旅人マリーシャたびびとまりーしゃ
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。
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10年続いたこの旅コラムもついに最終回!
世界一周のきっかけは「ミステリーハンターになりたかったから!」だった私ですが、まさかこのタイミングで『世界ふしぎ発見!』も終了するとは、やっぱりどこか縁があったんじゃないかって思わずにはいられません!(ないない)
さて、今回は前回に引き続き「旅人に聞きたい100の質問」からセレクトした30問の後編をお届けします!(完全版はマリーシャのYouTubeで公開予定)
Q16.旅先での会話は何語?
A16.基本はカタコトの英語。南米では唯一ブラジルがポルトガル語で難しかったんですが、カーニバルなど野外アクティビティを見据えて「オンジオバニェイロ(トイレどこですか?)」をめちゃめちゃ練習しました。
他の南米諸国はほぼスペイン語で、必要な用語は旅中に実戦習得。「ドンデスタバーニョ?(トイレはどこですか?)」の他に、「ウンポコ(スペイン語?少しならしゃべれます)」「アグアカリエンテ?(シャワーちゃんとあったかいお湯出るんでしょうね?)」「Wi-Fiビエン?(Wi-Fi良くないと仕事できないんだけど責任取ってくれるんかいオラオラ)」などは高頻度で使いました。
チリの首都サンティアゴで「アスマ(喘息)」が出た時は薬局にて、「キエロパララトスポルファボール!(咳止めください)」と神龍を呼ぶ呪文のように唱えたりも。
第13回「大火事のあった世界遺産・パルパライソでソーラン節を踊る!」
Q17.バックパッカーと言えばインドのイメージあるけどどうだった?
A17.三島由紀夫の「インドには行ける者と行けない者がいる」という言葉は旅人の間で有名ですが、私の場合はお腹も壊さなかったしまぁまぁ呼ばれてたかと。
有名なタージマハルよりも、階段井戸「チャンドバオリ」や「風の宮殿」がお気に入り。ヒンドゥー教伝統の春を祝うお祭り「ホーリー祭」を、インドでも穏やかな北部、ヨガの聖地リシケシで体験できたのも運が良かったです(バラナシなどではトラブル多発のため、旅人に外出禁止の注意喚起があったので)。あとカレーは想像以上に絶品です。
体力と精神力は要るけど、どこの都市でも見どころには凄みを感じるし、グイグイ来て仲良くなる人や平気で嘘をつく人たちもパワーがあって、総じてエネルギッシュな国でした。
第51回「貞子もビックリ? インド"摩訶不思議"建造物めぐり」
第49回「禁欲からの爆発! インドのホーリー祭で色粉まみれ!」
Q18.旅で爆笑したエピソードは?
A18.エチオピアの料理「ウンコラルフルフル」を聞いた時は耳を疑い、何度も聞き直した上に思わず吹き出してしまいました。私、小学生か。
「ウンコラル」とは卵のことで、この料理はエチオピアの主食インジェラ(テフという穀物で作ったクレープのようなもの)と卵を混ぜて炒めたスクランブルエッグのことでした。
第144回「大人気の『うんこ漢字ドリル』より日本の子供が喜びそう?なエチオピアの"ソウルフード"って... 」
Q19.旅先でロマンスはありましたか?
A19.旅開始すぐに強盗に遭っていることもあり、犯罪や詐欺への警戒心が強すぎて、隙のないオンナ化していたと思います。日本人の女チョロいとか舐められないようにしなきゃって思ってたし(別の意味でめっちゃ舐められてたと思うけど)。
それにほとんどの街を2、3日で周っていたりグループ行動も多く、恋愛に発展するほど誰かと親密になる余裕もありませんでした。
Q20.旅でのモテエピソードを教えてください
A20.インドネシアのコモド島の旅で、現地ツアー会社の男性にプロポーズされました。星空の下で結構なマジトーンでしたが、「アイムトラベラー(だからインドネシアには留まれない)」と、実際口に出してからジワジワと恥ずかしくなるセリフで乗り切りました。
第231回「星空の下、最高にロマンチックな船上プロポーズの答えは......?」
Q21.美女の多い国ベスト3は?
A21.キューバではプリプリッって音が聞こえてきそうなくらい筋肉美でスタイル抜群な美女、イスラエルでは目鼻立ちの整った怖いくらいに顔面が美しい迷彩服を着た美女、スロバキアでは色白でふんわりとした日本人ウケ良さそうな優しい系美女が多かったです。完敗です。
第60回「脚長美人だらけ! 国交正常化で注目されるキューバの魅力」
第86回 「"何もない"スロバキアの首都は美人だらけだった」
Q22.旅先で買ったお土産の中で思い出深いものは?
A22.エチオピアの民族村ジンカマーケットで買った10ブル(約50円)の赤いシャツ。ケニアの国境モヤレで仕入れているらしく、何度洗っても茶色い水が出る思い出深い服でした。きっとずっと捨てない服。今はちゃんと透明の水が出ます。
第146回「唇のお皿が大きいほど美人! ピン札しか受け取らない"気高き"ムルシ族のド迫力っぷりとは...」
Q23.旅先でのスリリングな体験は何ですか?
A23.カリブ海セントマーチン島の名物、ジェット機が頭上スレスレを通過する体験です。
プリンセス・ジュリアナ空港は滑走路が短く、大型旅客機の着陸は低空飛行を免れない。隣接するマホビーチは空港進路の真下にあり、かなりの至近距離をジェット機がかすめていくんです!
また離陸時は後方気流のジェット噴射に本気で吹き飛ばされそうになるのでとっても危険! 日本では絶対ありえない光景です。でもあのスリルを味わいに、カリブ海の中でももう一度行きたいビーチとなりました。
第66回「飛行機オタクの聖地! 世界一スリリングなビーチと恐怖の空港」
Q24.世界の祭りベスト3は?
A24.やっぱりスペインのトマト祭りは外せない。小さな村ブニョールに集まった世界の人々が1時間という限られた時間に一斉に100tもの大量のトマトを投げ合う様子はクレイジーとしか言いようがなく圧巻です。
トマトに溺れた祭りの後は、一週間ほど頭や目や耳や鼻など穴という穴からトマトのカスが出てきて、蓄膿症や中耳炎になるかと思いました。もう一度体験したいかと聞かれたら迷います。
そしてもう一度絶対に行きたいのは、映画『リメンバー・ミー』の世界観が楽しめるメキシコの「死者の日」。それからもう三度は見てるけど、どんな性別や職業の人々も堂々と自分をさらけ出し、開放感と幸せな表情にあふれるオーストラリアの世界最大級のLGBTイベント「マルディグラ」。
第124回「ガイコツだらけ! メキシコ『死者の日』の歴史が変わった瞬間に乾杯!」
第181回「祝!同性婚合法化~世界最大級LGBTの祭典、シドニー『マルディグラ』が40周年!」
Q25.なんだかんだやっぱり好きな国ベスト3は?
A25.スペイン、メキシコ、オーストラリア。祭りが理由じゃないけど、比例してた(笑)。
Q26.最も遠い旅先はどこ?
A26.イースター島はチリの首都サンティアゴからフライトが週3便だし、ガラパゴス諸島のさらに離島はゲロ船に乗らないとだし遠く感じました。タンザニアの離島ザンジバル島もだいぶ遠いですが、かつては奴隷貿易の拠点であり日本から売春婦として連れてこられた「からゆきさん」が住んでいたことを知り驚きました。
第12回「モアイのいたずら? イースター島で間一髪!」
第24回「実はガラパゴス諸島でアシカとお昼寝もしてたんです!」
第151回「アフリカの楽園ザンジバル島の"牛"ビーチ。体調不良もブっ飛ぶマジックが?」
Q27.アドベンチャー感強めの旅先ベスト3は?
A27.モロッコのサハラ砂漠、エジプトのピラミッド、ヨルダンのペトラ遺跡は、大自然や異国情緒を飛び越えて幻想的でミステリアスな絶景があり、インディ・ジョーンズ気分になれる場所。この3つは私にとって「♪そうさ、今こそアドベンチャー」な場所。ラクダが絵になるっていうのもある(笑)。
第104回「モロッコでは重罪? サハラ砂漠の真ん中で"同性愛"を語る」
第142回「ラクダに乗ってピラミッド観光。そこで砂漠警察が現れ...ハートが壊れたのは私だよ!」
第202回 「『インディ・ジョーンズ』のロケ地、新・世界七不思議『ペトラ遺跡』に震え上がる!」
Q28.思い入れのある絶景は?
A28.妙に思い入れが強いのは、ギリシャのザキントス島。映画『紅の豚』のモデル地とも言われていますが、本当に素敵なところで。鮭の切り身のような形をした断崖絶壁の下には錆びついた難破船がポツン。ポルコのアジト感がスゴイ!
シーズン中なら観光客の船で混雑する場所ですが、私が無人のナヴァイオビーチへ行けたのは、オフシーズンの風のない日に見知らぬおじさんが船を出してくれるという奇跡があったから。
もしかしたら抽選で1日10名のアメリカのザ・ウェーブより確率低いかも? 二度とこの絶景を見ることはないだろう、私の中では思い入れのある場所です。
第80回 「疲れた男たちにお届けしたい! ほろ苦いロマンあふれる『紅の豚』の秘密基地(アジト)」
Q29.もし生まれ変わるならどこの国を選ぶ?
A29.経済とか医療とかも含めて考えちゃうと比較的オーストラリアが生きやすそうかなぁ。海も綺麗で日々のカフェラテも美味しいし。自然も都会もある。LGBTやシングルマザーにも手厚いし(今のところ私には関係ないけども)。
あと寒いのは苦手だけど幸福度が高くて雑貨が可愛いフィンランドも良さそう。それからやっぱりハワイも捨てがたい(笑)。
第182回「107ヵ国を訪れた旅人が"一番住みたい"と思った国は?」
第183回「憧れのオーストラリアに住みたいなら"恋人ビザ"!? "旅人ビザ"はないの...?」
Q30.死ぬ前に最期の旅に出られるとしたらどこ?
A30.食べ物だったら鮨か鰻と答えたいこの質問。老後の旅(?)は最も平和な国1位をキープしているアイスランドも考えたけど、ナポリからアマルフィ海岸を抜けシチリア島まで行く旅も最高かな。やはり「ナポリを見てから死ね」なんで。(もう見たけど)
それかカリブ海クルーズ。あ、こっちの方が私っぽいか。
第217回「南イタリア、"世界一美しい"アマルフィ海岸で添乗員に転職? 」
第65回「カリブ魅惑の常夏パラダイス! "ABC諸島"でアイランドホッピング!」
以上、「旅人に聞きたい100の質問」からの抜粋でした!
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これで本当に本当に最後になりますが、10年間という長い間応援ありがとうございました。セルジオ越後さんに次いで、週プレNEWS歴代2番目のご長寿コラムだったことを誇りに思います。
世界一周の旅をしていたのは実に6年間で、コロナ禍になってからはなかなか臨場感のあるものを発信できずに悩んだ時もありました。しかし、そんな時も応援してくれていた読者の皆さんや編集部には本当に感謝しかありません。
そういえば10年も経てば歳もとる。これまでなんとなく非公開となっていた年齢を先日YouTubeで公開しましたが、実は世界一周に出たのは34歳の時と遅咲きの旅人で、人生ほんと色々ありました(12年間付き合っていた人に40歳目前でフラれたり)。
旅をしたことで犠牲にしたものも多かったけど、世界を見た後の自分は何倍にも成長していたように思います。そして自分がどんなに平和なところにいて幸せであるかも実感したし、日々小さなことに感謝できるようになりました。
一度しかない私の人生は旅によって鮮やかに彩られ、震えるほどの感動をしたり、達成感や幸福感を感じたり、自信にもつながりました。何者でもない私が旅人として過ごせたこの時間は宝です。
もし今旅に出るかを迷ってる人がいたら、体当たりするぐらいの勢いで背中を押したい。私の旅が誰かの一歩に勇気を与えられますように。
そして私もまだまだ見たい世界がたくさんあるけれど、今は目の前のライフイベントに全力で。いつか親子旅なんかができたらと思っています。
これまで旅人マリーシャを温かく見守ってくれて本当にありがとう! 週プレからはドロンするけど、インスタやYouTubeで、これからも生きてますっ!
それではみなさん、ムーチャスグラシアス! モイモーイ!(最後はお気に入りのスペイン語とフィンランド語の挨拶で!)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。
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