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取材・文/興山英雄 資料提供/AMR臨床リファレンスセンター
ライフ・文化

【ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)】 肺炎や中耳炎をもたらす肺炎球菌のなかで、“感染症の万能薬”ともいわれ、現在も使用頻度が高いペニシリンに耐性を持つ病原菌。ペニシリンを使えば使うほど耐性菌は増殖し、日本に棲息する肺炎球菌の約半数がPRSPに変異しているといわれる。これが国内の肺炎治療を難航させ、その死者数を増やす大きな要因に。脳と脊髄に感染が起きる髄膜炎など、PRSPの感染症は重症なものが多く、治療に失敗すれば直接的に命や後遺症に関わる。 ©Illustrator: Dan Higgins

【基質拡張型ベータラクタマーゼ(ESBL)産生菌】ベータラクタマーゼとは、ペニシリンなど使用頻度の高いベータラクタム系の抗菌薬を分解して無効にする酵素のこと。ESBL産生菌は大腸菌など腸内の細菌に多く、尿道や膀胱、尿管に入り込むことで尿路感染症を起こし、残尿感や排尿痛、尿に膿が混じったり、38~40℃の高熱が出ることも。治療にカルバペネム系というさまざまな菌に効く抗菌薬が処方されることも多く、このことがさらなるESBL産生菌を生むという悪循環がある。©llustrators: Alissa Eckert and Jennifer Oosthuizen.

【多剤耐性緑膿菌(MDRP)】 緑膿菌は毒性が弱く、健常者にはめったに感染を起こさないが、病気や高齢などで免疫力が弱くなった人に感染し、肺炎、尿路感染症、菌血症などを引き起こす。少量の抗菌薬があると緑膿菌同士が化学物質を出し合って連絡を取り、菌の周囲をバイオフィルムと呼ばれる膜状物質で覆い尽くし薬剤から身を守る。こうして本来は効果のあったフルオロキノロン系など多くの薬剤に耐性を持った緑膿菌をMDRPと呼び、感染症を発症すれば難治である。©U.S. Centers for Disease Control and Prevention - Medical Illustrator.

【カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)】ESBLの項にも登場したが、カルバペネム系抗菌薬は極めて幅広い細菌に効果があり、耐性菌治療の最終兵器として使用されてきた。だが、これが効かない細菌、CREが2000年以降に世界で拡散し、“悪夢の耐性菌”として恐れられる存在に。菌血症、敗血症などの感染症を起こし、薬剤耐性が強いために難治になりやすく、重症感染に至れば致死率も高い。2017年には中国の小児科病棟でアウトブレイクを起こし、監視が強化されている。©U.S. Centers for Disease Control and Prevention - Medical Illustrator.

【メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)】黄色ブドウ球菌が薬剤耐性化したもの。抗菌薬の一種、メチシリンの名前についているが、実際には多種多様の抗菌薬を無力化する。そのため、MRSA感染症は治療が難しい死亡率の高い感染症のひとつとされ、薬剤耐性を持った黄色ブドウ球菌が心臓から血液を経由して多臓器に転移する感染性心内膜炎などの重症な感染症の原因となるほか、菌が毒素を産生することで起きる毒素性ショック症候群という致命的な病気をもたらすこともある ©National Institute of Allergy and Infectious Diseases (NIAID).


長年、薬剤耐性菌の研究をしてきた薬学博士の三瀬勝利氏は、「耐性菌の蔓延は『人災』でもある」と警鐘を鳴らす
日本で特に感染拡大が問題になっているひとつ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)抗菌薬への耐性を獲得し、薬を無力化する細菌――「薬剤耐性菌」に起因する感染症が世界で拡大している。その死者数は近い将...
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