ホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博社長と、5月18日発売のCL250のツーショット。価格62万1500円 ホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博社長と、5月18日発売のCL250のツーショット。価格62万1500円
5月18日に発売予定のホンダの新型バイク「CL250」。すでに予約が殺到し、大きな話題を呼んでいるという。その人気の秘密は? モーターサイクルジャーナリスのト青木タカオ氏が解説する。

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5月18日にバイクファン大注目のホンダの新型バイク「CL250」がついに発売される! 3月に東京ビッグサイトで開催された「第50回東京モーターサイクルショー」で、ホンダモーターサイクルジャパン(HMJ)の室岡克博(むろおか・かつひろ)社長は、

「扱いやすく、力強い出力特性のエンジンを搭載。良好な取り回しや優れた機動力で、市街地から郊外まで幅広いシチュエーションで楽しめるモデルとして開発されました」

とプレスカンファレンスで胸を張った。

CL250はスクランブラースタイルと呼ばれ、車体にレトロムードを漂わす。実はホンダ創業者である本田宗一郎氏が夢を乗せ、世界最大の二輪市場であったアメリカへ1962年に送り込んだのが、HONDAドリームCL72。オフロード専用モデルがまだなかった時代。ダートレースでは、ハンドルやマフラーをアップタイプにし、フロントフォークのインナーチューブを小石や砂からラバーブーツで守った。

燃料タンクにパッドを付け、タイヤはセミブロックパターンを履いた。要するに、世界に日本のバイクの実力を知らしめたホンダの由緒正しき"CL"ブランドが今回復活を遂げたわけだ。

そもそもの話をすれば、車検のないお手頃さやツーリングを楽しむのに十分な性能を持つことから、昔から250ccクラスは"ニーハン"とバイク乗りに親しまれてきた人気のクラス。

2サイクルのスーパースポーツバイクとして一世を風靡したホンダ「NSR250R」。写真は1990年に限定発売された「NSR250RSP」。現在も中古市場で鬼人気を誇る 2サイクルのスーパースポーツバイクとして一世を風靡したホンダ「NSR250R」。写真は1990年に限定発売された「NSR250RSP」。現在も中古市場で鬼人気を誇る
1980年代のレーサーレプリカーブームの頃はホンダのNSRなどが爆売れ。現在も当時を知るバイクファンらが渇望することから、新車の何倍もの価格で中古車が販売されていたりする。

80年代はスペック至上主義とも言われ、レース由来の高性能(ハイパワー&軽量化)が求められていたが、昨今は街乗りでも扱いやすく、手軽でカジュアル、日常に馴染む都会的なスタイルであることが人気を呼ぶ。

2017年に登場したホンダ『レブル250』はその代表格で、なんと軽二輪クラス(126~250cc)の販売台数で5年続けてのトップセールスを誇る。スチール製のフレームに、最高出力26馬力ほどの単気筒エンジンを積み、こう言ってはアレだがパワーやハイスペックとは無縁ともいえるほどシンプルな装い。

しかし、このちょうどいいサイズ感と派手すぎないシンプルなスタイリング、かつ低いシート高であることから足着きは楽チン。つまり老若男女、体格を気にせず誰でも気軽に乗れるのが魅力だ。加えて、人気機種であるためカスタムパーツも豊富に出揃い、自分だけの1台に仕上げることも楽しめる。

そして何を隠そう、CL250はレブル250をベースにしているのだ。アオキは発売前の試作車を穴があくほどしつこく、徹底チェックした。

レブルでは前後16インチだったホイールをフロント19インチ、リア17インチに大径化し、往年のスクランブラーがそうだったようにサスペンションのストロークを長く取って車高を上げている。

軽量で取り回しやすい車体サイズがバカウケ。2017年のデビューから爆売れを続けている軽二輪クルーザーモデル「レブル250」。価格61万500~64万9000円 軽量で取り回しやすい車体サイズがバカウケ。2017年のデビューから爆売れを続けている軽二輪クルーザーモデル「レブル250」。価格61万500~64万9000円
シート高はレブル250より10cm上がったが、跨(またが)ってみると足つき性に不安はなく、車体重量が172kgしかないことから取り回しに苦労することはない。フレンドリーさやイージーな操作性はレブル250譲りであることは間違いなさそうだ。

エンジンを始動させ、サウンドも確認済みだが、歯切れのよいシングルエンジンらしい元気ハツラツとした排気音で、街乗りで多用する低中速でパンチの効いたトルクを発揮することがわかる。常用回転域で力強い。つまり、都会を駆け抜ける日常のパートナーとして最適であるということだが、そう断言できるのは『レブル250』の設計開発にも携わり、CL250の開発責任者代行である小数賀巧(こすがたくみ)氏にアオキはネチネチ聞いたからだ。

すでに予約殺到のCL250の年間販売予定台数は7000台。レブル250が年間1万台を超える人気ぶりであることを踏まえると、CL250がほしい人はいますぐ販売店へ急げ!

●青木タカオ(Takao AOKI) 
モーターサイクルジャーナリスト。著書に『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み[第4版]』(秀和システム)など。『ウィズハーレー』(内外出版社)編集長。YouTubeチャンネル『バイクライター青木タカオ【~取材現場から】』を運営