
濱田祐太郎
はまだ・ゆうたろう
濱田祐太郎の記事一覧
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】
盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎さん
『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎のコラムが週刊プレイボーイで好評連載中! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。
第14回は、2月1日の単独ライブについて。
* * *
皆さんこんにちは、濱田祐太郎です。
今回は2月1日に行なった僕の単独ライブの話をしようと思います。目の見えない芸人はいったいどんな単独ライブをやったのでしょうか?
会場となった新宿・紀伊國屋ホールのキャパシティは400席だったんですけど、正直なところ、「そんなにお客さんが来てくれるのかな?」ってずっと不安でした。
いっそ紀伊國屋ホールより洞窟とかで開催したほうがいいんじゃないかと思っていたくらい。洞窟なら暗いし、お客さんが少なくても周りにバレないだろう、と。難点があるとしたらネタをしてるときにたまにコウモリが飛んでくるくらいでしょ。
でも結果的にチケットは完売。当日は満席で、本当に安心しました。これはもう、砂漠でさまよって喉がカラカラな状況で、無料で飲めるウォーターサーバーを見つけたときぐらいの安心感。そんな体験したことないですけど。
公演は3部構成で、1部が30分の漫談、2部が30分のゲストコーナー、そして3部で再び30分の漫談をやってエンディングという構成でした。
本当は後半30分は漫談ではなく、たくさんのセクシー女優さんに来てもらって、プロ野球の優勝チームのビールかけみたいに聖水かけでフィナーレを迎えたかったんですけどね。その夢はかないませんでした。
ところで、目の見えない僕はネタをやるときどうやって時間を確認していると思いますか? いくつか方法はあるんですが、今回は音声で時間を読み上げてくれる時計を持っていって、舞台上で確認しました。
ライブが始まって最初の漫談。話のキリがいいところで、お客さんに「ちょっと時間を確認しますね」と言って音声を流したら、ぴったり30分。思わず「すげえ、ぴったり30分や」と声に出したら、お客さんも驚きで拍手喝采でした。
事前に練習もしてなかったし、ネタ時間なんて普段計らないから、お客さんよりも僕のほうが驚いていたと思います。本当にすごい偶然だったなあ。
ゲストコーナーは、バイク川崎バイクさんに来てもらいました。登場してすぐ、定番のギャグで会場は大盛り上がり。その後は、ふたりで失恋話をしたり、目の見えない僕がジェスチャーゲームをやってみるというなかなか攻めた企画をしたりで、めちゃくちゃ楽しかったです。
ジェスチャーゲームのとき、バイクさんが僕を舞台中央に誘導してくれたんですけど、「ここが本当に真ん中かどうかわからんで」ってボケられたり、その後のエンディングでバイクさんと一緒に舞台に出たら、今度は本当に舞台の端っこに連れていかれて、僕が「ちゃんと真ん中に連れてってください!」とツッコんだりして、とにかくトップスピードで駆け抜けましたよ。
お客さんもしっかりついてきてくれて、いいライブになったと思います。目が見えないことを僕がネタにしても、バイクさんがネタにしても面白いから笑いが起こる。これが健全なお笑いの姿だと思います。
ちなみに、ライブの後は打ち上げをやるわけでもなく、楽屋にあったのり弁をもらって、すぐに宿泊先のホテルへ行ってひとりで食べました。あれ? なぜだか涙が。
ライブを担当してくれたおっちゃんの社員は「打ち上げやりましょう!」って言ってくれてたんですけどね。寂しいとかじゃないんですけど、何かを忘れようとして、その夜は朝まで9時間たっぷり寝ました。
●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう)
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】