日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『OCHI!-オチ-』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。スタジオA24初の本格ファンタジー映画!
『OCHI!-オチ-』
評点:★1点(5点満点)

ビジュアル的な「可愛さ」がそいでしまうもの

© 2024 KURKAMART LLC AND IPR.VC FUND II KY. ALL RIGHTS RESERVED.© 2024 KURKAMART LLC AND IPR.VC FUND II KY. ALL RIGHTS RESERVED.

語弊を恐れずに言えば『マンダロリアン』に登場する「赤ちゃんヨーダ」が成立するのは、赤ちゃんじゃない方のヨーダが見事な生物感と人格を備えた素晴らしいキャラクターだったからだ。

ヨーダ自体の造形や立ち居振る舞いが生き物として完全に信じるに足るものであった、ということが「赤ちゃんヨーダ」の実在性を担保しているといってもいい。

本作はいわゆる「『E.T.』ノックオフ映画」というジャンルに属する作品で(「ノックオフ」とは「模倣」「パクり」の意)、異生物と人間の子供の交流を描くものだが、肝心の異生物の造形がまるで生物感を欠いているのは大問題だ。

そのベースには「赤ちゃんヨーダ」があり、『グレムリン』があり、また『となりのトトロ』があるのだろうが、先述したように「赤ちゃんヨーダ」はヨーダという担保があり、また『グレムリン』の「ぬいぐるみのような可愛さ」は「可愛らしさ」そのものがギャグであると同時に、変身後のグロテスクな姿との対比でもある。

『トトロ』はアニメーションだから成立する造形である。

どこまでも「kawaii」だけの、マスコットのような生物を出して事足れりとする本作は、観客のテイストや知性を愚弄しているのである。

STORY:霧に包まれた村の奥深い森にはふしぎな生き物「オチ」がすみ、人々はその存在を恐れ遠ざけてきた。オチ狩りをする父に戸惑い心を閉ざす少女ユーリは、ある日ケガをした小さなオチを見つけ、家族の元へ返そうと決意する――

監督・脚本:アイザイア・サクソン
出演:ヘレナ・ツェンゲルほか
上映時間:95分

全国公開中

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