日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『センチメンタル・バリュー』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。愛憎入り交じる「親子」という名のしがらみをテーマに撮り上げた家族ドラマ!
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『センチメンタル・バリュー』
評点:★3.5点(5点満点)© 2025 MER FILM/EYE EYE PICTURES/LUMEN/MK PRODUCTIONS/ZENTROPA ENTERTAINMENTS5 APS/ZENTROPA SWEDEN AB/KOMPLIZEN FILM/BRITISH BROADCASTING CORPORATION/ARTE FRANCE CINÉMA/FILM I VÄST/OSLO FILM FUND/MEDIEFONDET ZEFYR/ZDF/ARTE© 2025 MER FILM/EYE EYE PICTURES/LUMEN/MK PRODUCTIONS/ZENTROPA ENTERTAINMENTS5 APS/ZENTROPA SWEDEN AB/KOMPLIZEN FILM/BRITISH BROADCASTING CORPORATION/ARTE FRANCE CINÉMA/FILM I VÄST/OSLO FILM FUND/MEDIEFONDET ZEFYR/ZDF/ARTE

映画監督の父と女優の娘のわだかまりの行く末は......?

子供のときに父親が出ていってしまい、その後舞台女優として活躍するようになるも喪失感を隠しきれない女性の物語......かと思ったら、母の死をきっかけに父親が戻ってきて、彼の話も主人公と同じ程度のボリュームで語られることになる。

父親は名を成した映画監督で、久しぶりに撮る新作の主役を娘に演じてもらいたいのだが、わだかまりの根は深く、娘もなかなか首を縦に振らない。

父親の新作はまた、四代続けて同じ家に暮らし続けたこの一家の歴史を色濃く反映したものでもある。

ありきたりな物言いになるが、いろんな愛情や葛藤や死をその家はずっと見続けてきたのだ。

見どころはなんといっても主人公を演じるレナーテ・レインスヴェや父親を演じるステラン・スカルスガルド以下、役者陣の説得力ある演技で、そのおかげで架空の一家の歴史と父娘の気まずい関係性が「信じられる」ものになっている。

冒頭、娘が子供時代に書いた作文という形で、一族の「家」自体がもう一人の主人公のように語られる場面があったので、家と人間との関係性がもっと深掘りされるのかと思ったが、ラストで家が完全に脇に追いやられていたのは皮肉なのかどうか、判断が難しいところだ。

STORY:オスロで俳優として活躍するノーラと、息子と穏やかに暮らす妹アグネス。そこへ幼い頃に家族を捨てて以来、⻑らく音信不通だった映画監督の父が現れる。自身15年ぶりの復帰作となる新作の主演を娘に依頼するためだった




監督・脚本:ヨアキム・トリアー
出演:レナーテ・レインスヴェほか
上映時間:133分

全国公開中

★『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』は毎週金曜日更新!★

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