「日本ハム冷凍食品」は大ぶりシュウマイのパイオニア! シュウマイ潤が担当者に"シュウマイ愛"を聞く「30周年の節目に、日本ハムだから出来る新たな挑戦」【みんなが知らない、シュウマイの実力】

取材・文/シュウマイ潤 撮影/五十嵐和博

(右)日本ハム冷凍食品の小林氏と(左)シュウマイ潤(右)日本ハム冷凍食品の小林氏と(左)シュウマイ潤

連載【日本シュウマイ協会会長・シュウマイ潤の『みんなが知らない、シュウマイの実力』第19回

シュウマイ研究家のシュウマイ潤が、シュウマイを生業にする企業のトップや担当者、またはシュウマイにゆかりある著名人に「シュウマイ」を尋ね、新たな「シュウマイ愛」を発見し、さらなるシュウマイの可能性を探る!

今回は、大きめのサイズの「四川焼売」が来年3月で30周年を迎える、日本ハム冷凍食品 営業本部 東日本営業部 関東営業所長の小林 県(こばやし・あがた)氏に話を聞いた。

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中華の名店「四川飯店」監修シリーズの「海老焼売」、「国産豚の四川焼売」、「小籠包」、「黒酢酢豚」中華の名店「四川飯店」監修シリーズの「海老焼売」、「国産豚の四川焼売」、「小籠包」、「黒酢酢豚」

シュウマイ潤(以下、潤) 御社の看板シュウマイである「四川焼売」はもちろん知っていましたが、こうしてじっくりお話を聞く機会ができて、本当に嬉しいです。

小林 県(以下、小林) こちらこそ、弊社商品にスポットを当てて頂きありがとう御座います。

潤 そして、「四川焼売」が来年で発売30周年を迎えるとのこと! お恥ずかしながら、それほどのロングセラー商品だとは......。

小林 発売は1997年3月。人気テレビ番組で知られ、「四川飯店」オーナーシェフの故・陳 建一氏の監修のもと、今日まで多くの方に愛され続けてきました。現在、弊社の冷凍食品の中で、売り上げはナンバーワンです。

2027年3月に30周年を迎える、中華の名店「四川飯店」監修の「国産豚の四川焼売」。豚肉の旨みと玉ねぎの甘みを活かしたふっくらジューシーに仕上げた焼売。パッケージは発売30年目を記念した復刻デザイン。画像提供/日本ハム冷凍食品2027年3月に30周年を迎える、中華の名店「四川飯店」監修の「国産豚の四川焼売」。豚肉の旨みと玉ねぎの甘みを活かしたふっくらジューシーに仕上げた焼売。パッケージは発売30年目を記念した復刻デザイン。画像提供/日本ハム冷凍食品

販促物用の四川焼売バルーンと四川焼売販促物用の四川焼売バルーンと四川焼売

潤 名実ともに看板商品なんですね! そもそも、有名シェフが監修するシュウマイの先駆けでもありますよね。よくそれが実現できたなぁと、改めて感じます。

小林 実は私が冷凍食品担当になったのは2012年秋頃で、「四川焼売」が発売される前年の1996年に入社し、それまで約15年間、カウンターフーズ(ホットスナック)や業務用食材、冷蔵(チルド)商品のコンビニエンスストア向けの営業担当だったんです。

その間、陳氏と中華まんやコンビニ向けメニューの開発、フットワークが軽く、お得意先の工場にまで来てくれたこともあります。「四川焼売」で築いた信頼関係のおかげですね。

潤 発売当初、シュウマイ以外も発売していたのですか?

小林 「中華の鉄人 陳 建一」シリーズとして生餃子、エビチリなどさまざまな中華惣菜を監修していただきました。その頃の売り場は精肉部門の冷凍コーナーが主流でしたが、そこで私の記憶では、シュウマイがよく売れたんですよね。

恐らく当時は、食卓系の大きなシュウマイがなかったと記憶しています。餃子はフライパンで焼くだけですが、火加減で焦げたりします。ですが、シュウマイは電子レンジで温めるだけで、ふっくらジューシーなお店に近い本格的な味が再現できます。

潤 今の冷凍シュウマイの長所にも通じることが、「四川焼売」を通して30年前からすでに分かっていたとは......先駆者ならではですね。

近年は30g前後の大ぶりサイズのシュウマイが、他社含めて幅広く並ぶようになりましたが、そのジャンルにおいても「四川焼売」が先駆者に当たりますよね。それまでの冷凍シュウマイといえば、15g前後の小ぶりなものが中心でした。

小林 1990年代頃までは、冷凍食品といえばお弁当向け商品がメインでしたので、小ぶりなサイズ感が時代的に受け入れられたのだと思います。その後、食卓で食べる商品に需要がシフトしていくことが予測され、それを見越して大ぶりなシュウマイを提供しようと考えたと聞いています。

潤 大ぶりシュウマイといえば、本連載にも登場している味の素冷凍食品さんの商品もヒット商品として有名です。2016年に発売しましたが、その影響はありましたか?

小林 むしろテレビCMの波及効果もあって、「四川焼売」の売り上げも伸びたんです(笑)。

潤 面白いですね~。

小林 リピート率は弊社の冷凍食品内でナンバーワン。監修商品の実力でしょうか、格が違いますよね(笑)

潤 実際に食べると豚肉と玉ねぎの食感と、シンプルな旨みが口中に広がり、皮の食感もなめらか。監修にも関わらず、冷凍シュウマイの中でも極めてシンプルな構成で、飽きずにまた食べたくなる気持ちが分かります。

小林 食感の柔らかさが特徴で、電子レンジを使っても、皮が固くならずふんわり食感が残ります。開発当初と味わいに大きな変更はありません。強いて変化を挙げるとすると、発売から10年位経った頃に、使用している豚肉を国産に指定しました。

また、シュウマイ自体ではないですが、より家庭で食べやすくするために、その前年の2007年に袋のままレンジで温められるようにしました。そして、2013年にはトレイを切り離して1個からでもトレイごとレンジで温められるようにしました。

潤 シンプルな美味しさを、より手軽に美味しく食べられるためにバージョンアップさせる。安定した売り上げだからこそ出来るこだわりですね。

小林 いやいや、ここ数年はさすがの「四川焼売」も苦戦を強いられているのが実情です。原因として考えられるのは、食の多様化とシュウマイの品数が豊富になったことですね。シュウマイ以外の冷凍食品はもちろん、調理済み惣菜なども充実し、選択肢が広がっている影響が出てきていると分析しています。

潤 先述の、お弁当から食卓へと変遷した冷凍食品を取り巻く流れが、さらにここ数年で他分野も巻き込んで変わりつつある。時代と冷凍食品がシンクロしているのだと改めて感じます。

小林 そうした状況もあるなかで、2023年に陳 建一氏がご逝去され、それを息子さんである3代目の建太郎さんが受け継ぎ、「四川飯店 監修」シリーズとしてリニューアルしました。

そして今年の2026年秋に「四川焼売」を中心に、このブランドをさらに強化していきます。「四川焼売」および「小籠包」は陳 建一氏の監修、新たに今年開発した「海老焼売」と「黒酢酢豚」を陳 建太郎氏の監修として発売します。

これまでは「四川焼売」の安定した売り上げもあり、シリーズとしての商品はむしろ絞り込んでいましたが、食卓の需要が変化しつつある今、新たな挑戦に踏み切りました。

潤 「海老焼売」をいただきましたが......豚肉に加えて海老のゴロリとした食感、さらには蓮根のシャキッとした食感も加わり、それらの旨みが融合して、とても贅沢な味わいに仕上がっていますね!

小林 ありがとう御座います。あとは鶏肉も加えてあり、その旨味と食感も新しい試みです。海老シュウマイも既に大ぶりサイズの商品が市場にありましたが、料理人監修の本格中華の分野では存在しなかったので、新たなマーケットを狙いました。

潤 冷凍食品の海老シュウマイ市場も活性化しそうですね! 「四川焼売」自体に対しては何かアクションはしないのですか?

小林 30周年を迎えて固定ファンは確保していますが、30~40代の若年層ファン獲得を目指します。その一環として、ニッポンハムグループである北海道日本ハムファイターズ選手の清宮幸太郎選手、レイエス選手を起用し、北海道限定ですが「四川焼売」のテレビCMを流しています。

北海道限定パッケージで発売されている、中華の名店「四川飯店」監修の「国産豚の四川焼売」。画像提供/日本ハム冷凍食品北海道限定パッケージで発売されている、中華の名店「四川飯店」監修の「国産豚の四川焼売」。画像提供/日本ハム冷凍食品

潤 野球とシュウマイ! スポーツ観戦との親和性は高いですし、新しい客層の開拓には私も注目していましたが、プロ野球チームのオーナー企業ですから、それをやらない手はないですね(笑)。

小林 現在、ファイターズの本拠地である「エスコンフィールドHOKKAIDO」の売店では、ニッポンハムグループの主力商品である「シャウエッセン®」を使用した「シャウエッセン® ホットドッグ」を販売しています。期間限定でもいいので、それと並べて「四川焼売」を串にさして提供しても面白いかもしれませんね。

潤 ぜひ実現してほしいです! 前例としては、同じプロ野球の横浜DeNAベイスターズの本拠地である「横浜スタジアム」では、地元シウマイの代表格である崎陽軒の「ポケットシウマイ」が観戦時のお酒のお供の定番ですし。

最近では、高速道路のサービスエリアで串に刺したシュウマイが売っていたり、音楽フェスではカップに入ったシュウマイが販売されたりしています。エンタメと連動したグルメとしては優秀だと思いますよ。

小林 実は私がコンビニ担当時代、カウンターフーズ(ホットスナック)で串シュウマイを開発して発売した経験があるんです。残念ながら、今は販売していませんが......カップのシュウマイも良さそうですね!

シュウマイは北海道内の工場製造していることもあり、可能性は低くないと思います。潤さんには一度、北海道に来ていただき、工場と共に球場も巡っていただきたいですね(笑)。

潤 シュウマイを盛り上げるためにも、現場視察は必須ですね(笑)。そんなエンターテインメントとの連携の可能性も秘めた、今後の「四川飯店 監修」シリーズのシュウマイに期待しています!

シュウマイ潤が考案した「シュウマイポーズ」をする小林氏シュウマイ潤が考案した「シュウマイポーズ」をする小林氏

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