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 © Marvel Studios 2023
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個性豊かなポンコツ軍団『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が帰ってきた。
シリーズのラストということで(一応)、不必要に湿っぽい話になるのでは......と危惧していたが、一定の湿っぽさはあるものの、「ガーディアンズ」ならではのカラッとした軽さは本作でもしっかりキープされていた。
湿っぽいパートは主にアライグマの〈ロケット・ラクーン〉の過去にまつわるものだが、暴論を承知でいえば彼の過去をこのような形ではっきりと見せなくても良かったのではないかと思う。続編やリブートやリメイクは得てして先行する作品で描かれずじまいに終わった部分を取り上げて説明しがちだが、そのせいでキャラクターや物語のミステリアスな部分が弱まるのは残念なことだと思うからだ。
1作目から本シリーズのトレードマークともいえる、複雑で立体的なアクションを長回し(風)のカットで見せる大暴れシーンは圧巻。CGを用いた面白くカッコいいアクションシーン作りの可能性をさらに押し広げるものに仕上がっている。
一方、どうも物語を端折(はしょ)ったように見える部分も散見されたのだが、いずれさらに長いディレクターズカット版が出たりするかも......?
STORY:アベンジャーズの一員として世界を救うも、恋人ガモーラを失ったショックを引きずるスター・ロードことピーター・クイルと、ガーディアンズの仲間たち。そんな彼らの前に最凶の敵「ハイ・エボリューショナリー」が現れた!
監督・脚本:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、カレン・ギラン、デイヴ・バウティスタほか
上映時間:149分
全国公開中
 ©2022 FOCUS FEATURES LLC.
©2022 FOCUS FEATURES LLC.撮影監督フロリアン・ホーフマイスターの作り出す陰影が美しい。
画に深みをもたらしているのは光と影の繊細なグラデーションだが、同じように人間社会にはさまざまな階調がある。使い古された言葉で言えば「まったくの悪人もいなければ、まったくの善人もいない」のであって、それは事実だ。
本作の主人公ターは非常に優秀な音楽家・指揮者で、幾多の賞に輝き、順風満帆の人生を送ってきた。
一方、彼女は歯に衣着せぬ物言いでトラブルになることも多く、性的にもかなりアクティブなようだ。etc. etc. ......このようにしてターという女性についてキーワードを並べ、要約することで「ああ、そういう人ね」と「分かったような気」にはなれる。
だが我々すべてと同様、このターという女性も無数のグラデーションを備えた人間であって、簡単に要約することなどできない、と本作は断言する。「だからこそ」物語は語られなければならないのである。
会話が多く、静かな場面の多い作品だが技術的にも興味深い挑戦を行なっており(たとえば、本作の音響は最初はモノラルだが、だんだんトラック数が増えていく構成になっている)、謎も多いので二度、三度と鑑賞したくなる。
STORY:ドイツの有名オーケストラで初の女性首席指揮者に任命されたリディア・ターは演奏と録音のプレッシャーと新曲の創作に苦しんでいた。そんな中、かつて彼女が指導した若手指揮者の訃報が入り、ターはある疑惑をかけられる。
監督・脚本:トッド・フィールド
出演:ケイト・ブランシェット、ノエミ・メルラン、ニーナ・ホス、マーク・ストロングほか
上映時間:159分
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
デザイナー、映画ライター、サタニスト。長編初監督作品『激怒 RAGEAHOLIC』のBlu-ray&DVDが発売中。
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