日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『ダーク・マッチ』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。 本格肉体派キャストで送るカナダ発バイオレンスホラー!

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『ダーク・マッチ』

評点:★3点(5点満点)©2024 Dark Match Inc. All Rights Reserved.©2024 Dark Match Inc. All Rights Reserved.

伝統のカナダ産、工夫いっぱいのスラッシャー映画

『誕生日はもう来ない』『血のバレンタイン』『プロムナイト』『テラー・トレイン』など、1980年代を代表するスラッシャー映画の多くはカナダ映画だった。

本作はその伝統(?)を引き継ぐカナダ産のオカルト/スラッシャー映画で、時代設定もしっかり1980年代。謎の招待を受けた小規模なインディペンデント系プロレス団体の面々は、雪原広がる田舎の会場へと向かう。

そこに待ち受けていたのは「リーダー」と呼ばれる男を中心とした不気味なカルト集団で、行なわれるマッチはどれも「儀式」の一部として「どちらか片方が死んで犠牲とならなければならない」という、とんでもないものだった。

最初のマッチで全部バレるし、そもそもそんな前提で誰も試合をしたがらないはずだ、と思われるかもしれないが、そこはしっかり色々手が打ってある。

「風」「水」「土」「火」といったテーマに沿って組まれたマッチの趣向も凝っている。マネージャーやレスラーそれぞれのキャラクターも立っていて、愛と復讐、そして友情が織りなすドラマもジャンル映画としては十分。

惜しむらくは編集のテンポがいまいちなところで、わずかずつシーンが長いことで全体がモッサリした印象になってしまった。

STORY:弱小プロレス団体に所属する悪役、ミス・ビヘイブ。ある日、団体宛てにテレビ放映のない非公認な試合への出場依頼が届く。高額の報酬に引かれ現地へ赴く一行だったが、そこは悪魔を神とあがめるカルト集団が牛耳る町だった

監督:ローウェル・ディーン
出演:アイーシャ・イッサ クリス・ジェリコほか
上映時間:94分

全国公開中

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