
山下メロ
やました・めろ
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1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、ボードゲームやカードゲームといったアナログゲームは、2000年頃から徐々に人気となり、今では巨大マーケットとなっています。実は、好景気の平成初期にも大人向けを中心に多くの商品が発売されていたのをご存じでしょうか。今回は、その中からテレビタレントのカードゲームを振り返ります。
 Mr.マリックさんの『超魔術カードゲーム サイウェーヴ』(1989年)
Mr.マリックさんの『超魔術カードゲーム サイウェーヴ』(1989年)
まずは、今でもCMなどでお見かけする超魔術師・Mr.マリックさんの『超魔術カードゲーム サイウェーヴ』(1989年)。曲がったスプーンやESPマークなど超魔術(超能力)に関する絵のカードを使って、3つのゲームが遊べます。
次に笑福亭笑瓶さんの『大馬鹿』(89年)。今ではあまり聞かない「うんこたれ」などの憎まれ口を、小学生になった気分で相手に言う「日本一不愉快なカードゲーム」。誹謗中傷に対し、ポジティブな返しで防御するなどのルールは、現代のSNSでも有効かもしれません。
さらに空気で膨らます棒がついており、実際にこれで相手を叩くルールもあり、とても平成初期らしい体感型のゲームなのです。
 コロッケさんのショップ「ミスターコロッケ」の『ものまね王座決定ゲーム』(89年)
コロッケさんのショップ「ミスターコロッケ」の『ものまね王座決定ゲーム』(89年)
ほかにも、かつて原宿・竹下通りに密集していたタレントショップでもカードゲームが販売されていました。例えば、コロッケさんのショップである「ミスターコロッケ」の『ものまね王座決定ゲーム』(89年)。ものまねレパートリーがカード化され、「うすのろまぬけ」の要領でカードを集めていくルールでした。
さらに、とんねるずのタレントショップ「バレンタインハウス」のカードゲームもあります。「ちょっと待ったコール」や「大どんでん返し」がカードになっており、カップル成立を目指す合コン的なテレビ番組『ねるとん紅鯨団』を疑似体験できる内容になっていました。最終的にはツーショットになった中で、一番早く上がれば勝ちとなります。
タレント関連だけでこれだけ見つかるのが、まさに当時のカードゲーム人気。この夏、探してみましょう。