやと思うわ。
―いや、でもはるなさんの中にそのタキシードとドレスの半分が存在してるというのは、すごく示唆的ですねぇ。自分の内面に両方が…。
はるな いるんです、本当に。
―いやぁ、話が尽きなくて、興味深いんですが…そろそろお時間ということで。お友達の候補を何人か挙げていただいてるんですが、その中から…。
はるな 大好きなカワイい後輩で、IVANはどうですか? センスの良さとか、思いっきり人生を自分らしく生きているところが大好きで。ファッションのこともいろいろ刺激になってるの。またゆっくり温泉でも行きたいなぁ。全部大好き!
―最近ますます幅広く活躍されてますよね。実は、半年くらい前には週プレの袋とじグラビアにも挑戦してもらったという…。では繋げさせていただきます。本日は長々とありがとうございました!
●語っていいとも! 第38回ゲスト・IVAN「自殺しちゃう人が多いから気をつけなよ~ってすごい言われて…」
●はるな愛 1972年、7月21日生まれ、大阪府出身。高校を中退後、ニューハーフとして働き始める。その後、性別適合手術を受けることに。98年、東京に上京しタレント事務所に所属。07年、「エアあやや」で注目を集め、モノマネタレントとしても活動するように。09年にはニューハーフの美人コンテスト「ミス・インターナショナル・クイーン2009」にて、日本人として初めて優勝に輝いた。三軒茶屋に『大三』『A.garden』『ANGEL NEST』、六本木に『大福』といった自身が手がける鉄板焼き店やバーを経営するなどマルチな才能を発揮。東日本大震災後、被災地に出向き社会貢献にも力を入れている。現在、自身初の演歌『えぇねんで』好評発売中。
(撮影/塔下智士)