モルドバの首都キシナウの小さな凱旋門「勝利の門」 モルドバの首都キシナウの小さな凱旋門「勝利の門」

好きな街を離れる時はいつも後ろ髪をひかれるが、私はウクライナの西の街リヴィウにさよならを告げ、南へ向かった。

寝台列車のコンパートメントには男性3人と私ひとりであったが、慣れたもの。2段目に上り、手際良くシーツや枕カバーをセットしたら、お腹に貴重品を抱え込むようにして眠りについた。

リヴィウさよなら! カワイコちゃんに見送られ最後まで最高な街でした! リヴィウさよなら! カワイコちゃんに見送られ最後まで最高な街でした!

リヴィウからオデッサまでは寝台列車で約11時間 リヴィウからオデッサまでは寝台列車で約11時間

起きるとそこは「黒海の真珠」と呼ばれる港町オデッサ。横浜と姉妹都市であるその町は、国際貿易都市というだけあってどことなく明るく開放的な雰囲気。

せめてプーシキン文学記念館や、黒海を一目見たかったが時間がない。隣国モルドバ共和国へ行くためのミニバスに乗るために私は先を急いだ。

オデッサ駅に到着 オデッサ駅に到着

アイ・ラブ・オデッサ アイ・ラブ・オデッサ

直観的に立ち寄ることを決めたモルドバは、九州くらいの面積の小さな国で、知名度が低いながらヨーロッパ。『恋のマイアヒ』を歌ったO-Zone(オゾン)の出身地ということで一時期話題にのぼったこともあったが、その認識がある人は少ないであろう。

1991年にソビエト連邦から独立したが、領内に未承認国家の「沿(えん)ドニエストル共和国」「ガガウズ自治区」があったりとなかなか複雑。ウクライナからの国境越えでは、途中にある沿ドニエストルに入ってしまうといろいろとややこしいことになるので、旅人は注意しなければならない。

私はその道を避けるミニバスに乗り込み国境越え。途中の休憩地で写真を撮っているとおばちゃんに怒られた。

あまりにも普通の景色すぎて、心の中では「ケチケチすんなよ」と悪態ついていたのだが、「ごめんなさい。桃があまりに美しいので」と素直に謝り、おばちゃんの売っていた桃を誉めると、気を良くしたのか「これを持っていけ」と甘い香り漂う桃をいくつかもらうことができた。ラッキー。

撮るなと怒られた写真 撮るなと怒られた写真

桃は撮っていいと言われた 桃は撮っていいと言われた

そして、モルドバの首都キシナウに到着。バスターミナル付近のスーパーにある両替所へ向かうと、そこで出会ったのは試食を配っていたモルドバ女子アナスタシア。

ツルっとした肌でキレイな女の子だった。まだ学生で近くの街からアルバイトに通っているという。日本人が来たことをすごく喜んで、疲労困憊の私を笑顔で癒してくれた。彼女のおかげで、この国の第一印象は好印象となった。

美しいアナスタシア 美しいアナスタシア

私はモルドバ通貨のレイを手に入れると、トラムに乗って宿へ向かった。一軒家タイプの宿は門も玄関も開けっ放しだったので、そんなに治安は悪くもないのであろう。

宿主は不在で、案内してくれたのは宿泊客のアメリカ男性ニック。私は桃を冷蔵庫に入れて街へ出かけた。

フレンドリーな滞在者たちと気軽に絡める一軒家タイプの安宿 フレンドリーな滞在者たちと気軽に絡める一軒家タイプの安宿 宿泊客たち。一番右が、ひょうきんでお調子者のニック 宿泊客たち。一番右が、ひょうきんでお調子者のニック

キシナウのメインストリート キシナウのメインストリート

キシナウの街は碁盤の目状に作られ整然としている。旧ソの街並みといった感じがプンプンで、派手な感じはなく素朴。

やたらと軍人さんを見かけると思ったら、役所前でデモがあり、人々は「VOT FURAT」と書いた紙を掲げていた。英訳すると「HIDE VOTE」という意味であったが、つまり不正選挙を訴えている模様。どこの国も政治は穏やかではない。

軍服女子 軍服女子

役所前でデモ 役所前でデモ

大通りにはマクドナルドもあり、見慣れた店のロゴに少し安心感。とはいえ、現地の物を食べてみたいので私は地元料理を扱うレストランへ向かった。

「サルマーレ」という料理は、一口サイズのロールキャベツといった感じで日本人の口に合う。中東でもドルマばかり食べていたけれども、どうやら私は葉に巻かれている食べ物が好きなようだ。

この国もまた物価は安く、これにグラスワインと水を頼んでも99モルドバレイ(約650円)とお手頃だった。

ミニ・ロールキャベツのようなサルマーレ ミニ・ロールキャベツのようなサルマーレ

それから、実はモルドバは紀元前3000年頃からワインの製造が行なわれていたというワイン大国

郊外には、ギネスにも登録された世界最大の200km越えの巨大なワイン貯蔵庫を持つ「ミレスチミーチ」や、全長120kmのセラーを持つ「クリコバ」などのワイナリーがある。残念ながらワイナリーへ行くチャンスはなさそうなので、街で評判のワインバーへ行くことにした。

パーティーの予約が入っているが、「1杯ならいいよ」と言ってもらえたので、外席でひとり寂しくモルドバの風を浴びながら白ワインに口をつけた。うん、ウマイ。ワインの描写はうまくできないが、青りんごのような爽やかな甘み香るスッキリした白ワイン。

「何もないけど、ワインがウマイ。いい国じゃないか」

ひとりモルドバでほろ酔いとなった私はあの歌を口ずさんだ。

ワイン......ウマイアヒー。飲ま飲まイェイ♪

ワイン1杯50モルドバレイ(約330円)。ワイン専門バーだったので、物価の安いモルドバにしては高め ワイン1杯50モルドバレイ(約330円)。ワイン専門バーだったので、物価の安いモルドバにしては高め ひとりマイアヒ ひとりマイアヒ

【This week's BLUE】
ウクライナのリヴィウからオデッサまで、寝台列車でレッツゴー。

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第210回「東欧の小国モルドバで知った"グランピー"な表情と日本の人気アニメ」

●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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