【みんなの給与明細】シャネルや日産...誰もが知る有名企業のリアルな給料は?

取材/鈴木 旭 友清 哲 西田哲郎 東川 亮 東田俊介 南ハトバ 茂木響平 山口真央 吉岡 俊 吉川明子 文/友清 哲 イラスト/服部元信


日本経済に何よりも必要なのは賃上げ! そう信じる週プレは、現役世代の賃金事情を2023年から毎年調査し続けてきました。物価上昇が始まってはや4年。ベアはどこまで浸透した? ボーナスは? 原油高やAIの影響は? 総力調査した!

第5回では、誰もが知るあの会社やこの会社の貴重なインサイダー情報をキャッチ!【みんなの給与明細2026年 春闘お疲れさまでしたVer. Part5】

*本特集に出てくる年収やボーナスは、額面の金額です。すべて個人に対する取材によるもので、職種や業界の平均値ではありません

*  *  *

【一流企業はホントに華々しい? ピカピカの有名企業】

●大手総合商社 総合職(男/20代後半)

<年収>820万円 
<冬のボーナス額>60万円 【前年比】→ 
<ベアは?>あり

某大手自動車メーカーの海外営業の業務移管を受けている。例えば米国においては、本土はその会社が自ら管轄しているものの、カリブ諸国などは法規制や市場の変化に対応しにくいため、われわれが業務移管を受けている。

具体的な仕事としては、貿易実務をはじめ、生産計画や販売計画の立案などが中心。現在3年目だが、ずっと過去最高業績を更新し続けており、今のところベアも毎年ある。

これは自社に限らず業界全体の傾向で、待遇も良好。特にベアについては競合他社の動向も参考に、労働組合が会社に申し入れを行なっているおかげ。

●日産自動車 エンジニア(男/20代後半)

<年収>600万円 
<冬のボーナス額>60万円 【前年比】→ 
<ベアは?>あり

そもそも今期は6500億円の赤字となる見通し。2万人のリストラなども発表されており、足元の円安のメリットはそこまで感じていない。

本来であればこうした円安時には輸出企業は儲かるのが定石なのだが、日産は部品を輸入に頼っているため実情はトントン。

生活実感としても、給料が上がった分はインフレで相殺され、こちらもやはりトントンの印象。ただ、ありがたいことに冬のボーナスは普通に出た。

誤解されがちだが、年功序列の会社ではなく、かなり実力主義で給与が決まる。上司の評価次第でどんどん上がる人もいる。

●村田製作所 営業(女/20代前半)

<年収>350万円 
<冬のボーナス額>10万円 【前年比】1年目なので不明 
<ベアは?>なし

まだ1年目ということもあり、商品知識が乏しいことに悩んでいる。そもそも苦手意識があるため、自社が扱う電子部品の知識がまるで頭に入ってこない。

資料作成や顧客から問い合わせがあった際には、やむをえずAIに頼っている状況だ。

そんな悩みをよそに、会社の四半期決算では増収増益。データセンター向けのコンデンサーという電子部品が絶好調で、ちょっとしたバブル景気の様相だ。

ただ、電子部品の原材料となる金や銀、銅が値上がりしているのはマイナス材料。投資家たちは、貴金属を使ってものづくりをしている人のことを考えてほしい。

●大手製薬会社 総務部(男/30代前半)

<年収>850万円 
<冬のボーナス額>100万円 【前年比】↑ 
<ベアは?>なし

メーカー2社を経てこの業界に転身してきた。転職エージェントをうまく使えたためか、年収はここまで順調に右肩上がり。われながら、ジョブホッピングが成功したと思う。

現在の所属は総務部。最近、社内体制の大幅な刷新があったため、複数の部署から舞い込んでくる雑用に追われて大変だった。

また、なまじ知名度のある会社であるため、メディア露出の機会も多く、担当者のアサインやスケジュール調整などの細かな業務が次々に発生するのも悩みの種。

もっとも、おかげで会社として活気があり、親や親戚の前で鼻が高い思いをしているのも事実である。

●KADOKAWA 映像事業(男/20代後半)

<年収>780万円 
<冬のボーナス額>65万円 【前年比】↑ 
<ベアは?>なし

KADOKAWAで映像事業に携わっているが、最近少し不便に感じているのは、下請法が取適法に変わったこと。下請け会社との力関係が以前とはまるで違ったものになった。

現在は、制作会社などの外注先から協議を求められた場合、応じる義務がこちらにあり、下請けの立場が急激に強くなっている。アニメの制作費が急騰しているのもそのためだ。

なお、『鬼滅の刃』のメガヒット以降、アニメは儲かるという認識が広まり、参入プレイヤーが激増。かく言うKADOKAWAグループでも制作本数は増えていて、一説には15年前の3~4倍に達しているとか。

●シャネル 予算管理(男/20代後半)

<年収>650万円 
<冬のボーナス額>130万円 【前年比】→ 
<ベアは?>なし

ネームバリューにかかわらず、アパレル業界の賃金水準は非常に低いので、年収650万円は実は圧倒的な高水準。

シャネルの場合、インセンティブ(成果に応じた報奨金)のない店舗の販売員でも年収500万円くらいもらっているはずで、新宿店の店長職ともなれば1500万円に達するといわれている。

自分の役割は予算管理。新宿の店舗を担当していたときは、芸能人も頻繁に来店していたし、1日の売り上げが1億円を超えることもあった。

その半面、意外な部分がイケていないのも特徴で、つい最近までWindows 2000搭載のパソコンを使っていた。

●大手航空会社 パイロット訓練生(男/20代前半)

<年収>400万円 
<冬のボーナス額>50万円 【前年比】→ 
<ベアは?>なし

パイロット訓練生の立場だが、トレーニングの一環で、今は地上職としてさまざまな部署に満遍なく派遣されている。

1、2年ほど地上勤務をした後、約3年間の本格的な訓練に移行する。その間、低待遇は変わらないが、パイロットになれば1年目から年収が1200万~1500万円に跳ね上がる。

その日を待ち望み、車や家を買うことをモチベーションにみんな頑張っている。

なお、航空業界はなぜか温厚な人が多く、とりわけパイロットは皆、外向的で気さくな印象がある。インバウンド需要で業界全体が上向きなのもその一因かもしれない。

  • 友清哲

    友清哲

    ともきよさとし

    ルポライター、編集者。1974年生まれ、神奈川県横浜市出身。編集プロダクションを経て、1999年よりフリーライターとして独立。2001年から「このミステリーがすごい!」の編集に携わり、エンターテインメントの評論活動を行なう。17年には父親をテーマにしたアンソロジー『I Love Father』に参加し、小説家デビュー。『物語で知る日本酒と酒蔵』『日本クラフトビール紀行』など著書多数。
    Instagram【satoshi.tomokiyo】

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