プロ野球2026「大化け」する投手&野手は誰だ!? 総勢37人を全力分析!!

写真/時事通信社

森下翔太(阪神/外野手) 昨季は打率.275、23本塁打をマーク。WBCの準々決勝では値千金の3ランを放った森下翔太(阪神/外野手) 昨季は打率.275、23本塁打をマーク。WBCの準々決勝では値千金の3ランを放った
球界を代表する"S級"候補から、復活を遂げたベテラン、ポテンシャル抜群のトッププロスペクトまで、総勢37人を野球評論家・お股ニキ氏が全力分析する!! *成績はすべて5月6日時点

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【球界を代表する"S級"候補の6選手】

開幕から1ヵ月半が経過したプロ野球。昨季と比べて進化やレベルアップ、劇的復活を遂げて「大化け」しそうな選手を考察する、本誌恒例企画の季節がやって来た!

そもそも「大化け」とは、無名の若手がレギュラーをつかむケースだけを指すわけではない。すでに実績のある選手が「球界を代表するレベル」へと劇的な進化を遂げたり、くすぶっていたベテランが環境の変化を機にキャリアハイの成績を残したりといった、スケールの大きな飛躍の総称を「大化け」と本企画では定義したい。

「どんな選手も急激に進化するわけではありません。元から良かった選手があるとき急に何かをつかんだり、復活したりするケースがほとんどです」

こう語るのは、村上頌樹(阪神)のブレイクや菅野智之(ロッキーズ)の復活をいち早く予言するなど"驚異の的中率"を誇る、本誌おなじみの野球評論家・お股ニキ氏だ。

そんな"目利き"が今季、球界を代表する"S級"へ進化しそうな選手として真っ先に名前を挙げたのが、阪神の森下翔太佐藤輝明。すでに実績のあるふたりだが、WBCを経て、選手としての格がさらにもう一段上がったという。

まずは、開幕から本塁打を量産する森下について。

「WBC準々決勝のベネズエラ戦で負傷した鈴木誠也(カブス)に代わって出場。変化球に泳がされながらもレフトスタンドへ運んだバッティングが象徴的でしたが、どんな球種もとらえる打ち方になった。打てるポイントが点から線になったイメージです。

打席で『どうぞ、いらっしゃい』と構えられる打者になりましたよね。これが投手にとっては一番嫌。全盛期の落合博満氏(ロッテほか)のような懐の深さがにじみ出るようになってきた。

WBCでもMLB組と遜色なかったですし、大谷翔平(ドジャース)の後ろを打てる日本人野手は、鈴木か森下ぐらいしかいません」

佐藤輝明(阪神/内野手) 昨季は本塁打と打点の2冠に輝き、リーグMVPも受賞。今季は三冠王も狙える状態だ佐藤輝明(阪神/内野手) 昨季は本塁打と打点の2冠に輝き、リーグMVPも受賞。今季は三冠王も狙える状態だ
一方、佐藤については、本塁打と打点の2冠に輝いた昨季の状態から、もう一段上の領域、MLB級へと進化したとみる。

「甲子園を本拠地とする阪神の選手ながら、昨季40本塁打を放った時点で球界最高峰の打者です。ただ、もともと打率が残るタイプではなく、昨季も打率2割7分台でしたが、今季は開幕から打率が残るスイングになり、セ・リーグ打率ランキングを独走する.385をマークしています。

岡本和真(ブルージェイズ)や村上宗隆(ホワイトソックス)はスタンスもストライドも広いのに対し、大谷と佐藤は狭め。バットを寝かせる動きも含めて、体の使い方がMLBの一流打者のそれです。ドジャースが一番好みそうな動作と言えます」

野手だけではない。投手でS級候補に位置づけられるのが、"ガラスのエース"と呼ばれ続けた髙橋遥人(はると/阪神)だ。

髙橋遥人(阪神/投手) 今季は5試合に投げ、驚異の4完封。ケガから完全復活し、無双モードに入った髙橋遥人(阪神/投手) 今季は5試合に投げ、驚異の4完封。ケガから完全復活し、無双モードに入った
「髙橋は、ここ数年キャンプを完走できた記憶がなかったのですが、今年は開幕ローテに入り、5試合で4完封、防御率0.21と無双。

彼がすごいのは、球の回転数が2200回転程度と高くはないのにスピードがあること。回転数が少なくて球速のある球は、弾丸のように打者の手元に突き刺さるイメージです。そこに140キロ前後のスプリットとスラッターがそれぞれ斜めに落ちる。

その投球スタイルは、サイ・ヤング賞2度受賞のジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)の左腕版と言いたくなるほどです。

日本ハムから移籍してきた伏見寅威(とらい)とバッテリーを組んでいますが、伏見はスプリット投手の扱いがうまいので相性抜群。ケガだけが怖いので、内容が抜群とはいえ、過度な負担だけは避けてほしいです」

さらに、リリーフから先発へ配置転換し、大成功を収めている栗林良吏(りょうじ/広島)と平良海馬(かいま/西武)もS級候補入り。

「栗林はすべての球が決め球にもカウント球にもなる球界最高峰の投手。昨季はリリーフ特有の勤続疲労で本来の投球に陰りが見え始めていたので、先発転向は彼のピッチングを最大限生かす素晴らしい決断でした。

平良はWBCを辞退してまで先発の準備を仕上げました。もともと多くの球種を操る投手ですが、今季は一番結果の出るカッターとフォークをメインにしたスタイルに。防御率0.95という結果がその組み立ての正しさを物語っています」

栗林良吏(広島/投手) 通算134セーブの守護神が今季から先発転向。プロ初先発ながら95球で初完封した栗林良吏(広島/投手) 通算134セーブの守護神が今季から先発転向。プロ初先発ながら95球で初完封した
そして、40歳近い年齢(38歳)でなお一線級の働きを見せているのが、ラファエル・ドリス(阪神)だ。

「スプリットとスラッターのキレが抜群で、いまだトップクラス。ベテランの域に入って衰えるどころか、むしろ精度を上げてきている。今やリーグを代表するリリーバーと言って差し支えありません」

【急成長組とブレイク継続組】

S級候補の6人に続くのは、お股ニキ氏が「昨季から一段上がった」と評する急成長組だ。

椋木蓮(オリックス)は、ルーキー時代から私が『天才』と言い続けてきた投手。昨季終盤の投球が素晴らしく、伸びのあるフォーシーム、フォークに加え、スライダーもモノにし始めており、リーグ屈指のリリーバーになりつつあります。

奈良間大己(日本ハム)はパンチ力に加えて打率も残せるようになり、守備でも走塁でもしっかり動けています。渡部遼人(わたなべ・はると/オリックス)は打撃の成長が著しく、一時は打率4割超え。俊足で8盗塁をマークしながら失敗ゼロで、センターの守備も周東佑京(うきょう/ソフトバンク)や辰己涼介(楽天)に匹敵するほど素晴らしいです。

村松開人(中日)は好調時の打撃の形が高橋由伸氏(巨人)をほうふつとさせます。ヤクルトキラーぶりも健在です。古賀優大(ヤクルト)は打球速度183キロを計測するなど、守備型捕手から打撃型捕手へと変貌し、ヤクルトの快進撃を支えています」

椋木蓮(オリックス/投手) 昨季終盤、自ら志願して先発からリリーフに転向。今季はプロ初セーブも記録している椋木蓮(オリックス/投手) 昨季終盤、自ら志願して先発からリリーフに転向。今季はプロ初セーブも記録している奈良間大己(日本ハム/内野手) 内野全ポジションをこなすユーティリティ選手。今季は打撃の進化が目覚ましい奈良間大己(日本ハム/内野手) 内野全ポジションをこなすユーティリティ選手。今季は打撃の進化が目覚ましい
そして、昨季結果を残し、今季も順調な仕上がりを見せるセ・パの若きアベレージヒッターの名前が挙がった。

泉口友汰(巨人)は私がドラフト前から評価する打者。昨季はリーグ2位の打率.301を記録しましたが、今季はパワーが加わり、長打も出始めました。

西川史礁(みしょう/ロッテ)はルーキーイヤーの昨季、リーグトップとなる27本の二塁打を放ち、新人王に輝いた。今季は右手の故障明けながら長打力を伸ばし、現役時代のサブロー監督のようなスケール感が出てきました」

さらに、ドラフト1位として期待されながら突き抜け切れていなかった藤原恭大(きょうた/ロッテ)が覚醒前夜だという。

「やっと結果が出始めた段階ですが、ノーステップ気味の打ち方は今季のボールとの相性も良さそう。角中勝也(ロッテ)の後継者となる可能性があります」

【ポテンシャル開花&リリーバー、進化する投手たち】

次に紹介するのは、「球は良いのに結果が出ない」と長らくいわれてきた中、ようやくポテンシャルを発揮し始めた先発投手たちだ。

荘司康誠(楽天)は今季ようやくその才能が結果に結びつき始めました。初の開幕投手も納得の内容です。達孝太(日本ハム)は昨季ブレイクを果たしましたが、今季は平均球速150キロ超えのフォーシームに変化球も多彩。少しずつ調子を上げてきています。

柳川大晟(たいせい/日本ハム)はフォーシーム、フォーク、スラッターとすべての持ち球で空振りが取れる能力がある。達と同じく、圧倒的な成績を残せる器を持っています。松本健吾(ヤクルト)は"リトル菅野"と呼びたくなるほどの総合型。ピッチングセンス抜群で、今季は開幕から結果を出し始めています」

続いて、目立たぬ存在ながら確かな仕事ぶりでチームを支える、中継ぎの一角を担う4人を一挙紹介。

木村光(ソフトバンク)は通算防御率0点台でフォークが抜群。杉山一樹、藤井皓哉(こうや)を欠くブルペンの勝ちパターン入りが濃厚で、抑えも狙える存在です。横山楓(オリックス)はショートアームから繰り出すフォーシームとカッター、カーブで三振が取れます。

田中千晴(楽天)は則本昂大(たかひろ)の人的補償で巨人から移籍。150キロのフォーシームとフォークが武器で、巨人が生かせなかった良さを楽天で開花させる可能性もあります。廣澤優(ヤクルト)は193㎝の長身で、これまで力任せだった投球を変化球中心の配球に切り替えました。一気に化けるかもしれません」

さらに、中堅やベテランの領域に入ってもなお進化を続ける投手3人の名前が挙がった。

上沢直之(ソフトバンク)は今季フォーシームの球速が上がり、開幕投手も納得の内容です。スプリット系からジャイロフォークへと変化球も進化し、あと2人でノーヒットノーランの快投も演じました。

田中正義(日本ハム)はフォーシームの質が球界最高クラス。フォークとスライダーも精度を上げ、"8回の男"として5試合連続ノーヒット投球を披露するなど好調を維持しています。高梨裕稔(ヤクルト)は伸びのあるフォーシームとフォークで復調傾向です」

【復調組&新外国人、超プロスペクトたち】

ケガや極度の不振に陥ったものの、今季再び輝きを放ち始めた復調組も注目だ。まずは実績のある投手5人から。

山﨑康晃(DeNA)は『減量が必要』と長年言い続けてきましたが、今季は減量してキレが戻り、抑えに返り咲きました。奥川恭伸(ヤクルト)も久々にケガなく投げており、技術力と制球力で試合をつくっています。

大津亮介(ソフトバンク)はチェンジアップを筆頭に多彩な変化球を生かす球威が戻り、一昨年前半の状態に戻りました。髙橋光成(こうな/西武)はフォーシーム、ワンシーム、カッターの速球や変化球の使い分けが向上。柳裕也(中日)も本来のキレが戻っています」

大津亮介(ソフトバンク/投手) 今季ここまで防御率1.03、4勝を記録。年をまたいで7連勝中と抜群の安定感を誇る大津亮介(ソフトバンク/投手) 今季ここまで防御率1.03、4勝を記録。年をまたいで7連勝中と抜群の安定感を誇る
続いて、復調傾向にある野手3人。

大城卓三(巨人)は本来のバッティングを取り戻し、不遇を脱却。辰己涼介(楽天)も一昨年までの良い状態に戻りました。木浪聖也(阪神)も日本一に貢献した2023年の打撃を取り戻し、勝負強さで違いを見せています」

実力派の新外国人2人も見逃せない。

ホセ・キハダ(ヤクルト/投手) 最速157キロを誇るベネズエラ出身左腕。エンゼルス時代に大谷翔平と同僚だったホセ・キハダ(ヤクルト/投手) 最速157キロを誇るベネズエラ出身左腕。エンゼルス時代に大谷翔平と同僚だった
ホセ・キハダ(ヤクルト)は、私が来日前から評価していたとおり、質の高いフォーシームを投げています。ショーン・レイノルズ(DeNA)は身長203㎝の剛腕で、フォーシームとスラッターのコンビネーションが楽しみな投手です」

最後に紹介するのは、お股ニキ氏が「近い将来、球界を代表する選手になるトッププロスペクト」と語る田中陽翔(はると/ヤクルト)と篠原響(西武)。

田中陽翔(ヤクルト/内野手) 高卒1年目の昨季終盤戦で猛打賞を記録。今季も持ち前の打撃センスを発揮している田中陽翔(ヤクルト/内野手) 高卒1年目の昨季終盤戦で猛打賞を記録。今季も持ち前の打撃センスを発揮している篠原響(西武/投手) 高卒2年目、19歳の剛腕。今季開幕直後に自己最速を更新する157キロをマークした篠原響(西武/投手) 高卒2年目、19歳の剛腕。今季開幕直後に自己最速を更新する157キロをマークした
「田中陽翔は高卒2年目にして、すでに別格のオーラを放っています。4月18日の巨人戦では、ライデル・マルティネスの150キロを超えるフォーシームをはじき返し、サヨナラ勝ちにつながる二塁打を放ちましたが、打ち方が本当にいいんです。このまま順調に育てば、日本を代表する打者になる器だと思います。

篠原は高卒2年目にして157キロのフォーシームを投げ込み、キックチェンジといった変化球の精度も素晴らしい。まだ線は細いですが、球の質と体の使い方はMLB級のポテンシャルを秘めています。

篠原のような規格外の素材は、オリックス時代の山本由伸(ドジャース)が高卒2年目にリリーフで経験を積んだように、まずは短いイニングで1軍のレベルに慣れさせながら、スケール感を維持したまま大事に育ててほしいです」

果たして、今季「大化け」するのはいったい誰なのか。名前の挙がった選手たちから目が離せない!

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