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『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎による連載コラムが週刊プレイボーイでスタート! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。
第3回は、今年の『M-1グランプリ』の予選について。
* * *
皆さんこんにちは、濱田祐太郎です。今回は、今まさにアツい予選が繰り広げられている『M-1グランプリ2025』(ABCテレビ)の話をします。
実は僕、10月7日に行なわれた大阪2回戦のMCをやったんですよ。そこで、目の見えない僕がどんなふうにMCをやったかという話をしたいと思います。
ひょっとしたら『M-1グランプリ』を知らない人もいるかもしれないので、念のために説明をしておきますと、めっちゃ漫才が上手な人を決める大会のことです。「M」は漫才の「M」です。
だから、「知らないばばあから『おまえのうなじにミートソースを塗って、それを舐めさせてくれやー』と言われるのが上手な人」を決める「ミートソース舐め舐め大会」のことではありません。
くしくも、ミートソースも「M」から始まるので筋は通っちゃうんですけどね。
それにしても、去年の『M-1』は劇的でしたね。令和ロマンが史上初の2連覇を達成、オンラインカジノ騒動で優勝取り消し、2位のバッテリィズが繰り上げ優勝。
あっ、すみません。優勝は取り消されていませんでしたね。
それで僕がどうやってMCをやったのかですけれど、もちろんひとりでやったわけではなく、先輩芸人のスマイルの瀬戸(洋祐)さんとふたりでやりました。
瀬戸さんが出場者の紹介やお客さんへのお知らせなどを伝える進行役で、僕が出場者のネタの感想を言ったり進行の合間にボケたりするにぎやかし役という形でした。
舞台に出るときや戻るときのサポートも瀬戸さんがしてくれました。これだったら目が見えなくてもMCだってできます。
中には「台本やカンペを読みながらの進行役ができないならMCは無理だろ」と思う人もいるかもしれませんが、よく考えてみてください。
テレビのバラエティ番組のMCって、ふたりでやってることが多いですよね。役割も、さっき書いたのと同じような形式が多いと思います。
大阪2回戦の当日は番組側の取材陣も入っていて、MCの僕もインタビューを受けました。
そこから全力でボケていこうと思って、「出場者の漫才師にメッセージはありますか?」という質問に「オンラインカジノには気をつけろ、ですね」とか「卒業証書はチラ見せして、部下とラブホに行っても何もなかったと言い張れ、ですね」とかって答えてました。
ふたつ目は、どこかとどこかの市長の話が合わさってるんで、市区町村合併みたいなもんですね。もちろんちゃんとした答えも言ったので安心してください。
予選とはいえ2回戦にもなると、プロの芸人でもアマチュアの人でも、しっかり漫才ができる人たちばかりでした。
聞いた話だと、1回戦では、アマチュアのおじいさんコンビの片方がネタを忘れて、舞台上で本気のケンカを始めてしまう、なんてこともあるらしいです。それはそれで面白そうなんですけどね。
僕がMCをやった日は、小学生の女の子とお父さんのコンビが漫才をやっていて、まあ、この子のしゃべりが達者で、しっかりとお客さんを笑わせていてスゴかったですね。
そのコンビはちゃんと3回戦に通過していて、僕もうれしくなっちゃいました。
そんなこんなで午前11時から午後9時まで、10時間MCを無事にやることができました。予選が終わる頃には、瀬戸さんの声はからっからにかれてましたよ。
●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう)
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】