
直井裕太
なおい・ゆうた
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ライター。尊敬する文化人は杉作J太郎。目標とするファウンダーは近藤社長。LINEより微信。生活費の支払いは人民元という国境を越えるヒモおじさん。ガチ中華はブームじゃなくって、主食です。
これまでSIMフリー端末は、大手家電量販店やEC、メーカー直販で購入するのが当たり前でしたが、そこに通信キャリアも緊急参入。キャリアからSIMフリー端末を購入するメリットやデメリットを紹介します!
※本記事で紹介した製品情報は5月6日時点のものです。
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iPhoneやPixelなどの人気シリーズの新モデルは通信キャリアで買うのが一般的。その一方、キャリア独自アプリのプリインストールや機能のカスタマイズが施されない「SIMフリー端末」と呼ばれるモデルは、これまでは大手家電量販店やEC、メーカー直販での販売が中心だった。しかし、最近はキャリアもこれらを販売するようになっているという。
キャリアが販売するSIMフリー端末をユーザーが選ぶことのメリット・デメリット、そしてメーカーやキャリアがこの新しい販売方式を始める理由を、ITジャーナリストの法林岳之さんに解説してもらいます!
――現在、キャリアのSIMフリー端末の販売はどのように行なわれているのですか?
法林 KDDIはもともとSIMフリースマホやスマートウオッチ、各種アクセサリーを「au +1 collection」として販売していました。今年4月からは「au Flex Style」として新ブランドを立ち上げ、SIMフリー端末の販売を行なっています。
ソフトバンクは昨年11月から「SoftBank Free Style」を開始。また楽天モバイルでは、もともとキャリアモデルとSIMフリー端末が併売されています。
au Flex Style KDDIのSIMフリースマホ販売ブランドとして4月15日から始まった販売方式。デザインとコスパで人気のNothing、OPPOのフォルダブル(ふたつ折り)端末や大定番のarrowsなどがラインナップ。もちろんポイント還元キャンペーンも充実!
SoftBank Free Style 昨年11月からスタートしたソフトバンクのSIMフリースマホ販売ブランド。シャオミのミドルモデルやフラッグシップモデル、さらにはゲーミングスマホなども販売される。au、ソフトバンクで販売される端末は共に「おサイフケータイ」の有無に要注意!
――NTTドコモは?
法林 NTTドコモは5G回線にn79という周波数帯を割り当てられており、これに対応するSIMフリー端末のラインナップが少ないのです。なので、現状ではほかのキャリアを追随した販売方式は難しいですが、将来的にはドコモも参入すると考えています。
――しかし現在、大手家電量販店やECでもSIMフリー端末が販売されています。ユーザーがキャリアから購入するメリットは?
法林 まずは価格です。例えば、au Flex Styleなら最新のフォルダブル(ふたつ折り)スマホ「OPPO Find N6」が29万9900円。大手家電量販店やECでは31万8000円で販売されていますから、キャリアの割引率が高くなっています。
――確かに強力割引ですが、そもそも30万円超えのスマホ! もっと一般ユーザーが購入しやすいモデルは?
法林 au Flex Styleは5月8日から「Nothing Phone(4a)」を5万8800円で販売しています。
(右)auはau Flex Styleの端末、ワイヤレスイヤホンや各種アクセサリーを購入すると、抽選で最大1万Pontaポイントをもらえるキャンペーンを開催。(左)ソフトバンクのSoftBank Free Styleは、端末によっては2万PayPayポイントをもらえる強力キャンペーンがある。どちらも大手家電量販店やECより実質格安に購入できる
――この価格は、大手家電量販店やECでも同じですよね?
法林 ただ、大手家電量販店の場合は最大24回の分割。一方、au Flex Styleは最大48回の分割払い(1225円/月)が可能です。分割手数料もなく、さらにポイント還元のキャンペーンも行なわれています。
また、SoftBank Free Styleでは「REDMI Note 15 Pro 5G」を5万5008円で販売。さらに、6000PayPayポイントが還元され、最大48回の分割払い(1146円/月)にも対応。そして、回線契約を同時に行なうと1万2000PayPayポイントのプレゼントキャンペーンもあります。
au、ソフトバンク共に端末によっては大きな割引があり、さらにキャリア販売ならではのポイント還元、そして長期の分割払いが特徴です。
注意事項としては、au Flex Styleの分割払いは、【20万円以下の端末】のみに対応していることです。

Nothing Phone(4a) 【一括】5万8800円 【分割払い】1225円/月(48回) 5月8日からKDDIのau Flex Styleで販売が開始されたNothingの新コスパモデル。6.78インチ画面、おサイフケータイ、防水・防塵とキャリアモデル並みの機能を搭載しつつ、手数料なしの48回の分割払いにも対応

REDMI Note 15 Pro 5G 【一括】5万5008円 【分割払い】1146円/月(48回) 6.83インチの大画面で、おサイフケータイ、防水・防塵、6300mAhの大容量バッテリーを搭載。シャオミ製品は、6年間のセキュリティアップデートがあり48回の分割購入でも安心。SoftBank Free Styleで販売中
――48回の分割払いだと、購入後から最低4年間は端末を使用することになるユーザーが多いと思います。同一端末を使用する期間としては長くありませんか?
法林 Nothing Phone(4a)は、3年間のOSアップデートと6年間のセキュリティアップデートが提供されます。最近は格安モデルでも同様にOS3年、セキュリティ6年のアップデートが標準となっていますので、4年間の使用ならまったく問題ありません。
48回分割払いを利用しつつ端末を長く使って、端末購入プログラムよりも月々の支払額を抑えたいユーザーにオススメです。
近年のスマホの進化を考えると、一般的な2年おきの端末更新はむしろ早いぐらいです。ただ、格安、フラッグシップモデル問わず、使用して3年目あたりからはバッテリーの劣化が見られるようになります。
――そこで気になるのが、キャリアSIMフリー端末の補償サービス。これはどうなっているのでしょうか?
法林 キャリアが提供する補償サービスには対応していませんので、メーカーや一般の保険会社が提供する補償サービスを利用することになります。ただ、各キャリアは自社の経済圏で保険サービスを手がけていますので、将来的にはSIMフリー端末向け補償を扱う可能性もあります。
――SIMフリー端末はキャリアが提供するサービスや機能をフルで使えるのですか?
法林 キャリアモデルはおサイフケータイを搭載し、モバイルSuicaなどのタッチ決済に対応しています。一方、SIMフリー端末はOPPO Find N6のようにおサイフケータイ非対応の製品もあります。
また、auとソフトバンクはStarlinkを使った衛星直接通信サービスを提供していますが、販売するSIMフリー端末では現状、非対応となっています。しかし、どちらのキャリアも【動作確認できた端末から順次対応】としているので、今後は衛星通信も対応することになるでしょう。
OPPO Find N6 限定BOX 【一括】29万9900円 老舗カメラメーカーのハッセルブラッドと共同開発したカメラシステムを搭載する最新のフォルダブル端末。au Flex Styleで取り扱われ、大手家電量販店やECよりも格安で販売されている


OPPO Find X9 【一括】14万9808円 【分割払い】3121円/月(48回) SoftBank Free Styleで扱われる端末で、こちらもハッセルブラッドと共同開発したカメラシステムを搭載。現在、2万PayPayポイントの還元キャンペーンがあって、かなりのオトク度!

――ところで、このSIMフリー販売はキャリアやメーカーにとってどんなメリットがあるのでしょうか?
法林 まずキャリアとしては、iPhone、Pixel、Galaxyといった人気シリーズ以外は売れ残り在庫を抱えてしまうリスクがある。どのキャリアも近年はそういった実例があり、人気シリーズ以外を大量に導入するのが難しくなってきました。
そこで、端末のラインナップを維持しつつ、端末購入プログラム以外の分割払いでも販売できる手段としてSIMフリー端末が採用されることになりました。
メーカー側のメリットとしては直販、EC、大手家電量販店以外の新販路を確保できること。さらに、キャリアの要望を聞いて〝専用モデル〟を開発する必要がなく、納品する負担が圧倒的に小さいのも特徴です。
また、au Flex Styleは直営店やau Styleといった実店舗でも販売されます。これは、SNSなどでの露出は多くても実際にお店で実機を触る機会の少ないNothingのようなメーカーにとっては、PR的な部分で大きな意味があることです。
――では、今後ユーザーはキャリアのSIMフリー端末販売で、どういったモデルを狙うべきですか?
法林 5万円台から8万円前後の端末です。現状だとNothingやシャオミ製の端末になります。これらのメーカーだと、防水・防塵やおサイフケータイ、マイナポータルの対応といった機能が全部入り。OSのアップデート期間も長く、48回の分割払いに対応。もちろん、カメラ性能も申し分ありません。
現在、スマホは性能が頭打ち状態になっている一方で、端末価格は値上がり中。なので、5万円台から8万円前後の端末のコスパが際立っており、世界的に人気となっています。今後はこうした価格帯の端末がキャリアのSIMフリー販売で拡充されていくでしょうね。
――新スマホの購入検討時は、キャリアが販売するSIMフリー端末のチェックも忘れずに!