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開幕戦で勝利を挙げた後も勝ち星を重ねる巨人の竹丸。シーズン序盤ながら、すでに新人王レースを独走している
今季は主力投手の離脱や、3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシックの影響も相まって、例年より早い時期からルーキーの出場機会が増えている。そんな中で注目のルーキー投手について、かつて中日のエースとして活躍し、1993年に沢村賞を受賞、引退後は中日で投手コーチも務めた今中慎二氏が語った。
巨人で64年ぶりとなるルーキー開幕投手を務めた竹丸和幸(ドラフト1位)は、プロ初マウンドで堂々たるピッチングを披露し、初登板・初勝利を挙げた。以降も勝ち星を重ね、すでに4勝(2敗/5月11日時点。以下同)を挙げる活躍を見せている。台所事情が苦しい巨人の先発陣を牽引する若武者を、今中氏はこう評価する。
「正直なところ、投げているボールがめちゃくちゃすごい、というわけではないです。粗削りでコントロールもアバウトですね。
それでも、物おじせずに投げています。腕をガンガン振っていて〝がむしゃらさ〟が伝わってくる投手だなと。投げっぷりが良く、とにかく攻めている。強い気持ちでなりふり構わず向かっていく姿勢が、今はハマっていると思います」
真っすぐを投げる割合が多く(56.2%)、被打率は.319と低くない。ただ、走者をためてピンチを迎えても踏ん張っている印象だ。
「要所要所で抑えていますね。登板を重ねて徐々に自信をつけていけば、ピッチングはもっと安定してくると思いますが、守りに入らずに向かっていくところがルーキーらしくていい。強い気持ちを持つことは1軍で投げる上ですごく大事な部分だと思うので、忘れないでほしいですね」
ロッテの毛利は、開幕戦勝利後は苦しい投球が続いたものの、すでに6登板。実戦の中でピッチングを磨く
一方、ロッテのドラフト2位ルーキー・毛利海大も開幕投手を務め、やはり初登板・初勝利を挙げた。以降の試合では序盤に失点を重ねるなど苦しいピッチングが続いていたが、5月3日の西武戦では7回無失点の好投で勝利を挙げた(2勝2敗)。竹丸と同じく、強気で攻めていくピッチングが印象的だ。
「物おじしない点は評価できますが、コーナーを狙いすぎてカウントが苦しくなることが多い印象です。竹丸みたいに、もっとストライクゾーンで勝負してもいいと思います。そうすると打たれる場面も多くなると思いますが、今はすべてが経験ですから。
ロッテも計算できる先発投手が不足しているので、チャンスはたくさんあるはず。少々やられても、我慢強く使い続けて経験を積ませることが大事です。長い目で見れば、それが本人のためになりますし、チームのためにもなりますから」
1軍の先発ローテーションで起用し続けるケースもあれば、逆に2軍でじっくりと経験を積む選手も多く、球団によってルーキーの起用法や育成方針はさまざま。そんな中で今中氏は、1軍の試合を経験させることの重要性を説く。
「一概に、すべての選手に言えるわけではありませんが、1軍の試合で投げなければ得られないものが多いんです。そこで抑えたり、打たれたりする経験はものすごく大きい。ただ、もちろん2軍でじっくりと鍛える方針もあっていいですし、チーム事情もあるので難しいところですね」
我慢して使い続ける選択肢がある一方で、常に勝利を求められるのが1軍だ。
「ロッテのように先発陣が苦しいチームは、ルーキーでも多くのチャンスが巡ってくると思います。ただ、『今日の試合で打たれたら登録を抹消しよう』といったプランにもなりがちなので、首脳陣がどう我慢できるかでしょうね。
毛利の場合、真っすぐでほとんど空振りが取れていないのが気になります(真っすぐの空振り率は4.0%)。単純に球速を上げればいい、といった話ではありません。自分は現役時代、肩を壊してから真っすぐで空振りが全然取れなくなったのですが、投げていてつらいんですよ。だからまずは、空振りが取れる真っすぐを磨くことですね」
中日の中西(写真)は初勝利を挙げ、今後の飛躍を目指す。一方の櫻井は苦しんでいるが、育成法も注目される
今中氏は、古巣・中日のルーキー、中西聖輝(ドラフト1位)と櫻井頼之介(ドラフト2位)についても言及した。中西は、5月4日の阪神戦で7回3失点の好投を見せ初勝利。しかし櫻井は、5試合に先発し0勝3敗と苦しんでいる。
「即戦力として使い続けるのか、育てていくのか、球団によっていろいろなプランがあるのですが、中西の場合は少し中途半端な印象です。日程などの影響もあって、中西を先発ローテーションの軸のひとりとして回していく感じではないでしょうし、これからの起用法に注目しています。
中西は、ボール自体はいいと思います。ピッチングが散らかったりすることなく、まとまっている。櫻井もまとまってはいるんですけど、実際の数字(空振り率6.8%)よりも真っすぐで空振りが取れていない印象があるんです。カットボールやフォーク、チェンジアップなど球種は多いのですが、〝ここぞ〟というときに真っすぐで空振りが取れないと変化球が生きませんし、苦しくなります」
今中氏は投手を見る際、まず真っすぐで空振りが取れるかどうかを見るという。
「投手がピッチングで苦しんでいるときは、重要な場面で真っすぐで空振りが取れていないことが多いんです。すると変化球に頼ることになり、それを狙われたり、甘くなったりして結局やられることが多くなる。そういう意味でも、投手の状態を見る際には、真っすぐの質を重視していますね。
仮に球速が140キロ台中盤くらいだとしても、空振り率が高ければ問題ない。ルーキーはその部分で苦労することが多いでしょう。今回話した投手たちは現段階である程度まとまっているし、いいものを持っていますから、より上を目指してほしいです」
チャンスを生かし、ブレイクを果たす投手は出てくるのか。今後の投球に注目だ。