
坂本慎太郎
さかもと・しんたろう
坂本慎太郎の記事一覧
こころトレード研究所所長。ハンドルネームは「Bコミ」。日系の証券会社でディーラー、大手生命保険会社で株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを7年間経験。ラジオNIKKEIや日経CNBCなどの投資番組へのレギュラー出演多数。著書に『プロ投資家が教える副収入1000万円の最短コース』(BEST TIMES books)など
公式X【@bucomi】
1969年に惣菜店として創業。スーパー内での惣菜販売を目的に、1971年に株式会社化した。配当利回りは1.06%。株主優待あり
『週刊プレイボーイ』で連載中の「坂本慎太郎の街歩き投資ラボ」。株式評論家の坂本慎太郎とともに街を歩き、投資先選びのヒントを探してみよう。金のなる木はあなたのすぐ近くに生えている!
ドン・キホーテの売り場はトレンドや消費者のニーズを素早く反映するため、街歩き投資家の定点観測スポットとしてピッタリ。売り場に見える傾向から、投資先を探すべし!
助手 今日はドン・キホーテの売り場を定点観測しに来ました。
坂本 ドンキは景気と消費者の動向に敏感に反応して商品を入れ替えるから、思いがけない投資のヒントが見つかったりするんです。
助手 そういえば、しばらく来ないうちにお惣菜や弁当が充実したような。ドンキが店内でお惣菜を作ってるイメージはありませんでした。
坂本 おっ、気づいたね。最近ドンキは中食、つまり買ってきて家で食べるごはんに注力しているんです。店内調理も中食強化策の一環でしょう。2026年下期からは、面積の6割が食品売り場の「食品強化型ドンキ」の展開も始まります。35年には200~300店舗を目指すとか。
助手 ディスカウントストアというよりスーパーみたいですね。なんでそんな方向転換を?
坂本 実質賃金の低下やインフレで、消費者は「少しでも安い物を」という意識が強くなっているんです。そこを取りにいくなら、手薄な食品を強くするのが手っ取り早い。
助手 でも加工が必要な中食は、ノウハウがないと大変なんじゃ?
坂本 だから専門の会社と手を組んだんです。その成果のひとつが、そこにある「偏愛めし」シリーズです。
助手 思い出しました! 最近かなり話題になってますね。「フライドチキンの皮だけ弁当」とか「あんだく溺れ天津飯」みたいな、強烈な個性がウリのプライベートブランドですよね。報道では、月間1億円規模の売り上げなんて話もありました。
坂本 そう。「みんなの75点より、誰かの120点」がキャッチフレーズの、かなりとがったシリーズだね。これらを製造しているのがカネ美食品という上場企業なんです。同社は名古屋地盤の惣菜メーカーで、工場で作った弁当や惣菜をコンビニやスーパーに納める外販事業と、スーパーやモールの売り場に入ってすしや揚げ物を作って売るテナント事業のふたつを展開しています。
助手 もしかして、ドンキの店内調理もカネ美食品?
坂本 うん。それどころか、テナント出店してる例もある。
助手 ずいぶんドンキに食い込んでるんですね。
坂本 去年8月にドンキ運営会社の子会社になったからね。そのおかげで仕事がどんどん増えているんです。単純にテナントの出店余地や販売先が広がっただけでなく、ドンキが食品強化の一環で惣菜の増量セールや偏愛めしの販促をしているから同じ売り場面積でも数が出るようになった。しかも同一グループなので新規施策がいち早く伝わる。だから、あらかじめムダのない生産体制を構築できて利益も出やすくなるわけ。
助手 好循環ですね。
坂本 実際、2026年2月期の中間期にはドンキ運営会社向けの納品額が伸び、4つの工場をドンキ専用にするなど好調さがうかがえます。一般的に、中食の卸売りを手がける企業は取引先企業の出店方針に振り回されて業績が安定しづらい面があるんだけど、カネ美食品は強力な取引先が親会社になったことで、安定的に成長できる条件が整ったと思います。
助手 おぉ、投資してみたくなりました!
坂本 いいんじゃないかな。PERは19倍前後で激安ではないけど、ドンキグループ入りで成長のきっかけができたし、惣菜市場自体も年々拡大しています。株主優待をもらいながら、ゆっくりと成長を待つような投資に向いていると思います。
今週の実験結果
ドン・キホーテのグループに入り、飛躍の兆しが見えます!