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新年度の緊張が解ける5月は、環境の変化によるストレスから心身の不調を感じやすい時期だ。2025年には改正労働安全衛生法が公布され、ストレスチェックの実施義務が全事業場へ拡大されるなど、社会全体のメンタルヘルス対策は年々強化されている。
厚生労働省などの情報においても、ストレス軽減には休養や環境の調整が重要とされており、近年では、デジタル環境から意識的に距離を置くことや、五感を通じて心身をリラックスさせる「環境調整」の有効性が再認識されている。今回はその一環として、日常に「色」を取り入れ、視覚から気分を整えるアプローチを紹介する。
生活環境における色は、人の気分や印象に影響を与える要素の一つとして活用されている。五月病の多くは、新しい環境への適応に向けた無理や緊張、それに伴うストレスの蓄積が主な原因とされる。色を変えるだけで不調がすべて治るわけではないが、視覚情報をコントロールすることで、沈んだ気分を切り替える小さなきっかけ(トリガー)を作ることが、メンタルケアの第一歩となる。
黄色は一般的に「希望」「喜び」「明るさ」を連想させやすい色である。


五月病の大きな要因はストレスであり、それに伴う自律神経の乱れが心身の不調を引き起こす。この心の安定に深く関わるのが、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」だ。
一部では「黄色を見ればセロトニンが出る」と言われることもあるが、直接的な医学的因果関係は証明されていない。しかし、視覚から入る明るい色の情報は、脳に「日中の活動時間」であることを印象づける。適度な運動や日中の活動がセロトニン分泌を促すことは知られており、黄色を取り入れた明るい環境は、こうした活動的な生活リズムへ自然に気持ちを向ける「きっかけ」の一つになり得るのだ。
五月病からの回復には良質な睡眠も欠かせない。夜間のブルーライト(青色光)が、睡眠と覚醒のリズムを整えるホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまうことは、多くの研究で確認されている。
スマートフォンの画面を暖色系(黄色〜オレンジ系)に切り替える「ナイトモード」機能は、この青色光の刺激を和らげる。ただし、設定を変更するだけで睡眠が劇的に改善するかは研究結果が分かれているため、「画面の明るさを物理的に下げる」「就寝前の使用時間を減らす」といった工夫と併用するのが、エビデンスに基づく確実なセルフケアだ。
視覚情報として色が脳に届く際、強すぎる刺激は逆にストレスとなる。黄色の効果を快適に取り入れるためには、配色の工夫が必要だ。
色彩によるアプローチは、大がかりな投資を必要としないのが利点だ。数百円の文房具や一輪の花から始められる。ただし、安価だからといって一度に大量の黄色を導入すると、部屋の統一感が損なわれ、視覚情報が過多になってしまうリスクがある。

黄色は視覚的な刺激が非常に強い色であるため、使用量とシーンには注意が必要だ。
現代の五月病対策は、精神論に頼らず「環境を心地よく整える」ことが一つの合理的な選択肢となる。
根本的なストレス対策を主軸に置きつつ、日々の気分をわずかに上向かせる「色」の力を、セルフケアの補助的なツールとして活用してほしい。