山下メロやました・めろ
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、世間では東京都知事選が注目されています。政治の中心地である東京の知事を決める選挙。そこから国政への影響について思いを巡らせる人もいることでしょう。
そんな中、平成の政治家グッズを紹介します。特に90年代末は塗装された樹脂製の立体マスコットが主流になりはじめ、個性豊かな政治家グッズも登場しました。
特にグッズが多かったのは2001年から内閣総理大臣となった小泉純一郎さん。首相としての小泉さんは「聖域なき構造改革」のスローガンや「小泉劇場」、電撃訪朝や郵政民営化など話題を提供し続けました。
一時は支持率が80%近く、人気が過熱したことから、自民党が自らポスターや携帯電話ストラップなど公式グッズを製作。自民党本部には、それらを求める人が押し寄せるほどでした。
ストラップには2頭身に簡略化しつつ本人に忠実に立体化した小泉さんのマスコット。さらにストラップ部分には自民党のサイトURL。その下にはミニ米俵。内閣発足直後の所信表明演説において、小林虎三郎の故事「米百俵」を引用したものでしょう。細部までこだわって作られています。ちなみに、米百俵は2001年の新語・流行語大賞に選ばれました。
あまりに人気すぎて、ハイクオリティで供給される公式グッズだけにとどまらず、非公式グッズも多数登場します。これらは小泉内閣で女性初の外務大臣に就任した田中眞紀子さんとのペアが定番。
例えば「小泉劇場」をもじった「純ちゃん劇場」。そして、なぜか歌手のT.M.Revolutionのパロディっぽい名前の「J.M.Revolution」。「Junichiro & Makikoで改革する」という意味なのでしょうが、もはや訳がわかりません。
さらに極め付きはライオンの着ぐるみっぽいキャラの「SHISHIRO」。特徴的な長髪がライオンヘアと呼ばれたからといって、何も時の首相を獣人化しなくても......。
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。